第2部 環境の状況と保全に関して講じた施策

第2章 人と自然が共生する潤いのある地域づくり

第7節 良好な景観の保全と創造

1 景観形成の総合的な推進

(1) 景観法に基づく良好な景観の形成

“とちぎ”の自然・都市・農山村等の地域特性を生かした良好な景観の保全と創造を図るため、「景観法」や「栃木県景観条例」に基づき、良好な景観の形成を推進した。

 
(2) 景観計画の策定の促進

景観法に基づいて景観行政団体となった市町に対して、景観アドバイザーの派遣、景観行政研究会による情報提供等を行うことにより、地域特性を生かした景観計画策定の促進を図っている。

2 良好な都市景観の保全と創造

(1) 全県フラワーパーク化事業

花とのふれあいを通じて、花による彩りと潤いのあるふるさとづくりを推進している。17年度は、第9回とちぎ花フェスタを鹿沼市で開催し、3万3千人が集まった。

花のまちづくりコンクールでは、162点(実践活動の部16点、フォトレポートの部146点)の応募があった。また、県内8カ所に花苗を配布した。

(2) 地域住民との協働による違反広告物の除却推進

住民参加型違反広告物除却団体の活動を推進して、良好な景観の維持保全を図ります。

(3) 地区計画等の活用

建築物の用途や形態、道路、公園などをきめ細かく定め、都市に生活する人たちの身近な生活環境の保全・整備を図るための地区計画が、17年度は「箱森小平地区(栃木市)」をはじめ5地区で策定された。

3 良好な自然・農村景観の保全と創造

(1) とちぎふるさと街道整備事業

2年4月に「とちぎふるさと街道景観条例」を施行し、同年6月に条例に基づき那須・塩原街道景観形成地区を指定し、12年12月に指定地区を拡張した。ここでは、工作物の設置や木竹の伐採等に対し街道景観形成基準に基づいた指導を行い、「みどり豊かな栃木県」のイメ−ジにふさわしい街道景観の形成を図っている。

また、街道景観形成地区内の特に景観形成上必要がある土地については、栃木県自然景観保全基金等による買い取りを実施するとともに、取得した土地の下草刈等を行い、適正な管理に努めている。

さらに、13年度に創設した「とちぎふるさと街道景観里親制度」により、13年度に2団体、14年度に1団体を街道景観形成地区において景観形成のための活動を行う団体(里親団体)として認定しており、これらの里親団体が行う活動に対し助成を行っている。

こうした取組により、優れた街道景観の形成が図られるとともに、地域における景観保全意識の向上につながっている。

(2) 栃木県農村景観ビジョン

地域住民等による豊かな自然環境創造の取組を30か所で行った。また、伝統的な農業施設や美しい農村景観等の保全・整備を13か所で行った。

4 歴史的・文化的景観の保全と創造

(1) 歴史的景観の保全・復元の促進

ふるさとのシンボルとして県民に親しまれている貴重な名木・古木や、国・県指定天然記念物である樹木、歴史的建造物などを未来に引き継ぐため、市町村等が行う樹勢回復事業や、建造物保存修理等に対し支援している。

17年度においては、真岡市の県指定天然記念物「磯上のヤマザクラ」の樹勢回復事業や、宇都宮市の国指定重要文化財「旧篠原家住宅」の保存修理事業等に対し助成した。

(2) 日光杉並木街道の保護

日光杉並木街道の恒久的保全のため、保護用地の公有化を進めるとともに、杉並木樹勢回復事業を実施した。また、18年度からの実施計画である「日光杉並木樹勢回復事業第二期5か年画」を18年3月に策定した。

なお、並木内の通過交通による影響の軽減を図るため、通行車両の迂回路となるバイパス整備事業を推進しており、17年度には、国道121号板橋バイパス及び県道大桑大沢線大沢バイパスの整備を推進した。

(3) 文化的景観の保存と活用

世界遺産「日光の社寺」については、国宝や国指定重要文化財に指定されている社寺建造物と、これらをとりまく史跡及び自然環境が一体となって文化的景観を形成していることから、その保存と活用を推進している。

17年度においては、日光市が主体的に実施している「周辺環境モニタリング調査」に同行し、データの収集・蓄積等の支援をした。

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