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県内企業の声

王子マテリア株式会社 日光工場

企業名 王子マテリア株式会社 日光工場
住所 〒329-1102
栃木県宇都宮市白沢町592
TEL 028-661-1011
ホームページ http://www.ojimateria.co.jp/
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「お客様から選ばれる企業」を目指し、躍進を続ける王子マテリア株式会社様。
今回は、宇都宮市白沢町にある日光工場様をお訪ねし、事務部 主幹 石澤 秀文様、事務部 佐藤 高男様にお話を伺いました。

主な事業内容について

【左:茶ライナー・右:紙管原紙】

 『紙』は、新聞・雑誌やコピー紙といったものに使用される「洋紙」と、段ボールやパッケージ用の箱などに使用される「板紙(いたがみ)」に分けることができます。
 当社は、段ボール原紙だけでなく、様々な「包装素材」を幅広く提供する総合包装用途素材メーカーとして事業活動を行っています。
 段ボールの「原紙」は、更にライナー(平らな部分に使用される紙)と中芯(波を打っている部分に使用される紙)に分けることができますが、それぞれ様々な種類のものがあります(白ライナー・色ライナー・耐水・撥水等)。

 日光工場では、主にライナー原紙(茶ライナー)を作っています。
 当社はあくまで「原紙」を生産するところまでを受け持ち、製函作業(段ボール箱を組み立てること)は王子グループの王子チヨダコンテナーや森紙業を始めとする「段ボールメーカー」様で行っております。そこで組み立てられた箱は、青果物や缶飲料、家電製品の箱などにご使用頂くことが多いようです。

 更に、日光工場では食品・薬品・日用雑貨等のパッケージとして使用される『紙器用の板紙』やラップの芯などに使用される『紙管原紙』なども生産しています。
 また、特殊なものとしては、原紙に特別な塗工液を塗り、様々な機能や特性をもたせる「マイケルマン」というものも一部行っています。例えば、栃木の皆様にはあまりお馴染みでないかもしれませんが、強度の耐水性を付与したものを大分の関サバなどの魚箱としてご利用頂いています。

企業にとっての栃木県の立地環境について

【左:ワインダー・右:ドライヤー】

 王子マテリアの工場は全国に12カ所あります。その中でも一番の消費地である関東、特に東京に近いということで、日光工場は優れた立地環境にあります。
 関東圏では東京を中心としたドーナツ状に、製函を行う「段ボールメーカー」様が存在しているのですが、距離が近いというのは大きなメリットです。輸送の際のコストや、オーダーに対し即時対応させて頂ける供給体制も作れます。
 また搬送路という意味では、出荷の約8割以上を占める工場以南の物流に対して東北道などを利用できるのは利点です。
 更に、原料の「古紙」を集荷するのにも、大変有利です。関東で発生する大量の古紙をタイムリーに搬入できるので、当工場は、まさに首都圏の「古紙の森」の恩恵にあずかっているということができると思います。

 それから、物流という点ではあまり利用頻度は高くありませんが、人の移動という点で鉄道網も非常に便利です。
 宇都宮は新幹線も通っているため、銀座にある本社から乗継を見ても2時間以内と、十分日帰り圏内となります。
 営業の者も動きがとりやすいので、ユーザー様への定期訪問にも非常に便利ですね。

 ちなみに20年程前までは、日光工場構内へJR岡本駅から鉄道(貨物専用線)が走っていました。当時はパルプ用のチップを輸送するのに鉄道を使用していたわけです。
 今は、90%以上が古紙を主原料とする「リサイクル紙」となっているため、当工場ではパルプを作る必要がなくなりましたので、鉄道は廃線となりました。現在、線路敷地は遊歩道「ふれあい通り」に生まれ変わり、市民の憩いの場として親しまれています。

「MADE in とちぎ」製品のセールスポイントについて

【白ライナー】

 紙を作るうえで大切な、水が非常に良いですね。同じように水が重要となる酒蔵も多く、金賞を受賞されているようなお酒もたくさんあります。
 私たちが作る「段ボール原紙」も鬼怒川水系の清流を使用して、お客様の様々なニーズにお応えできる安定した品質を実現しています。
 当工場で作っている板紙は汎用性の高いものが多く、様々な用途でご利用頂いているのですが、栃木県産の青果物、加工食品、飲料、家電製品などを包装する箱として皆様の身近な場所で使われております。
 なお、栃木県の特産品の一つに「とちおとめ」がありますが、そちらの箱は当社の松本工場で作った紙(白ライナー)をご使用頂いております。
 また、伊勢神宮様の「お札」には当工場の紙を100%ご使用頂いておりますし、有名な「赤福餅」の箱にも使用されています。

