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概説

1 とちぎの自然
(1) 地形・地質の概要

 栃木県は東部に八溝山地、南西部に足尾山地があり、いずれも中古生界からなる。足尾山地北部から県北西部には中生代末期の酸性火成岩類が下野山地を形成し、さらに北部から西部にかけて那須・高原・日光の第四紀火山が並ぶ。中央部には南北方向に平地部が分布し、その南部は関東平野の北縁をなしている。この地域は、新第三紀の火砕岩、堆積岩類が分布し、その上位に第四紀の火砕流堆積物、礫層、火山灰層が段丘や低地を形成している。水系は県北部から東部にかけて八溝山西縁を流れる那珂川水系、県北西部から中央部を流れる鬼怒川水系、県西部の足尾山地一帯を流域とする渡良瀬川水系に分けられ、県東部の押川流域のみ久慈川水系に属する。

ア 栃木県の地形

 県東部の福島・茨城県境に沿って分布する八溝山地は馬頭−大子、茂木−長倉、岩瀬−友部の横谷によって、北から八溝・鷲子・鶏足・筑波山塊に分けられている。八溝山地では八溝山(標高1,022m)が最も高く、南部に行くに従い順次低くなっていく。
 県北西部福島県境付近の下野山地は帝釈山・大佐飛山を主峰とすることから、それぞれ帝釈山地・大佐飛山地と分けて呼ぶこともある。これらの山地は非火山性の浸食山地で、深い谷に刻まれた大起伏山地からなっている。また、那須・高原・日光の第四紀火山群が北東−南西に配列し、火山フロントを構成する。これらはおよそ30万年前以降の活動によって形成された比較的新しい火山で、険しい地形をなしている。足尾山地は群馬県境付近に分布する火山及び非火山性浸食山地で構成される。足尾山地の南東斜面は山頂高度600〜400mの小起伏山地に移化し、南東方向に流下する思川・秋山川の水系によって解析されている。
 県の中央部は、北から那須火山南東麓を占める高久丘陵、那須野が原、高原火山の南東麓に広がる喜連川丘陵、南部の鬼怒川流域の台地や低地に分けられる。高久丘陵は那須火山から南東に緩く傾斜し黒川などによって解析されているが丘陵上面には平坦面を残している。那須野が原は那珂川と箒川に囲まれた紡錘形の地域で、高度200〜350mの数条の分離丘陵列が北西−南東方向に配列している。北西部の山地に近接した那珂川、蛇尾川の上流部には新期の扇状地が形成され、丘陵上部を覆っている。那須野が原北西部の穴沢から関谷を結ぶ線の西側には山地が連なり、平坦な扇状地地形との境界には関谷構造線がある。

栃木県の地形
イ 栃木県の地質
 中・古生界

 県東部の八溝山地は4つの山塊に分けられ、このうち茨城県に位置する筑波山塊は花崗岩及び変成岩からなる。これを除く北側の3山塊は、佐藤(1974)および鈴木・佐藤(1972)によりペルム系からジュラ系にわたるとされた。その後指田・堀(2000)は鶏足山塊を笠間、高取の2ユニットに区分した。笠間ユニットの堆積年代は中期〜後期三畳紀、ジュラ紀である。また、高取ユニットの時代は前期三畳紀〜ジュラ紀後期にあたる。八溝山全域についてみると、チャートの基底部をもって、構造的下位の笠間ユニットと上位の高取ユニットに区分され、断層関係で接している。
 足尾山地の堆積岩類はチャート・頁岩・砂岩・石灰岩などからなり、特に葛生付近はペルム紀のフズリナ化石を含む石灰岩の産地として知られる。

 中生代末期の火成岩類

 足尾山地北部から中禅寺湖周辺、帝釈・大佐飛山地には中生代末期の火山活動による酸性火山岩類が広く分布する。これらは河田(1966)により奥日光流紋岩類と命名され、濃尾流紋岩に対比されている。
 八溝山地および足尾山地の地下には中生代末期の花崗岩類が広く分布する。これらの花崗岩類の年代は、柴田ほか(1973)によれば白亜紀中期(1億5,000万年前)を示すものと、白亜紀後期(6,500〜6,800万年前)を示すものがある。

