どうして栃木県が取り組んでいるの
連携構想
  1. 経 緯
     平成10年7月に開催した「北東地域首都機能移転5県知事会議」において、北東地域への首都機能移転の実現に向け、各県でより一層連携した取組を進めることが確認され、共同パンフレットの作成や共同アピールによる国土庁長官等への要望などを実施してきたところであるが、その一環として、5県の合意に基づき本構想を策定することとした。

  2. 趣 旨
     北東地域への首都機能移転については、国会等が一つの県に移転したとしても、これに関連する機能は、県境を超えて広域に立地することも考えられる。
     このため、北東地域への首都機能移転の意義と効果、北東地域が兼ね備える条件と優位性を整理するとともに、北東地域のある県に国会等が移転した場合に、他の県が果たすべき役割や機能分担のあり方等をあらかじめ検討し、北東地域への首都機能移転の具体化に資するものである。

  3. 調査体制
     宮城県、福島県、茨城県、栃木県の4県で、実施主体となる「北東地域首都機能移転連携構想策定協議会」を設置し、山形県の協力のもと、平成10年度と平成11年度の2カ年で策定作業を進めてきた。
     策定に当たり、学識経験者からなる「北東地域首都機能移転連携構想策定調査委員会」を設置し、意見を聞きながら、構想をとりまとめた。
    ※北東地域首都機能移転連携構想策定調査委員会
      座 長今野 修平(大阪産業大学教授)
      委 員大村 虔一(東北大学大学院教授)
    古池 弘隆(宇都宮大学教授)
    佐藤 守弘(常磐大学教授)
    下平尾 勲(福島大学教授)
    (五十音順、敬称略)

  4. 構想の概要
     新世紀の国土づくりを先導する北東地域への首都機能移転という視点から、まず、北東地域の持つ優れた特性を把握した結果、「群を抜く安全性」「限りない開発可能性」「鮮やかな四季の移ろいと多様な自然・文化」「恵まれた交通条件」の4点が整理された。
     また、首都機能移転の意義に照らした、北東地域への移転のメリットとして、「国土の災害対応力の強化」「ゆとりある新都市の形成」「円滑で柔軟な移転プロセス、事業費の軽減」の3点が整理された。
     これらを踏まえ、北東地域への首都機能移転における各県の連携、機能分担について考察した結果、北東地域のどの県に国会等が移転した場合においても、各県がそれぞれの地域特性を生かして密接な連携を図り、適切な機能分担のもとサポートが可能であることが実証された。

     本構想は、北東地域への首都機能移転の具現化に大いに寄与できるものであることから、国会等移転審議会や国土庁、衆・参両院の特別委員会等に提出するとともに、広く全国に配布し、北東地域の移転先地としての優位性を強くアピールしていく。
「機能連携」の考え方
  1. 首都機能の配置
     北東地域の適地に、首都機能(立法、司法、行政)を配置します。
     この場合、立法、司法、行政の中枢機関を中心クラスター(国会都市)に集約的に配置する方式と、交通・情報通信ネットワークにより密接な連携を確保しながら分散的に配置する方式が想定されますが、北東地域では、土地条件、交通条件、都市の分布などからみて、各県単独でも複数の県にまたがる形でも首都機能を受け入れることが可能であり、長期にわたる移転プロセスのなかで、適切な機能配置を柔軟に進めていきます。

  2. 地域間の連携と機能分担
     表1(CLICK HERE)に示すように、北東地域の各県はそれぞれの地域特性を生かして密接な連携を図り、首都機能の配置に応じて適切な機能を分担し、首都機能の円滑な発揮をサポートしていきます。

  3. 準首都機能、民間随伴機能の配置
     首都機能とあわせて、迎賓館、外国公館、国際機関、政党本部、地方公共団体の連絡事務所、特殊法人・認可法人等の事務所、マスコミ、シンクタンク、一般企業の公務部門等を配置します。
     これらの機能は、北東地域の特性を踏まえ、国会都市以外のクラスターや周辺の母都市を含めて広域的に配置することが想定され、例えば、迎賓館、外国公館、国際機関等と外務省とで「外交クラスター」を構成することなども考えられます。

  4. 情報バックアップ機能の配置・整備
     我が国の災害対応力を強化するため、北東地域の特性を生かし、首都機能移転プロセスのできるだけ早い段階から政府情報のバックアップ機能の整備に着手するとともに、主要な通信事業者、放送事業者等のバックアップセンターを整備します。

  5. 国際交流機能、文化学術機能の整備
     正解との幅広い交流を促進し、国民に開かれた新都市を実現するため、国会都市に首都のシンボル広場を整備するとともに、他のクラスター、周辺の母都市やリゾート地域等を含めて、ホテル、コンベンション施設、美術館・博物館、大学院・政策研究機関等を整備します。

  6. 多様な居住機能、ビジネス機能の整備・展開
     新都市のクラスターや周辺の母都市等において就業者や家族向けの住宅地を整備するとともに、上記の機能や住民の生活をサポートする商業・業務、物流、教育・文化、医療・福祉、スポーツ・レクリエーション等の機能を整備します。
     また、阿武隈地域、八溝山周辺地域等自然環境に恵まれた地下の低廉な地域に、農村居住、リゾート居住等のニーズに対応した多様な住宅、民間企業の研究・研修施設、保養施設やサテライトオフィス等を誘致し、自然環境と居住、業務、リゾート等の空間が融合した「多自然居住」のモデル地域を整備します。

  7. 母都市機能の充実、東京との連携
     仙台、福島、郡山、白河・那須、宇都宮、いわき、水戸・日立等の都市圏を新都市をサポートする母都市として位置づけ、上記のような多様な機能を受け入れ、整備します。
     また、世界都市東京に存する経済・文化などの高次都市機能、国際機能を最大限に活用し、それぞれが特色ある発展を目指します。

  8. 観光レクレーション資源の保全・整備
     北東地域の誇る世界的な観光資源や身近なレクリエーション資源を保全・整備し、新都市をはじめ地域内に住み働く人々による21世紀の新しいライフスタイルの創造・実践を支援します。

  9. 交通体系の整備・充実
     既定の交通施設の整備事業を推進するとともに、首都機能の移転プロセスの進展に対応して、新たな駅やインターチェンジの開設、空港・港湾の機能の拡充、アクセス交通手段の整備等を推進し、東京をはじめ国内外との連携を強化します。
     また、交通の目的に応じた安全で快適な交通体系(LRTなど中距離輸送軌道システムや歩道・自転車道など)の整備、自動車利用を抑制するための交通需要管理システムや環境への負荷を軽減する交通技術の採用などを進めます。



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