フォトとちぎ2012夏号
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病気などの自覚症状で最も多いのが腰痛です。腰痛に悩む人は年々増え、その数は1000万人と言われています。 国際医療福祉大学塩谷病院の整形外科医、藤田順之さんの研究は、腰痛の原因のひとつ「椎間板変性」がどのようにして起こるのか、遺伝子などを使ってそのメカニズムを解明しようというものです。椎間板は骨と骨との間にある軟骨で緩衝の働きをします。椎間板が傷むことを椎間板変性と呼んでいます。「椎間板変性は、骨粗鬆症のように加齢とともに多く見られます。骨粗鬆症については研究が進み、治療薬も開発されていますが、椎間板変性の治療薬はありません。痛みは緩和できますが、進行を遅らせたり止めたりすることは難しいとされています。もし、このような薬ができれば、腰痛に悩むたくさんの患者さんに対する有効な治療ができると思います」と藤田さん。藤田さんは現在、椎間板変性がどのようにして起こるのかを、遺伝子などを使って解明する研究に取り組んでいます。高齢化が進み、腰痛人口が増加の一途をたどる中、椎間板変性のメカニズムの解明に、大きな期待が寄せられています。腰痛のメカニズム解明し新薬国際医療福祉大学塩谷病院整形外科(矢板市)講師・副部長 藤田 順のぶゆき之さん(39)フォトとちぎ2012夏11

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