 新第三系

 那珂川流域の黒羽付近から烏山、茂木にかけての地域と、塩原、矢板、宇都宮、鹿沼南部にわたる地域には新第三紀の海成堆積岩類および火山砕屑岩類が分布している。また県中央部の平地下部にはこれらの地層が伏在しているしていることが推測される。鷲子山地の南麓から茂木付近には中川層群の陸成火山岩類が広く分布している。荒川層群は中川層群を不整合に覆う海成堆積層で、南那須町の荒川流域を中心に那珂川西岸から馬頭町にかけて分布する。この海成層は南那須町の荒川流域では層厚約800mのほぼ連続した堆積物である。酒井(1986)は地層中に挟まる凝灰岩を鍵層にして詳しい調査を行い、層序を明らかにした。荒川層群は地層の変位が少なく、大型化石(貝化石など)とともに多種の微化石を豊富に含み、中新統の化石層序を研究する上で模式的かつ優良な調査地である。
 塩原町の箒川沿岸部には塩原層群が分布し、保存良好な軟体動物化石を産する。宇都宮・鹿沼付近では大谷石相当の厚い凝灰岩層をはじめとする海成層が分布する。

 第四紀初期の火山と地層

 足尾山地の西部、栃木・群馬の県境には、第四紀初期につくられた皇海山(2,144m)、庚申山(1,892m)、袈裟丸山(1,878m)が南北方向に配列する。これらの火山は約100万年前の玄武岩質〜安山岩質マグマの活動によるものである。
八溝山地西縁から栃木・福島県境付近には白河石、芦野石と呼ばれる溶結凝灰岩が分布する。白河火砕流の年代は鈴木ほか(1998)により、隈戸火砕流(140万年)、西郷火砕流(79万年)とされており、芦野火砕流の年代は、白河火砕流の層序関係からおよそ100万年前と考えられ、前期更新世のものであると推定される。

 第四紀の火山

 県北部から西部にかけて那須火山・高原火山・日光火山が配列し、火山フロントを構成している。
 那須火山北部の三本槍岳は約30万年前頃、朝日岳・南月山は20〜10万年前、茶臼岳は約2万年前の活動で山体を形成した。那須山麓には大規模な山体崩壊による流れ山の地形が分布する。
 高原山は前黒山を中心とする塩原火山と釈迦ヶ岳・西平岳・鶏頂山の三峰からなる(狭義の)高原火山とに分けられる。前黒山北斜面の富士山は安山岩〜石英安山岩質溶岩からなるドームで、約6,500年前に形成された(奥野ほか,1997)。
 日光火山群では女峰・赤薙の成層火山の活動の後、丹勢・大真名子・小真名子などのデイサイト溶岩ドームが形成された。男体山は約2.5万年前に活動を開始し、1.2〜1.3万年前に活動を停止した。日光白根火山は約2万年前以降に活動を開始したと考えられており、1649年、1889年にも水蒸気爆発を起こしている。

 第四紀の堆積岩類

 県中央の平地部には主に陸成の砂礫と火山灰からなる第四系が分布し、台地や丘陵地を形成している。高原火山南東麓から矢板、喜連川付近の丘陵(喜連川丘陵)は砂礫層を主とした境林礫層とその上位の館ノ川凝灰岩からなり、これらを川崎層群と呼んでいる。喜連川丘陵は県内で最も古い段丘面である。これにつぐ段丘面は、古い方から宝積寺面、宝木面、田原面である。これらの段丘の下部には河川礫層があり、その上位を宝積寺ローム、宝木ローム、田原ロームが覆い段丘面を構成している。

栃木県の地質

(栃木県自然環境基礎調査,I栃木県の概要,1栃木県の地形・地質を要約)

(布川嘉英)
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