フォトとちぎ2012夏号
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世界一を目指す研究開発助成事業余剰石油留分でタイヤ用ゴム材料小山工業高等専門学校(小山市)講師 西井 圭けいさん(36) 石油化学工業の原料は原油から精製して得られるガソリンやナフサなどです。このうちナフサはさらに精製・加工を経て、日常生活に欠かせない化学製品(例えばタイヤ用ゴム、プラスチック容器など)になります。精製の際には、大量の「副産物」もできてしまい、この「副産物」の有効利用が望まれています。 西井さんが取り組んでいる研究は、この「副産物」を有効利用することです。具体的には「触媒」といわれる薬を用いて「副産物」から有効な材料をつくり出す研究です。 「タイヤ用のゴムはイソプレンという物質を反応(重合)させて作ります。イソプレンはナフサ精製物をさらに精製して全体の約20%得られますが、残りの80%は副産物(余剰石油留分)です。これを触媒によって反応させ、今までなかった新しい構造の物質を作り出すことが目的です。この研究が達成できると、タイヤ用ゴムの代替材料になる可能性があります。そして、ナフサ精製のときにできた副産物をタイヤの原料として利用するので、精製にかけるエネルギーの節約など環境配慮型材料合成として期待できます」と西井さんは言っています。学生に実験指導を行う西井さんフォトとちぎ2012夏4

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