第2部 環境の状況と保全に関して講じた施策

第5章 共通的基盤的施策の展開

第5節 公害紛争処理等

1 公害苦情処理

   
(1) 県及び市町村における公害苦情の取扱状況
ア 公害苦情の受付件数

17年度に県及び市町村が受け付けた苦情件数は1,530件で、そのうち、大気汚染、水質汚濁、土壌汚染、騒音、振動、地盤沈下及び悪臭のいわゆる「典型7公害」の苦情件数は1,107件(全公害苦情件数の72.4%)で、前年度に比べて42件増加した。

また、廃棄物の不法投棄、害虫等の発生、動物の死骸放置など、「典型7公害以外」の苦情件数は423件(全公害苦情件数の27.6%)で、前年度に比べて270件減少した。(図2−5−2、図2−5−3)

図2−5−2 公害苦情受付件数

図2−5−2 公害苦情受付件数

(注)17年度版本書に記載した16年度の「県及び市町村における公害苦情の取扱状況」の数値に異同があった。訂正後の数値は、県ホームページ「とちぎの環境」に掲載している。

図2−5−3 公害の種類別苦情受付件数の推移

図2−5−3 公害の種類別苦情受付件数の推移
イ 発生源別の苦情受付件数

17年度の公害苦情件数を発生源(場所)別にみると、野焼きが最も多く、次いで廃棄物投棄、その他、産業排水・漏洩等、産業用機械作動、自然系の順となっている。(図2−5−4)

図2−5−4 発生源別苦情受付件数

図2−5−4 発生源別苦情受付件数
ウ 公害苦情の処理状況

17年度に処理した苦情件数は1,556件である。その内訳は、17年度に新規に受け付けた件数が1,530件、前年度以前から繰り越された件数が26件であった。

苦情の処理状況をみると、受付機関が直接処理した件数が1,454件、警察や国等の他の機関へ移送した件数が21件、翌年度へ繰り越した件数が26件であった。(表2−5−2)

表2−5−2 公害苦情の受付件数及び処理件数
受 付 の 状 況 処 理 の 状 況
総 数
(受付件数)
当 該 年
度 受 付
前年度以前
からの繰越
総 数
(処理件数)
直接
処理
他へ
移送
翌年度
へ繰越
その他
1,556 1,530 26 1,556 1,454 21 26 55

一方、典型7公害のうち、直接処理した苦情について、苦情の処理方法(解決のために力を入れた手段又は有効であった手段)別にみると、「発生源側に対する行政指導」が852件(典型7公害の直接処理件数の82.1%)と最も多く、次いで、「原因の調査」が115件(同11.1%)、「申立人に対する説得」が34件(同3.3%)、「当事者間の話合い」が12件(同1.2%)などであった。(表2−5−3)

表2−5−3 典型7公害の苦情処理のために行政が採った措置件数
  総 数 発生源側
に対する
行政指導
原因の
調 査
当事者間
の話合い
申立人に
対する説得
その他
処理件数(件) 1,038 852 115 12 34 25
構成比(%) 100 82.1 11.1 1.2 3.3 2.4

また、典型7公害のうち、直接処理した苦情について、苦情の処理のための防止対策の有無をみると、「防止対策を講じた」が690件(典型7公害の直接処理件数の66.5%)「講じなかった」が147件(同14.2%)となっている。(表2−5−4)

表2−5−4 典型7公害の苦情処理のための防止対策の有無別件数
  総 数 防止対策を講じた 講じなかった 不 明
処理件数(件) 1,038 690 147 201
構成比(%) 100 66.5 14.2 19.4
(2) 警察における公害苦情の取扱状況

ア 17年度中に栃木県警察本部及び栃木県内各警察署で受け付けた公害関係苦情件数は、771件(前年度比−112件)で、うち騒音に関するものが491件(前年度比−37件)と最も多く、全体の約64%を占め、次いで廃棄物に関するものが204件(前年度比−38件)で全体の約26%を占めた。(表2−5−5)

イ 騒音苦情の発生源を種類別にみると、車両音が207件(前年度比+60件)と、全体の約42%を占めた。(表2−5−6)

 
表2−5−5 警察における公害苦情受付件数
区    分/
受付(処理)状況










 
 

 
 




 
 




苦情受付件数 12 25   491 1   7 204 31 771



話し合い・斡旋2     76       8 1 87
警告・指導 8 15   290 1   6 54 11 385
検  挙               40 1 41
措置不能 1 3   117     1 72 2 196
他機関への通報 1 7   8       30 16 62
 
表2−5−6 騒音苦情発生源別受付件数
区    分/
受付(処理)状況












 












苦情受付件数 9 13 6 101 15 84 14 207 42 491



話し合い・斡旋2 3   23 7 23 4 9 5 76
警告・指導 7 10 6 67 8 60 9 98 25 290
検  挙                    
措置不能       9   1 1 100 6 117
他機関への通報       2         6 8

2 公害紛争処理

典型7公害に係る紛争について、あっせん、調停及び仲裁を行うため、「栃木県公害紛争処理条例」第2条に基づき、「栃木県公害審査会」(委員15人)が設置されている。

なお、昭和45年度の「栃木県公害審査会」設置以来、17年度までに8件(参加申立を含む。)の調停申請がなされた。

表紙へ