○栃木県個人情報取扱事務委託基準の一部改正について

平成28年8月29日

文学第347号

経営管理部長通知

本庁各課室長

各出先機関の長

議会事務局長

教育委員会教育長

選挙管理委員会委員長

人事委員会事務局長

監査委員事務局長

公安委員会委員長

警察本部長

労働委員会事務局長

収用委員会会長

内水面漁場管理委員会会長

地方独立行政法人栃木県立がんセンター理事長

県の実施機関が個人情報を取り扱う事務を委託するに当たっては、これまでも栃木県個人情報取扱事務委託基準(平成17年8月12日制定。以下「基準」という。)に基づき適正に実施していただいているところですが、行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律(平成25年法律第27号)の施行に伴い、栃木県個人情報保護条例(平成13年栃木県条例第3号)第12条に規定する個人情報(特定個人情報を含む。以下同じ。)を取り扱う事務を実施機関以外の者に委託する場合の個人情報の保護に関し講ずべき措置について必要な事項を定めるため、基準の一部を改正しましたので、通知します。

また、改正後の基準は、平成28年9月1日から実施となりますので、今年度既に締結している契約については、必要に応じて変更契約をするなど、適切に対応されるようお願いします。

なお、平成17年8月12日付け文学第820号総務部長通知については、平成28年8月末日をもって廃止します。

◇基準の主な改正内容等

1 実施機関は、委託先において、実施機関が果たすべき安全管理措置と同等の措置が講じられるよう必要かつ適切な監督を行うこととし、委託先の適切な選定、委託先に安全管理措置を遵守させるための必要な契約の締結及び委託先における個人情報の取扱状況の把握に関する事項を追加することとした。

2 委託を受けた者が、再委託しようとする場合は、実施機関は、委託した個人情報を取り扱う事務において取り扱う個人情報の適切な安全管理が図られることを確認した上で、再委託の諾否を判断するものとし、あらかじめ実施機関の書面による承諾を得ることを条件に再委託を認めることとした。

3 この基準は、平成28年9月1日から実施することとした。

栃木県個人情報取扱事務委託基準

(平成17年8月12日制定)

最終改正:令和5年1月31日一部改正

1 趣旨

この基準は、個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第57号。以下「法」という。)第66条第2項第1号の規定に基づき、栃木県の機関(ただし、議会を除く。以下「実施機関」という。)が個人情報を取り扱う事務を実施機関以外の者に委託する場合において、個人情報の保護に関し講ずべき措置について必要な事項を定めるものとする。

2 対象となる委託

この基準の対象となる委託は、実施機関が個人情報の取扱いを伴う事務の全部又は一部を実施機関以外の者に依頼する契約のすべてとする。したがって、一般に委託と称されるもののほか、印刷、筆耕、翻訳等の契約を含み、また、収納事務の委託などの公法上の委託も含まれる。ただし、地方自治法(昭和22年法律第67号)第252条の14から第252条の16までの規定により県の事務の一部を他の地方公共団体に委託する場合は含まれない。

3 委託契約の類型

(1) 個人情報を取り扱う事務の委託契約については、委託を受けた者に個人情報を引き渡す場合、委託を受けた者において個人情報を取り扱うことになる場合等、事務の性質によって個人情報の取扱いの実態が異なるため、個人情報を取り扱う事務の委託契約を分類し、事務の内容等に応じて適切な契約を委託先と取り交わすことが必要である。なお、個人情報の取扱いの形態に着目すると個人情報を取り扱う事務の委託契約は、次のように分類できる。

〔類型1〕

実施機関が保有する個人情報を委託を受けた者に引き渡してその処理を行わせるもの

(例)

電算入力データエントリーの委託

通知書等の封入作業等の委託

印刷、筆耕、翻訳等の委託 等

〔類型2〕

実施機関は個人情報を引き渡さないが、委託する事務の性格上、委託を受けた者において個人情報を取り扱うことが予定されているもの

(例)

世論調査、アンケート調査等の委託

大会、研修会等の運営の委託 等

〔類型3〕

実施機関が委託する事務の性質上は、個人情報を取り扱うことが予定されていないが、委託を受けた者が当該事務の遂行に伴って、個人情報を取り扱うことがあり得るもの又は個人情報を入手できる状況となり得るもの

(例)

庁舎等の警備の委託

システム等の保守点検の委託

システムの開発等の委託 等

(注) 類型毎に該当すると思われる委託契約を例示したが、どの類型に該当するかどうかの判断は、事務の性質を考慮して個別に検討すること。

(2) 類型1から3までの委託契約において特記すべき事項(以下「個人情報取扱特記事項」という。)として考えられる事項は、別記のとおりである。なお、事務の内容等からその他必要と認められる事項については、追加すること。

