第1章 計画の基本的事項

 

計画策定の趣旨

 本県は、日光や那須の雄大な山岳地帯に源を発する那珂川、鬼怒川、渡良瀬川をはじめとする多数の河川や大小の湖沼、湧水や地下水など、豊かな水環境に恵まれている。
 この豊かな水環境は、県民の生活や産業の基盤であるばかりでなく、多くの動植物の生息場所でもあり、その自然や景観は多くの県民にとってかけがえのない財産である。この良好な水環境を保全していくためには、水環境を構成する水質、水量、水生生物及び水辺を総合的にとらえるとともに、水利用の各段階において環境への負荷をできる限り少なくしていくことが重要である。
 このため、本計画を策定し、水環境の保全に関連する施策を総合的かつ体系的に展開していくものである。

計画の位置づけ

 栃木県環境基本計画(平成11年3月)に基づき、本県の水環境を総合的かつ体系的に保全、創出するための基本となる計画である。
 本計画は、本県における水環境に関する長期的な目標と、その実現に向けた取組の方向性を示すと同時に、県民、事業者、民間団体、行政等のすべての人々が、本県の水環境を保全するため、一緒になって考え、行動していくための指針となるものである。

計画の期間

 本計画は、21世紀半ばころを見通しつつ、平成16年度を初年度とし、平成25年度を目標年度とする10年計画とする。ただし、水環境を取り巻く状況に大きな変化が生じた場合には、必要に応じて計画の見直しを行うこととする。

計画の構成

第1章「計画の基本的事項」では、

 本県の豊かな水環境は、県民のかけがえのない財産であり、今後も良好な水環境を保全していくため、本計画が、県をはじめ、市町村や県民、事業者、民間団体等のすべての人々が共に考え行動していくための指針であることを示している。

第2章「栃木県の水環境の現況」では、

 県が目指す水環境の理念や目標を定めるため、本県の水環境の現況について、水収支、水質、水の文化と歴史などの9つの分野から幅広く調査を行い、水環境を保全していく上での課題を整理している。

第3章「栃木県が目指す水環境」では、

 第2章で示した本県の水環境の現況を踏まえて、200万県民すべてが、美しく豊かな水環境を育むこの郷土を、いつまでも愛し誇りを持ち続けられるよう、一丸となって目指す共通の理念を掲げている。また、この理念の実現に向けて、私たちの目指す4つの基本目標を掲げている。

第4章「水環境に関する施策」では、

 第3章で掲げた4つの基本目標ごとに、施策の展開方向を体系的に示している。

第5章「流域圏別の施策の展開方向」では、

 那珂川、鬼怒川・小貝川、渡良瀬川の3つの流域圏ごとにその特性を踏まえ、流域に特徴的な施策の展開方向を示している。

第6章「各主体の取組方向」では、

 県民、事業者、民間団体、行政等のあらゆる主体が、今日の水環境に関する課題と将来の目標に対して共通認識を持ち、それぞれの役割や能力に応じて、自主的かつ積極的に水環境の保全に向けた取組を行っていくための方向性を示している。

第7章「計画推進のために」では、

 計画に基づき効果的に施策を展開していくため、関係機関との連携、協力を図るとともに、各主体が、水環境に関する課題や情報の共有化を図っていくことを示している。

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