第1部 総説

第1章県勢の概況

1地勢

本県は、関東地方北部に位置する内陸県で、首都東京からは60〜160kmの範囲にある。面積は6,408.28km²(全国20位)で、東西約84km、南北約98kmとほぼ楕円形である。全国面積の約1.7%を占 め、関東の都県中、最も広大な県である。17年度末現在、33市町(14市19町)(*)で構成されている。

県土は、地形上大きく三つの地域に分けることができる。その一つは、北西部山岳地帯で、白根山をはじめ、男体山、女峰山などがそびえ、太平洋側と日本海側の分水嶺を形成している。もう一つは、なだらかな丘陵である八溝山地帯で、県東部、茨城県境に沿って南北に伸びている。さらに、これらの両山地にはさまれ、南に開いた平地が中央平野部で、北から白河丘陵、那須野が原扇状地、塩那丘陵地が連なり、南の平野部へと続いている。

県内を流れる河川は、概ねその源を北西部山岳地帯に発し、鬼怒川(124.8km)、渡良瀬川(55.8km) は、南流して利根川に合流し、那珂川(118.5km) は東折し て茨城県の那珂湊から太平洋に注いでいる。

代表的な湖沼としては、日光の中禅寺湖(11.49km²)や湯の湖(0.35km²)等があり、貴重な水源となっている。(図1−1−1)

(*) 本県では、現在市町村合併が進められているが、本報告書では、原則として17年度末の市町村名及び市町村数を用いている。

図1−1−1県勢図

県勢図

2人口

本県の人口は17年10月1日現在で201万6,452人(男100万1,877人、女101万4,575人)で、昨年同月に比べ1,578人(男1,506人、女72人)増加し、前年に比べ0.08%の増であった。

人口の推移を見ると、昭和40年代半ばから50年代の前半にかけて、増加率が年平均1%を超える高い伸びを示してきた。近年、出生数の減少などにより、増加率は鈍化傾向にある。2年から7年までの5年間で4万9,222人、7年から12年までの5年間で2万427人、12年から17年までの5年間で1万1,635人の増加となっている。

自然動態は、昭和40年代後半の第二次ベビーブーム期をピークに、その後は出生率の低下などにより増加幅が漸減の傾向にある。17年は出生数が17,863人、死亡数が17,758人で、105人の増加であった。

一方、社会動態は、昭和44年以降転入超過の状態が続いていたが、7年に転出超過に転じ、以降は転入超過と転出超過を繰り返している。17年は763人の転入超過となった。(図1−1−2)

図1−1−2総人口の推移と増加率

総人口の推移と増加率

(資料:17年栃木県の人口)

3経済

(1) 経済

15年度の県内総生産額は、名目値で7兆8,961億円となり、対前年比で602億円、0.8%増(14年 度0.6%減)と3年ぶりのプラス成長になった。また、実質値は、8兆7,088億円となり、対前年比(実質成長率)で2.4%増(同2.0%増)と実質経済成長率もプラス成長となった。

産業別の県内総生産の構成比を見ると、第3次産業が60.4%(14年度60.6%)で最も高く、次いで第2次産業41.1%(14年度41.1%)、第1次産業2.2%(14年度2.2%)の順となり、全国と比較して第2次産業、特に製造業の割合が極めて高いことが特徴となっている。(図1−1−3、図1−1−4)

図1−1−3県内総生産の構成比(15年度)

県内総生産の構成比

図1−1−4国内総生産の構成比(15年)

国内総生産の構成比

(注)控除項目等を含むため、構成比の合計は100%にならない。
(資料:平成15年度とちぎの県民経済計算)

(2) 県民所得

15年度における本県の県民所得は、6兆1,420億円で、前年度に比べ471億円、0.8%増加した。 また、一人当たりの県民所得は305万4千円で、前年度に比べ2万2千円、0.7%増加した。一人当たりの国民所得(288万9千円)に対する割合は105.7%となり、国の水準を上回っている。(図1−1−5)

図1−1−5一人当たり県民所得と国民所得の推移

一人当たり県民所得と国民所得の推移

(資料:平成15年度とちぎの県民経済計算)

4土地利用

県土の利用状況は、16年10月現在、北西部や東部の山地を中心に森林が35万900ha(県土の54.8%)、中央部から南部を中心として農用地が13万1,000ha(20.4%)、鉄道や主要国道沿いに住宅地、工業用地等の宅地が4万7,700ha(7.4%)となっている。

土地利用の推移を見ると、本県が首都圏に位置し、交通網の整備(新幹線、高速道路等)が図られていることにより、農用地、林地から宅地等への転換が見られ、都市化が進展してきている。(図1−1−6)

図1−1−6土地利用の推移

土地利用の推移

(資料:県企画部土地利用対策課調べ)

5水需要

本県の水需要は、2年には年間総需要量26億4,400万m3であったものが、14年には26億4,600万m3となっている。

その動向は、用水によって状況に違いがあるものの、全体としては横ばい傾向で推移してきている。

14年の用途別水需要は、水道用水が2億6,500万m3で全体の10.0%、工業用水が1億4,200万m3で5.4%、農業用水が22億3,900万m3で84.6%となっている。(図1−1−7)

図1−1−7水需要の推移

水需要の推移

(資料:県企画部水資源対策室調べ)

6気候の概況

17年の県内の天候は、4月から6月にかけて少雨となり、特に6月は、梅雨前線の活動が弱かったため、記録的な少雨となった。(宇都宮では月降水量の少ない記録の一位)

6月及び9月から10月にかけては記録的な高温となった。一方、12月は強い冬型の気圧配置が続いたため、宇都宮では1983年以来の低温となった。

年平均気温は、平年より高かった。(宇都宮:13.8℃、平年は13.4℃)

年間降水量は、平年より少なかった。(宇都宮:1,333.0mm、平年は1,443.4mm)

年間日照時間は、平年並みだった。(宇都宮:2,009.3時間、平年は1,938.0時間)

なお、関東甲信地方の梅雨入りは6月10日ごろ(平年6月8日ごろ)、梅雨明けは7月18日ごろ(同7月20日ごろ)であった。台風は7月末から8月末に第7号と第11号が関東地方に上陸したが、栃木県への影響は、比較的小さかった。

(資料:宇都宮地方気象台)

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