4 委託先の選定に当たっての留意事項

実施機関は、個人情報を取り扱う事務の委託先の選定に当たっては、次の事項に留意するものとする。

(1) 委託先の選定に当たっては、個人情報取扱特記事項を遵守できる者を慎重に選定するとともに、委託先において、実施機関が果たすべき安全管理措置と同等の措置が講じられているか否か、あらかじめ確認すること。

(2) 入札の方法による契約に当たっては入札前に、随意契約に当たっては見積書を徴するときに、契約内容に個人情報の保護に関する個人情報取扱特記事項があることを相手方に周知すること。

5 契約の締結に当たっての留意事項

実施機関は、個人情報を取り扱う事務の委託に係る契約の締結に当たっては、次の事項に留意するものとする。

(1) 契約書に委託を受けた者が個人情報取扱特記事項に掲げる内容を遵守する旨を記載するものとする。ただし、契約書本文中に個人情報取扱特記事項に掲げる内容を記載することを妨げない。

(2) 委託契約の内容が軽易であり、財務規則の規定により契約書の作成を省略できる場合の契約であっても、個人情報取扱特記事項を委託を受けた者に契約事項として交付するものとする。

契約書記載例

(個人情報の保護)

第○条 乙は、この契約による業務を処理するための個人情報の取扱いについては、別記「個人情報取扱特記事項」を遵守しなければならない。

6 委託の実施に当たっての留意事項

実施機関は、個人情報を取り扱う事務の委託の実施に当たっては、次の事項に留意するものとする。

(1) 委託した業務を処理させるために、委託を受けた者に提供する個人情報は、当該業務の目的の範囲内で必要最小限のものとすること。

(2) 委託した業務に係る個人情報の適正な取扱いを確保するため、委託を受けた者において、実施機関が果たすべき安全管理措置と同様の措置が講じられるよう必要かつ適切な監督を行うこと。

(3) 委託を受けた者が個人情報を取り扱う事務を再委託しようとする場合には、委託した個人情報を取り扱う事務において取り扱う個人情報の適切な安全管理が図られることを確認した上で、再委託の諾否を判断するものとし、あらかじめ実施機関の書面による承諾を得ることを条件に再委託を認めること。

なお、個人情報を取り扱う事務が再委託される場合には、委託を受けた者に、委託契約の個人情報取扱特記事項と同様の措置を講じさせること。

7 公の施設を管理させる場合の措置等

この基準は、地方自治法第244条の2第3項に規定する指定管理者に公の施設の管理を行わせる場合であって、当該公の施設の管理業務に伴い取り扱うこととなる個人情報について、法第66条第2項第2号に基づき必要な措置を講ずる場合に準用する。

改正文(令和5年文学第454号)

この基準は、令和5年4月1日から実施する。

別記

個人情報取扱特記事項〔記載例〕

(基本的事項)

第1 乙は、個人情報(特定個人情報を含む。以下同じ。)の保護の重要性を認識し、この契約に係る業務の実施に当たっては、個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第57号)及び行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律(平成25年法律第27号)その他の個人情報の保護に関する法令等を遵守し、個人の権利利益を侵害することのないよう、個人情報の取扱いを適正に行わなければならない。

(秘密の保持)

第2 乙は、この契約による業務に関して知り得た個人情報をみだりに他に漏らしてはならない。この契約が終了し、又は解除された後においても、同様とする。

(従事者の監督等)

第3 乙は、個人情報を取り扱う従事者をあらかじめ指定し、当該従事者の役割及び当該従事者が取り扱う個人情報の範囲を明確にしておかなければならない。

2 乙は、この契約による業務を処理するために取り扱う個人情報の適切な管理が図られるよう、従事者に対して、必要かつ適切な監督を行わなければならない。

3 乙は、この契約による業務に従事している者に対して、在職中及び退職後においてもこの契約による業務に関して知り得た個人情報をみだりに他人に知らせ、又は不当な目的に使用してはならないことその他個人情報の保護に関して必要な事項を周知しなければならない。

(収集の制限)

第4 乙は、この契約による業務を行うために個人情報を収集するときは、当該業務の目的を達成するために必要な範囲内で、適法かつ公正な手段により行わなければならない。

(目的外利用及び提供の禁止)

第5 乙は、甲の指示がある場合を除き、この契約による業務に関して知り得た個人情報を契約の目的以外の目的のために利用し、又は甲の承諾なしに第三者に提供してはならない。

(適正管理)

第6 乙は、この契約による業務に関して知り得た個人情報の漏えい、滅失及び毀損の防止その他の個人情報の適切な管理のために必要な措置を講じなければならない。

(作業場所の特定等)

