フォトとちぎ2012夏号
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 特産品の販売や地域情報を発信するアンテナショップが、東京都内に増えています。今年1月現在、自治体のアンテナショップはあわせて53店舗。このうち37店が都道府県の店舗です。5月22日には、栃木県のアンテナショップ「とちまるショップ」が「東京スカイツリータウン」(東京都墨田区)にオープンしました。多くが、山手線沿線、とくに銀座・有楽町に集中していますが「とちまるショップ」は、312店舗がしのぎを削る巨大商業施設「東京ソラマチ」内の4階に設けました。同じフロアーには、東京スカイツリーの正面エントランスがあり、集客力は抜群です。それだけに、巨大施設の個性に埋没せず“とちぎらしさ”をどれだけアピールできるかは、今後の大きな課題といえます。そこで今回は、人気上々の「とちまるショップ」を運営する㈱ファーマーズ・フォレスト社長の松本謙さんに話を聞いてみました。 「スカイツリーのインパクト、交通アクセスの良さ、とくに東武線で、とちぎとダイレクトにつながっているということは、大きな強みです。ショップを訪れた人が、とちぎをイメージしやすいからです。これを最大限に生かして、ショップを訪れた人が、とちぎに行きたくなるような運営を心がけています。店頭には常に1200品目以上の品揃え、あわせて地域のきめ細かな情報も発信し、お客様のニーズに応えます。“とちぎにはいいもの・うまいものがたくさんある”と、気軽に何度でも足を運んでもらえるようなショップをめざします」と、魅力ある店舗づくりに取り組んでいます。 アンテナショップには、物産の販売のほか、もうひとつの大切な役割があると、松本謙さんは言います、それは、消費者と生産者をつなぐ“結び手”となること。ショップ内外での積極的な営業活動にも力を入れています。 「店頭に商品を並べてお客様を待つだけでなく、店外での積極的な営業活動も展開します。同じフロアーの店舗をはじめ、さらには墨田区など近隣地域の商店にも“とちぎのいいもの”を売り込み、流通の接点をつくりたいと考えています。栃木県企とちぎのいいもの業誘致・県産品販売推進本部(東京事務所内)とも、しっかりと連動しながら、生産者と消費者とをつなぐ“結び手”としての役割を果たしたいと考えています。このほか、観光の分野では、旅行会社と連携して着地型旅行プランの提供も計画しています。販売している物産と、生産地とを結びつけ、生産の背景や地域の文化を探る旅。また、グリーンツーリズムとつないで、とちぎの良さを満喫してもらえるような旅行プランなど、魅力的な企画を提案し、誘客したいと思います」と松本謙さん。これまでのアンテナショップのイメージにとらわれない新しい発想で事業を展開しています。 「消費者と生産者とをつなぎ、地域では、観光と農業と“食”をきちんとつなぐ。それが原点となって、ひとつのまちづくりがなされ、地域の活性化を生み出すのです。私の役割は、栃木県全体の活性化と位置づけています。栃木県という地域を活性化し、とちぎの元気と全国の元気とをつなげば、必ず日本全体が元気になると確信しています」と、松本謙さんは地域活性化への取り組みを続けています。栃木県初のアンテナショップ消費者と生産者との結び手に観光と農業つなぎ地域活性化1200の県産品を取り揃えフォトとちぎ2012夏27

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