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福田知事が衆議院国会等の移転に関する特別委員会で意見陳述しました

 「栃木・福島地域」の参考人質疑が行われ、参考人として本県の福田知事と福島県の佐藤知事が出席し、意見を述べました。
 福田知事からは、国会等移転の意義・必要性を訴えるとともに、移転先地の「栃木・福島地域」への早期決定を要望しました。発言要旨は次のとおりです。
@国会等移転の意義
  • 国会等の移転は、その法律の前文にあるとおり、「国政全般の改革の契機」、「東京一極集中の是正」、「国の災害対応力の強化」など、我が国が21世紀にふさわしい新しい社会を築いていくために、極めて大きな意義を有する。
 (国政全般の改革の契機)
  • 「小さな中央政府」を実現し、「地方分権」を進めていくという時代の要請の中で、国会等の移転は、一つの重要な改革になり得る。
  • 国会等の移転に当たっては、「国と地方の役割」、「行政と民間の役割」を見直すことが不可欠であり、このことは行政改革や地方分権をより一層促進することになるものと考えている。
  • 我が国は、政・官・民の機能を集中させることにより、経済の発展と国民生活の安定を築いてきたが、こうした体制は、企業や国民の自立性を損なわせるばかりでなく、我が国経済自体の衰退をもたらす原因となるのではないかとの指摘がある。
  • 物理的に政治・行政の中心と経済の中心を分離し、政・官・民の新たな関係を構築していく必要がある。
 (東京一極集中の是正)
  • 我が国は、東京に政治・経済・文化・学術等、様々な機能を集中させることにより発展を遂げてきたが、その一方で、通勤混雑、交通渋滞、大気汚染、ゴミ、水、電力等、過密による様々な大都市問題が生じ、地方では若年層の流出等による活力の低下を招くことになった。
  • 新しい全国総合開発計画「21世紀の国土のグランドデザイン」では、国土構造形成の流れを、太平洋ベルト地帯への一軸集中・東京一極集中から、多軸型の国土形成の方向へと転換することで、大都市の再生、地域の自律を促進し、美しい国土の創造を目指すとしている。「東京の一極集中の是正」は、わが国の国土政策の根幹である全国総合開発計画の理念と軌を一にするものである。
  • 新しい全国総合開発計画の理念を実現するためにも、国会等は人口や産業が既に集中した地域ではなく、発展可能性に富んだフロンティアの地である北東国土軸上に、移転すべきである。
  • 円滑な移転を考えると、わが国の経済・文化の中心である東京と、政治・行政機能を担う新都市との適切な連携が、移転にあたって最も大切であるため、新都市の位置は東京との連携が密接にとれる距離にあることが是非とも必要である。その点、「栃木・福島地域」であれば、東京との連携がとりやすい。
  • 移転にあたっての効率的な投資の観点から見ても、「栃木・福島地域」は、既に新幹線・高速道路などの基幹交通体系が確立され、また、高速道路のインターチェンジに面して、400haのまとまった国や県が所有する牧草地などがある。その上、これに隣接した民間企業1社で所有している土地を加えると、1,200haとなり、千代田区の面積をも超える一団の平坦な土地が広がっているため、「栃木・福島地域」は、国会等移転にあたってのコストパフォーマンスが極めて高い地域である。
 (国の災害対応力の強化)
  • 現在、多くの地震学者が、南関東で大規模地震や直下型地震が発生する可能性の高いことを指摘している。
  • 政治、行政、経済の中枢が同時に麻痺するような事態になれば、我が国のみならず、全世界にまで大きな影響を与えることは想像するに難くない。
  • 南関東での大規模地震発生の切迫性や、アメリカにおける同時多発テロを考えれば、一日も早く、政治・行政の中枢機能と経済の中枢機能を分離し、同時被災しないようにしておく必要がある。
  • 災害対応力の強化という観点から、国会等の移転は、安全のための投資であるという視点をもって、早急に進めるべきである。
  • 「栃木・福島地域」では、万一、東京圏が大規模な地震に見舞われても、東京からの交通が遮断される可能性が低い地域であり、仮に1つのルートが遮断されても、東北縦貫自動車道、常磐自動車道のほか、国道4号、国道6号といった幹線道路網が充実しているため、代替ルートが確保できる地域である。
 (新世紀を迎えた世界に貢献できるモデル都市づくり)
  • 国会等移転にあたっての新都市は、自然環境と共生した新たな都市づくりのモデルとなるべきである。
  • 北東地域5県で、「北東地域首都機能移転基本構想」を策定し、「新世紀を迎えた世界に貢献するモデル都市づくり」を、第4の意義として提唱している。
  • 「栃木・福島地域」には、豊かな自然の中に、新たなクラスターを整備するための相応しい土地が豊富に存在し、「自然との共生」を実現できる大きな可能性を有した地域である。

A要請事項
 (移転先地は「栃木・福島地域」へ)
  • 移転先地は、国会等移転審議会が最高の評価で候補地に選定した「栃木・福島地域」に決定していただきたい。
  • 国会等移転審議会では、3年という長い年月をかけ、延べ88名にも及ぶ第一線の専門家の方々が関わり、客観的な評価手法により結論を出したので、その結果は極めて重く受け止められるべきである。
 (国民の合意形成)
  • 国会等の移転の実現にあたっては、国民的な議論が不可欠であると思う。しかし、現時点では国民の関心自体が低いとの指摘もあるため、国民世論を喚起するための一層の取組を国会においても推進されるようお願いする。
 (移転先地の早期決定)
  • 国会等移転の実現に向け、合意形成を図るためには、国が国会等移転の具体的なビジョンを国民に示す必要があり、そのためにも早期に移転先地を決定する必要がある。
  • 移転法の11条に書いてある「地震等の大規模災害に対処する上での緊急性」からは一刻の猶予もならないため、国家の危機管理という観点からの検討も含め、議論を深めていただき、早期に移転先地を決定されるようお願いする。

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