第7 乙は、この契約による業務を処理するために、甲から提供を受け、又は乙自らが収集し、若しくは作成した個人情報が記録された資料等を取り扱うに当たっては、その作業場所及び保管場所をあらかじめ特定し、甲の承諾なしにこれらの場所以外に持ち出してはならない。

(複写又は複製の禁止)

第8 乙は、この契約による業務を処理するために甲から提供を受けた個人情報が記録された資料等を、甲の承諾なしに複写し、又は複製してはならない。

(資料等の返還)

第9 乙は、この契約による業務を処理するために、甲から提供を受けた個人情報が記録された資料等を、この契約完了後直ちに甲に返還するものとする。ただし、甲が別に指示したときは、その指示した方法によるものとする。

(資料等の廃棄等)

第10 乙は、この契約による業務を処理するために、乙自らが収集し、又は作成した個人情報及び個人情報が記録された資料等を、この契約完了後直ちに、当該個人情報の復元又は判読が不可能な方法により、当該情報を消去し、若しくは当該資料等を廃棄し、又は甲に引き渡すものとする。ただし、甲が別に指示したときは、その指示した方法によるものとする。

(再委託)

第11 乙は、あらかじめ甲の書面による承諾を得た場合を除き、この契約による個人情報を取り扱う事務については自ら行い、第三者にその取扱いを委託してはならない。

2 乙は、甲の承諾により第三者に個人情報を取り扱う事務を再委託する場合には、甲が乙に対して求めた個人情報の保護のために必要な措置と同様の措置を当該第三者(以下「再委託先」という。)に求めるものとする。

3 個人情報を取り扱う事務を再委託する場合において、乙は、再委託先にこの契約による一切の義務を遵守させるとともに、甲に対して、当該個人情報を取り扱う事務に関するすべての行為及びその結果に責任を負うものとする。

4 個人情報を取り扱う事務を再委託する場合において、乙は、乙及び再委託先がこの個人情報取扱特記事項を遵守するために必要な事項並びに甲が指示する事項について、再委託先と約定しなければならない。

(事故発生時における報告)

第12 乙は、この契約による業務に関して、個人情報の漏えい、滅失又は毀損その他の事故が発生し、又は発生するおそれのあることを知ったときは、速やかに甲に報告し、甲の指示に従わなければならない。

(実地調査等)

第13 甲は、必要があると認めるときは、乙がこの契約による業務を処理するために取り扱っている個人情報の取扱状況について、随時、実地に調査し、又は乙に対して報告を求めることができる。

(指示)

第14 甲は、乙がこの契約による業務を処理するために取り扱っている個人情報について、その取扱いが不適当と認めるときは、乙に対して必要な指示を行うことができる。

(注1) 「甲」は実施機関を、「乙」は受託者を指す。

(注2) 委託する事務の実態に即して、適宜必要な事項を追加し、又は不要な事項は省略することとする。

参考(地方自治法第244条の2第3項に規定する指定管理者に公の施設の管理を行わせる場合)

個人情報取扱特記事項〔記載例〕

乙が指定管理業務を通じて取得する個人に関する情報(以下「個人情報」という。)の取扱いについては、この個人情報取扱特記事項によらなければならない。

(基本的事項)

第1 乙は、個人情報(特定個人情報を含む。以下同じ。)の保護の重要性を認識し、指定管理業務の実施に当たっては、個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第57号)及び行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律(平成25年法律第27号)その他の個人情報の保護に関する法令等を遵守し、個人の権利利益を侵害することのないよう個人情報の取扱いを適正に行わなければならない。

(秘密の保持)

第2 乙は、指定管理業務に関して知り得た個人情報をみだりに他に漏らしてはならない。当該指定の期間が満了したとき、又は地方自治法(昭和22年法律第67号。以下「法」という。)第244条の2第11項の規定により指定を取り消され、若しくは期間を定めて管理の業務の全部若しくは一部の停止を命ぜられた後においても、同様とする。

(従事者の監督等)

第3 乙は、個人情報を取り扱う従事者をあらかじめ指定し、当該従事者の役割及び当該従事者が取り扱う個人情報の範囲を明確にしておかなければならない。

2 乙は、指定管理業務を処理するために取り扱う個人情報の適切な管理が図られるよう、従事者に対して、必要かつ適切な監督を行わなければならない。

3 乙は、指定管理業務に従事している者に対して、在職中及び退職後においても指定管理業務に関して知り得た個人情報をみだりに他人に知らせ、又は不当な目的に使用してはならないことその他個人情報の保護に必要な事項を周知しなければならない。

(収集の制限)

第4 乙は、指定管理業務を行うために個人情報を収集するときは、当該業務の目的を達成するために必要な範囲内で、適法かつ公正な手段により行わなければならない。

(目的外利用及び提供の禁止)

