T 環境への負荷の少ない循環型の社会づくり


5 化学物質対策の推進

1 ダイオキシン類対策

1 概況

  • 大気16地点、水質(河川、地下水)92地点、水底の底質31地点及び土壌29地点で測定を行ったところ、水質(河川)2地点で環境基準を超過していましたが、それ以外はすべて達成していました。
  • なお、超過した2地点については、追跡調査を行った結果、環境基準を下回っていました。

2 対策

  • ダイオキシン類対策特別措置法」に基づき、大気、水質及び土壌の汚染状況について、調査地点を定め、常時監視を行っています。
  • 工場・事業場への立入検査を実施しています。
    検査実績:87工場(宇都宮市分4工場を含む)

2 化学物質管理対策

1 PRTR制度における排出量

  • 17年度の化学物質(354物質)の排出量は、14,943t(16年度は16,098t)でした。
  • 発生源別の内訳をみると、事業所(製造、販売、サービス業、農業等)からの排出割合が76%と最も多く、家庭からは7%、自動車等からは17%となっていました。
  • 事業所から最も多く排出された物質は、トルエンであり、塗料やインクの溶剤、ガソリン、合成原料等に利用されています。
  • 家庭からは界面活性剤(洗剤の成分)、自動車からはトルエンが多い結果となりました。
  • 17年度のPRTR制度に基づく化学物質の排出量と移動量の届出件数は804件(同753件)でした。
  • 事業所から届出のあった大気への排出量8,287t(同9,343t)の上位3物質は、トルエン、キシレン(用途:塗料やインクの溶剤、ガソリン成分)、ジクロロメタン(金属の洗浄剤)でした。
  • 事業所から届出のあった河川など公共用水域への排出量86t(同108t)の上位3物質は、ふっ化水素及びその水溶性塩(金属・ガラスの表面処理剤)、ほう素及びその化合物(ガラスの添加剤、消毒剤)、亜鉛の水溶性化合物(乾電池、金属の表面処理剤)でした。

2 環境中の現況

  • 大気環境、水環境中における化学物質の存在量を把握するため、調査を行った結果、環境省の全国調査結果による検出濃度の範囲内でした。

 PRTR制度

 「特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律」(化学物質排出把握管理促進法)により、354種の化学物質(第一種指定化学物質)を取り扱う一定規模以上の事業者は、1年間に環境中に排出した量と移動量を県に届け出ることになっています。
 これを国が集計し、家庭や自動車などからの排出量の推計と合わせて、公表することとしています。


リスクコミュニケーション

 PRTRデータ等を利用して、県民と企業、そして行政が化学物質のリスクに関する情報を共有し、理解と信頼関係を築き、効果的にリスク低減を図る「リスクコミュニケーション」を進めることが重要です。
 県では、化学物質に対するリスクコミュニケーションを推進するため、セミナーの開催や啓発用パンフレットの作成などの普及啓発事業を行っています。

環境リスク管理とリスクコミュニケーション

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