重要なお知らせ
更新日:2011年1月28日
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森林は、様々な気候に関与し、また気候を創造したりすることによって、私たちが生活する基盤を守っています。
市街地付近の緑地などでは、暑い夏などには、森林が太陽の光をさえぎり、木蔭(こかげ) をつくることで、涼しく快適な環境をつくってくれます。
また、樹木は根から吸い上げた水を葉から蒸散させますが、そのとき同時に降り注いだ太陽の熱を奪い、気温と湿度の上昇を緩和してくれます。
四季を通じても、森林内の気温は裸地や草地に比べ変化が穏やかで、人にとって快適で安定した気候を作り出していることがわかっています。
太陽光線は多くの森林の葉に当り、吸収したり跳ね返ったりしています。
日本全体でみれば、温暖地域と寒冷地域とでは森林を構成する樹木の種類が異なり、
樹種の葉の性質によって太陽熱の吸収率や反射率が異なっていることにより、
各地に適した気温調整をしています。
それらの樹種では、葉から蒸散させる水分の量も異なり、各地に適した湿度の調整もしています。
(一般に、高緯度や高標高の地帯には、常緑針葉樹が、中間地帯では落葉広葉樹林が、低緯度や低標高の地帯には常緑広葉樹が多く分布しています。)
森林は、広域的な気候も、身近な気候も、私たちが快適に暮らしていけるように調整してくれています。
風を防ぐ機能と言えば、とくに海に面した沿岸部で防風林という形での森林の役割がよく知られています。
しかし、森林が風からわたしたちの暮らしを守っていてくれるのは、海沿いの地域にかぎったことではありません。
私たちが住む栃木県・・・なかでも、日光連山などの麓に広がる県西の平地部でも、山から吹き下ろす風などから、
森林が私たちの暮らしを守ってくれています。
風をさえぎるのは森林そのものだけではなく、森林にぶつかった風が上昇してできる「気流の壁」の存在もまた重要であると考えられています。
もし、森林がなかったら、わたしたちの生活は、もっと強風や砂ぼこりの被害に苦しむものになっていたでしょう。
自動車や工場からの排気に含まれる塵(ちり)などが空気中に放出され、それらが空気中にどんどんとたまっていくと、
大気は汚れ、わたしたちの健康に影響することでしょう。
森林には汚れた空気を浄化するという機能もあります。空気中の塵(ちり)などを葉や幹に吸着させ、雨水とともに地面に落とします。
森林の下のやわらかな地面に落ちた塵は、土の一部として固定されます。
自動車の交通量が多い道路沿いで、樹林の葉の汚れを調べると、いかに樹木が空気の汚れを吸着してくれているか実感できます。
そのようにして、森林は、わたしたちが吸う空気を浄化し、わたしたちの健康を守ってくれています。
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県西環境森林事務所
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