第5 乙は、甲の指示がある場合を除き、指定管理業務に関して知り得た個人情報を指定管理業務の目的以外の目的のために利用し、又は甲の承諾なしに第三者に提供してはならない。

(適正管理)

第6 乙は、指定管理業務に関して知り得た個人情報の漏えい、滅失及び毀損の防止その他個人情報の適切な管理のために必要な措置を講じなければならない。

(作業場所の特定等)

第7 乙は、指定管理業務を処理するために、甲から提供を受け、又は乙自らが収集し、若しくは作成した個人情報が記録された資料等を取り扱うに当たっては、その作業場所及び保管場所をあらかじめ特定し、甲の承諾なしにこれらの場所以外に持ち出してはならない。

(複写又は複製の禁止)

第8 乙は、指定管理業務を処理するために甲から提供を受けた個人情報が記録された資料等を、甲の承諾なしに複写し、又は複製してはならない。

(資料等の返還)

第9 乙は、当該指定の期間が満了したとき、又は法第244条の2第11項の規定により指定を取り消され、若しくは期間を定めて管理の業務の全部若しくは一部の停止を命ぜられたときは、指定管理業務を処理するために、甲から提供を受けた個人情報が記録された資料等を、直ちに甲に返還するものとする。ただし、甲が別に指示したときは、その指示した方法によるものとする。

(資料等の廃棄等)

第10 乙は、当該指定の期間が満了したとき、又は法第244条の2第11項の規定により指定を取り消され、若しくは期間を定めて管理の業務の全部若しくは一部の停止を命ぜられたときは、甲の指示に従い、指定管理業務を処理するために、乙自らが収集し、又は作成した個人情報及び個人情報が記録された資料等を、消去、焼却、シュレッダー等による裁断等当該個人情報が第三者の利用に供されることのない方法により、直ちに消去し、又は廃棄し、若しくは甲又は甲の指示するものに引き渡すものとする。

2 前項の場合において、乙が正当な理由がなく指定された期限内に個人情報等を消去若しくは廃棄せず、又は引き渡ししないときは、甲は、乙に代わって当該個人情報等を消去若しくは廃棄し、又は回収することができる。この場合においては、乙は、甲の消去若しくは廃棄又は回収について異議を申し出ることができず、また、甲の消去若しくは廃棄又は回収に要した費用を負担しなければならない。

(再委託)

第11 乙は、あらかじめ甲の書面による承諾を得た場合を除き、指定管理業務に係る個人情報を取り扱う事務については自ら行い、第三者にその取扱いを委託してはならない。

2 乙は、甲の承諾により第三者に個人情報を取り扱う事務を委託する場合には、甲が乙に対して求めた個人情報の保護のために必要な措置と同様の措置を当該第三者(以下「再委託先」という。)に求めるものとする。

3 個人情報を取り扱う事務を再委託する場合において、乙は、再委託先に指定管理業務に係る一切の義務を遵守させるとともに、甲に対して、当該個人情報を取り扱う事務に関するすべての行為及びその結果に責任を負うものとする。

4 個人情報を取り扱う事務を再委託する場合において、乙は、乙及び再委託先がこの個人情報取扱特記事項を遵守するために必要な事項並びに甲が指示する事項について、再委託先と約定しなければならない。

(苦情処理)

第12 乙は、指定管理業務に係る個人情報の取扱いに関する苦情の適切かつ迅速な処理に努めなければならない。

2 乙は、苦情を受けたときは、直ちに甲に報告するとともに、適宜、処理経過を報告しなければならない。

(事故発生時における報告)

第13 乙は、指定管理業務に関して、個人情報の漏えい、滅失及び毀損その他の事故が発生し、又は発生するおそれのあることを知ったときは、速やかに甲に報告し、甲の指示に従わなければならない。

(実地調査等)

第14 甲は、必要があると認めるときは、乙が指定管理業務を処理するために取り扱っている個人情報の取扱状況について、随時、実地に調査し、又は乙に対して報告を求めることができる。

(指示)

第15 甲は、乙が指定管理業務を処理するために取り扱っている個人情報について、その取扱いが不適当と認めるときは、乙に対して必要な指示を行うことができる。

(損害賠償)

第16 甲は、乙が特記事項に違反したことにより甲に損害が発生したと認めるときは、損害賠償の請求をすることができるものとする。

栃木県個人情報取扱事務委託基準の一部改正について

平成28年8月29日 文学第347号

(令和5年4月1日施行)

体系情報
第1編 務/第3章 文書学事
沿革情報
平成28年8月29日 文学第347号
令和5年1月31日 文学第454号