どんな都市ができるの
那須新首都時代に向けて

〔基本的課題と方向〕
 首都機能移転が必要とされる時代背景、首都機能移転の意義、那須地域の可能性等について再認識した上で、那須新都市が目指す基本目標、基本的課題と方向を提示する。

時代の潮流と首都機能移転

  1. 時代の潮流
    • 地球時代、持続的発展、環境共生、高度情報化、少子・高齢化、個性と多様性
    • 新・全総「多軸型国土構造への転換」「物も心も豊かな多様性に富む美しい国」

  2. 首都機能移転の意義
    • 国と東京の災害対応力の強化、国政全般の改革の契機、東京一極集中の是正
    • 国土政策上・緊急かつ積極的に推進、国政改革との関連・同時並行・一体的に推進
地域の現状

  1. 豊かな県民生活とゆとりある県土づくり
    • 北関東クロスコリドール構想(連携と交流)によるとちぎ新時代の創造
    • 交通条件や生活面での関わり、自然・歴史文化等の地域特性を勘案し5つのテーマゾーンを設定し、地域特性と連携交流を生かした多彩で個性豊かなふるさとづくり

  2. 那須地域の特性とポテンシャル
    • 豊かな自然、広大で平坦、安全な大地、もてなしと癒しの温泉・リゾート・観光資源
    • 那須野ヶ原の壮大な開拓の歴史や東山道、奥州街道沿いの日本的な趣と落ち着きある歴史文化など、品格ある自然・歴史風土
    • 遠すぎず近すぎずの東京との位置関係、有利な地理的条件・高速交通機関の充実
那須新都市の基本目標

  1. 首都機能移転の持つ国家的意義への那須からの貢献
     那須地域の特性や可能性を生かし緩やかに、着実に新都市を創造していくことで、首都機能移転の持つ国家的意義や効果に応えながら、21世紀の世界や全国の持続可能な発展のために大きく貢献していく。
    • 北東地域への移転・新たな国土軸でバランスある国土の形成・北東国土軸への移転の必然性、東遷の歴史的観点
    • 那須地域への移転・国・東京の災害対応力強化に緊急・柔軟対応、国政改革に必要な政経分離のための適度な位置関係、品格ある自然風土から新しい社会経済システム・価値観を創造

  2. 県土の発展
     首都機能の移転のインパクトを最大限に生かし、県土の発展をなお一層促進していく。
新首都の基本的課題と那須新都市ならではの方向
  時代の潮流や首都機能の背景などの認識を基に、新首都の基本的課題(解決すべき6つのテーマ)と、那須新都市ならではの方向について示す。
  1. 国及び東京の災害対応力の強化
    • 地震等災害に対する安全性が高く広大でフラットな地形を生かして、安全で安心のコンパクトな新都市を早期に実現し、国家の司令塔の安全性を確保していく。
    • 東京に万一災害が起こった場合、東京までフラットな地形・新幹線で1時間程度の距離にあるなどの地理的条件や、複数の代替交通ネットワークを生かして、混乱を最小限にとどめ、機動力あるバックアップ強化を図っていく。

  2. 連携発展型の小さな国際政治首都の実現
    • 東京から約150・、新幹線で1時間程度という位置関係など、経済・文化首都東京との適切な連携ができる那須地域の地理的条件を生かし、政経分離を図りながら、集中型ではない連携発展型の小さな国際政治都市を実現し、地球環境や平和、豊かで文化的な国民生活等の21世紀の国政課題に的確に対応していく。
    • 関東・甲信越静・東北との連携、全国交通通信ネットワークを強化していく中で21世紀の我が国のフロティアの北東国土軸上に、世界や全国に開かれ、軽やかで落ち着きとゆとりのある政治首都を実現することで、新しい時代の社会経済システムや価値観を創造していく。

  3. 最小のコスト・最小の環境負荷で円滑な移転を実現
    • 那須地域には、平坦で広大な大地、既存の新幹線・高速道路などの充実した基幹交通体系、中核市宇都宮市をはじめ周辺の既存小都市群の都市機能集積、大規模な国公有地や民有地、首都機能の移転の過程や都市熟成の段階で必要とされる東京との連携のための適度な位置関係など優れた特性や可能性がある。
    • これらを十分に生かすことで、首都機能移転の目的を最小のコスト・最小の環境負荷で達成できる、持続可能な環境共生都市を緩やかに円滑に創造していく。

  4. 新たな国土軸上の拠点形成、国土軸相互の連携による国土の均衡ある発展
    • 那須地域は、東京と仙台のほぼ中央に位置し21世紀の我が国のフロンティアとなる北東国土軸の玄関口となるとともに、多軸型国土形成において重要となるヨコの広域的な地域の連携が多彩に図れる位置にある。
    • こうした地理的条件に那須新都市を実現し、持続可能なバランスのとれた国土を創造していく。

  5. 豊かで新たなライフスタイルが実現できる「場」の提案
    • 那須地域は、広大な平地と人々をやさしく包み込む豊かな自然、都市と農村・自然環境との調和、多彩な歴史文化や風土がある。特に、那須野ヶ原には、人と自然との共生を育んできた壮大で品格ある歴史文化・風土がある。
    • こうした那須を舞台に、人と自然が近接した未来都市をイメージさせる新しい都市空間、そして、我が国の進路を象徴するにふさわしい都市空間を創造していく。
    • また、豊かで多彩な自然・歴史風土を舞台に、新たなライフスタイルが実現できる場を提案し、新しい社会システムや価値観の創造を実践し先導していく。

  6. 地方分権の推進・新しい地域づくりへの貢献
    • 本県は、関東地方で一番の面積を有しながら市町村数が一番少ない(49市町村)ことに象徴されるように、早くから広域行政の取組も盛んであり、地域運営の活力や体力が十分にある。また、那須地域には、既存小都市群、都市と農山村の調和など、豊かな特性と発展可能性がある。
    • こうした地域のポテンシャルを生かし、21世紀の日本を象徴するような、例えば、都市と農山村との調和の地域づくりや既存小都市のブラッシュアップモデルづくりなどにより、地方分権型社会の創造と、その中での新しい地域づくりを実践・先導していく。



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