フォトとちぎ2012秋号
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フォトとちぎ2012秋23  世界最高峰のバレエ学校「ロシア国立ワガノワ・バレエ・アカデミー」の留学生オーディションが7月14日と15日、栃木県総合文化センター(宇都宮市)で行われました。オーディションには、プロのダンサーを目指す16歳から19歳までの男女25人が応募。審査の結果、6人が合格しました。このうち栃木県からは、宇都宮短期大学付属高校2年生の西村悠香さんが合格しました。栃木県の合格者は2年ぶり、7人目です。西村さんら6人は9月から、来年6月までの10か月間の日程で(成績により延長の場合もあります)芸術の都ロシア・サンクトペテルブルクで留学生活を始めました。 同アカデミーの留学生オーディションは、栃木県総合文化センター(とちぎ未来づくり財団)が日本バレエ界の発展と国際交流などを目的に、1996年度から毎年実施しています。国内では唯一の公認オーディションで、これまでに82人が留学。修了生は、国内外のバレエ団で活躍したり、後進の指導に当たるなど、それぞれの道で活躍しています。 西村悠香さんがバレエを始めたのは6歳のときでした。親戚の子が習っていたことから、母親に勧められました。 「姿勢正しく、女の子らしい立振舞いをして欲しいと願い、バレエ教室に通わせてくれたそうです。当時は、まだ幼稚園の年長組でした。教室でレッスンを受けるお姉さんたちのきれいな動きを見て、バレエに魅かれるようになりました」  本格的にバレエをやりたいと、現在所属する教室に通い始めたのは、小学4年生のとき。その1年後、初めて出場した全国コンクール(オールジャパンユニオンバレエコンクール)で児童部門の奨励賞。翌年には、同コンクール優秀賞。さらに、高校生になって、バレエコンクールin横浜に出場し、第2位。文化庁主催の全日本バレエ・コンクールでは第4位に輝きました。 そして今年2月、厳しい予選を通過し、世界が注目する第40回ローザンヌ国際バレエコンクールで、セミファイナリストになりました。 「私にとって初めての国際大会でした。そこで感じたのは、世界の人たちの素晴らしい演技でした。大きな違いは、たとえ途中で間違っても、自信たっぷりに演技を続けることです。私は間違うと、ちょっと引いてしまって、それがいかにも自身がないように見えてしまいます。この大会で世界のバレエを実感しました」  とちぎ未来づくり財団では、毎年ロシア国立ワガノワ・バレエ・アカデミーの教師によるレッスン講座を実施しています。西村悠香さんは、これに毎回参加。その度にワガノワへの想いは強まりました。「小学生の頃からずっと憧れていました。でも、ワガノワは、厳しいメソッドを持つ学校としても知られています。可能なら3年くらい頑張って、日本ではできないことをいっぱい吸収したいです。技術的なことはもちろんですが、とくに表現の方法を学び、日本人らしい繊細な動きが表現できるようになりたいです。そのためには、まず言葉がわからないと。ロシア語を勉強し、レッスンをしっかりと吸収したいです。そして修了後には、海外のバレエ団に入れたら最高に素晴らしいことですが、日本のバレエ団もいいと思います。その舞台の真ん中で演技することが夢ですね」国際コンクールで世界を実感ロシア語学びレッスンを吸収バレエのきれいな動きに魅了

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