地域貢献活動について

【王子の森自然学校の様子】

 まず、当社の全工場の取り組みとして、工場周辺の美化・清掃活動を定期的に行っております。
 また、美しい自然を保存しようという活動をしているNPO団体「グランドワーク西鬼怒」様へ協賛させて頂き、川の清掃活動にも多数参加しております。

 さらに、当工場を挙げて取り組んでいることですが、地域の皆様方の住環境に関して細心の配慮を払うよう努めています。
 特に、騒音や臭いといった日常生活の妨げとなりかねない部分について、力を入れております。これは毎月数名の近隣住民の方々に「環境モニター」としてアンケートにご協力を頂くという形で行っています。
 そこで得られた住民の皆様のお声を、当工場が環境対策を実施するうえでの参考にさせて頂いているんです。「私たちはこれだけ環境にやさしい設備に力を入れましたよ、整えましたよ」と一方的に言うのではなく、実際に周辺の方々がどう感じておられるかということの方が重要だと考えるからです。

 地域住民の皆様との交流という点では、近隣の5つの自治会のイベントにも積極的に参加をさせて頂いています。
 例えば焼きそばの出店を出してその売上金を自治会に差し上げるなど、積極的に交流をさせて頂くようにしています。
 さらに、年に1回近隣自治会の代表の方々にお越し頂き、1年間の工場の取り組み・会社の状況の報告や皆様のご意見をお伺いする報告会・意見交換会などもさせて頂いています。近隣住民の方々のご理解があってこそ継続的な生産活動ができるものと考えております。

 また、小中学校からの工場見学も受け入れをさせて頂いております。その他にも、王子グループの環境教育プログラム「王子の森・自然学校」に協力・サポートをしております。
 これは、王子製紙が全国から参加児童を募集し、泊りがけで様々な自然体験の場を提供するというプログラムなのですが、この中で「紙漉き」体験があり、工場が提供したパルプ原料を手漉きして紙作りを実体験して頂くとともに、工場見学を通してリサイクルの大切さを学んで頂いております。
 逆に、私どもが小学校へお伺いすることもあります。毎年一回、児童の皆さんに、王子マテリアというのはこういう会社ですよ、働くということは大変ですが、私たちは紙のリサイクルを通して社会に貢献しており、やりがいもありますよ、といったお話をさせて頂いています。

 以上のように様々な活動をさせて頂いていますが、とにかく一番重視していることは「コンプライアンス」と「環境保全」です。
 万が一これらに影響が出るような事態が起こったら、躊躇なくマシンを止め、影響を最小限に食い止める。そういった姿勢で、今後も地域の皆様とともに歩んで参りたいと思っております。

県民に対して一言

【中央:新エネルギーボイラー】

 現在は、エコカーや省エネ家電など、色々な意味で環境に優しい製品が求められています。皆様の環境意識も高まっていることと思います。
 当工場では、紙の原料としては99%古紙を使用しており、いわゆるフレッシュパルプは0.6%しか使っていません。紙、特に「板紙」は、環境に優しい製品群の中でもトップランナーということができます。
 紙については、段ボールを始め新聞・雑誌等の古紙の回収という点で、社会的・地域的にリサイクルをするには非常に活動しやすい体制が、他の製品と比べて随分前から作られています。エコという観点からも、紙類は燃えるゴミではなく、是非、資源としてリサイクルして頂きたいと思います。
 紙のリサイクルの中でも古紙の「分別」という作業は大変面倒ですが、非常に重要でもあるんです。きちんと分けていれば資源として再利用できますが、ごちゃごちゃになっていれば、結局ゴミとして埋め立てるか燃やすしかなくなってしまいます。
 皆様の一つ一つの「分別」が、リサイクルの中で大きな役割を果たします。

 更に、当工場では2年ほど前に「新エネルギーボイラー」を導入・稼働させました。
 これまでは重油を燃料としていたのに対し、廃材チップ、RPF(紙くずやプラスチックくずなど、燃やすか埋め立てるしかない(再生できない)ものを固めてペレット状にしたもの)や廃タイヤを燃料にできるボイラーです。
 今までの化石燃料から脱却して、CO2削減に貢献しようという取り組みです。燃やすしかないゴミがエネルギーとしてよみがえるだけでなく、化石燃料の使用を削減できるので、地球温暖化防止にも貢献できるというわけです。

 当工場は大正5年(1916年)の創業以来、約100年に渡り「板紙」を作り続けて参りました。
 今後も、原料集荷・製品配送に優れた立地条件を有するこの北関東の要衝の地で、地域の方々のご支援のもと、『非化石エネルギー利用の古紙再生工場』として地球環境にやさしい「板紙」を生産・供給していきます。

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