特殊詐欺の手口と防止策及び佐野警察署管内の発生状況について
特殊詐欺とその手口
特殊詐欺とは,いわゆる「振り込め詐欺」(オレオレ詐欺,架空請求詐欺,融資保証金詐欺,還付金等詐欺)に「振り込め詐欺以外の特殊詐欺」(金融商品等取引名目詐欺,ギャンブル必勝情報提供名目詐欺,異性との交際あっせん名目詐欺)を加えた詐欺の総称です。
現金をだまし取る方法は、従来のような口座に現金を振り込ませる「振込型」以外に、犯人が直接取りに来る「受取型」、レターパックや宅配便を利用して現金を送らせる「送付型」があります。
特殊詐欺の手口は以下のとおりです。
<振り込め詐欺>
オレオレ詐欺電話を利用して,家族や親類,警察官,弁護士などを装い,様々な名目でお金が必要になったと訴え,口座に現金を振り込ませるなどしてお金をだまし取るものです。
当初「オレだよオレ。」などと息子を装う手口が多かったことから,この名称で呼ばれています。
オレオレ詐欺は,息子などになりすまし,はじめに「携帯電話の入ったカバンをなくしてしまったので,番号が変わった。」などと伝え,その後「会社の金を使い込んでしまった。」といった会社でのトラブルや,「女性を妊娠させてしまい,中絶費用(示談金)が必要になった。」といった妊娠中絶費用を名目とするケースが多く見られます。
また,警察官や金融庁,銀行協会職員をかたり,「あなたの口座が犯罪に使われている」「キャッシュカードを取り替える必要がある」などとだまし,自宅に来た犯人が手渡しでカードや現金を受け取る手口もあります。
利用していないサービスの料金や借りた事実のない借金など,架空の支払を請求する郵便はがきや,電子メールなどを不特定多数の者に送りつけ,現金を口座に振り込ませるなどしてお金をだまし取るものです。
最近では,被害の多くが携帯電話の有料サイト利用料金名目であり,未納料金の請求や,未納に伴う和解金や訴訟費用を請求してくる手口となっています。
実際には融資などしないのに融資の勧誘を行い,申込者に保証金や手数料などの名目で,お金を口座に振り込ませるなどして、だまし取るものです。
勧誘の方法としては,ダイレクトメール,FAX,電子メール,インターネット,雑誌広告など様々です。
申し込みの電話をすると,「融資の前に,まず保証金を振り込んで下さい。」,「過去の借金のデータを抹消すれば融資できます。そのための手数料が必要。」などと現金振り込みを要求してきます。
自治体や税務署,社会保険事務所などの職員を装って電話をかけ,税金や医療費の過払い分を返還するなどと偽って,還付金を受け取れると思い込ませ,被害者を大型店舗やコンビニエンスストアに設置された無人のATMへ誘導して機会を操作させて,逆に犯人の口座へ送金させてだまし取るものです。
直接「お金を振り込んでくれ。」と要求するものではなく,電話で「○○○○を押して下さい。」などとATMの操作を指示して,本人も気付かないうちに口座から送金させてしまう手口です。
「医療費が戻ります。」「税金が戻ります。」といった電話などは詐欺を疑って下さい。
<振り込め詐欺以外の特殊詐欺>
金融商品等取引名目詐欺電話やダイレクトメールで,未公開株や社債,会員権,外国通貨等の購入を勧め,購入代金等の名目で現金をだまし取るものです。
「必ずもうかります。」「代理で購入して欲しい。高く買い取ります。」などと話を持ちかけ,購入代金をだまし取る手口が多く発生しています。
また,「名前だけ貸してくれればよい」と言っておきながら,後になって「名義貸しは犯罪だ。あなたは警察に逮捕される。キャンセル料を支払えば助かる。」などと現金をだまし取るものや,「過去に損した分を取り戻しましょう。ただし手数料が必要です。」といった被害回復型,さらに銀行職員や警察官をかたって「この話は信用できる。」などといった電話をかけてくるものなど,手口も様々です。
雑誌やメール等で「パチンコ必勝法」「競馬必勝法」を販売する等と表示して顧客を募集し,購入を申し込んだ被害者から,会員登録料や情報提供料などの名目で現金をだまし取るものです。
最近では,ロト6などの宝くじ当選番号の情報提供名目による手口として,「○等,○千万円が当選する番号を教えるので,手数料として○万円を振り込んで欲しい。」などと言って現金をだまし取るものも発生しています。
雑誌やメールで,「女性紹介」等と呼びかけ顧客を募集し,これに申し込んだ被害者から会員登録料や保証料などの名目で現金をだまし取るものです。
中には,実際に一度異性と会わせたり,異性に関する虚偽の情報を提供したりし,被害者を信用させた後に現金を要求する手口もありますので注意が必要です。
佐野警察署管内における特殊詐欺の被害とその対策
今年1月からの佐野警察署管内における特殊詐欺の発生件数は2件であり,被害金額は1,800万円にもなります。
被害にあったときの手口は,いずれもオレオレ詐欺と呼ばれる手口のものです。
犯人はアポ電と呼ばれる電話を架けてくることが多く,電話で次のような言葉が出たら,これは詐欺かも知れないと思って下さい。
実際佐野警察署管内に居住する方のお宅にもアポ電は掛かってきています。
- 電話で振り込みを依頼された
- 息子や窓から「携帯電話の番号が変わった」と言われた
- 急にお金が必要になり,今日中に振り込んで欲しいと頼まれた
- 医療費や税金の戻りがあるので,○○に電話して下さい
- 「ATMに着いたら電話して下さい。操作を教えます」と言われた
- 銀行員・○○センターの者・友人・知人が自宅までお金やキャッシュカードを取りに行くと言われた
- 「誰にも言わないようにして下さい」と言われた
- 「民事訴訟が起こされ示談金や弁護士費用が必要。」,「裁判には多額の費用がかかるので,示談した方が良い。」などとお金を振り込むよう指示された
- 「信用をつけるため」「保証金」としてお金を振り込むように言われた
- 「このお金は必ず戻る(返金する)。」と言われた。
そのほかにも電話だけでなく
- サイト等の利用の未払い金があるとメールで請求された
- 「最後通告」や「民事訴訟通達書」などと書かれたハガキが届いた
- 「無担保」「低金利」「急ぎの融資が可能」等と書かれたハガキやFAXが届いた
場合にも,詐欺を疑って下さい。
犯人は色々な手段を使い,現金をだまし取ろうと誘惑してきます。
佐野警察署では,警察官や街頭における広報活動,金融機関の方に依頼し,高齢の方が高額なお金を引き下ろす,振り込もうとする場合には警察に連絡をいただき,水際で詐欺の被害を防ぐ等,あらゆる機会を通じて被害防止対策を行っています。
被害を防止するためには,多くの方のご協力が必要です。
お金の話が出たら,詐欺を疑い,決して一人で解決しようとせず,家族,親族,友人等に必ず相談して下さい。