●令和4(2022)年度第1回栃木県障害者差別解消推進委員会 次第 1 議題 (1)障害のある方への差別解消に関する事例集について (2)栃木県障害の特性に応じたコミュニケーション手段の利用の促進に関する条例リーフレットについて 〈 配付資料 〉 ・次第 ・委員名簿 ・資料1 障害のある方への差別解消に関する事例集 ・資料2 栃木県障害の特性に応じたコミュニケーション手段の利用の促進に関する条例リーフレット ●栃木県障害者差別解消推進委員会 委員名簿 ・国際医療福祉大学 あぜがみ やすひこ(委員長) ・宇都宮共和大学 つちさわ かおる ・皐月法律事務所 しょうじ まどか ・栃木県身体障害者福祉会連合会 まえだ のりたか ・栃木県視覚障害者福祉協会 かとう のりよし ・栃木県聴覚障害者福祉連合会 いながわ かずひこ ・栃木県心身障害児者親の会連合会 みしな ともこ ・栃木県精神保健福祉会 まえの すみこ ・栃木県自閉症協会 みやした ようこ ・とちぎ高次脳機能障害友の会 そでやま すみえ ・栃木県難病団体連絡協議会 たまき ともこ ・栃木障がいフォーラム むらかみ はちろう ・特定非営利活動法人栃木県障害者施設・事業協会 たかざわ しげお ・とちぎ障がい者相談支援専門員協会 ささざき あきひさ ・栃木県社会福祉協議会 しのざき かずお ・栃木県立リハビリテーションセンター ほしの ゆういち(副委員長) ・栃木県精神衛生協会 まえさわ たかみち ・栃木県医師会 よだ ゆうすけ ・栃木県商工会議所連合会 かねこ かずひこ ・栃木県バス協会 こやじま まさゆき ・高齢・障害・求職者雇用支援機構栃木障害者職業センター かとう ゆうき ・栃木労働局 いちかわ よしふみ ・栃木県市長会 ささき ひろとも ・栃木県町村会 まつばら かずとし ・栃木県特別支援学校教育振興会 いなば たかゆき ・栃木県PTA連合会 たきぐち たかし ・栃木県民生委員児童委員協議会 ひやま かずこ ・下野新聞社 みうら かずひさ ・公募委員 よしだ しま 委嘱期間:令和3(2021)年6月14日〜令和6(2024)年6月13日 資料1 ●「障害のある方への差別解消に関する事例集」(栃木県障害者差別解消推進委員会)への意見及び対応について 1 宇都宮共和大学 土沢 薫 委員 ・委員からの意見  「4相談対応事例」についですが、事例集を手にする方が具体的に知りたいはずの<合理的配慮の提供について>の欄の内容が、一般に求められる対応、実際に対応された例、事業者へのお願い、公共機関側の現時点での対応、県の考えなど、趣旨や立場が多様になっていて、理解しにくいように感じました。  事例集ということなので、この欄は、できれば具体的な合理的配慮例などを示すようにして、その下の四角枠欄で、更に付け足したほうがよい説明や考え方を補足する形に統一するとわかりやすくなるのではないでしょうか。  4頁の「相談体制」のところの表現や表記が若干分かりにくい気がします。相談の仕方や相談先がわからないとの声も少なくないようですので、工夫していただければと思います。  若干体裁に乱れやわかりにくさがあるようです、調整をお願いいたします(例えば、6頁の(1)(2)は段落の最初は一段下げ、(3)は下げていないなど)。 ・意見への対応  御意見を参考に、「4相談対応事例」について、<合理的配慮の提供について>欄を<ちょっと一言>欄に修正し、配慮の例を示した上で、事業者や周囲の方への配慮のお願いに書き方を統一しました。  「相談体制(4項)」について、対応時間や連絡先等を追記し、書き方を工夫しました。  全体的に体裁を修正しました。  2 (一財)栃木県身体障害者福祉会連合会 前田 則隆 委員 ・委員からの意見  事例集は障害者や行政・事業者・県民にとって参考になると思った。  障害者差別解消法が改正され、事業者にも合理的配慮が求められるようになり、より一層、差別の解消がすすむ事をねがう。  ただ、正当な理由・過重な負担など受けとる側にとって、あいまいであると感じる。 ・意見への対応  障害者差別解消法の改正に伴い、内閣府において、事業者向けに不当な差別的取扱いや合理的配慮の具体例を示したホームページが開設されました。  県においても、出前講座等を通じて、周知・啓発を図って参ります。 3 とちぎ高次脳機能障害友の会 袖山 寿美江 委員 ・委員からの意見  一つ一つの相談に対し丁寧に対応されていて、障害者の家族として心強いと感じました。このような相談窓口があることは知りませんでしたので、広く知らせてほしいと思います。 ・意見への対応  引き続き、出前講座やホームページへの掲載等を行うことで、更なる周知を図って参ります。 4 (地独)栃木県立リハビリテーションセンター 星野 雄一 委員 ・委員からの意見  せっかくの事例集ですので、代表的なものをいくつか、短くして1枚のパンフにして、飲食店やバス・鉄道・タクシー会社等に配布してはいかがですか。  ”盲導犬入室お断りは、ダメです!”とか。 ・意見への対応  出前講座等を通して、障害者差別対応指針(道しるべ)を配布しておりますので、事業者等の反応を見ながらパンフレットの必要性について、検討してきたいと思います。 5 (一財)栃木県精神衛生協会 前沢 孝通 委員 ・委員からの意見  事例集が作成され、研修や研鑽に役立ち良かったと思います。編集作業、お疲れ様でした。  今後も市町や団体の支援に資するよう、定期的に内容の見直しや増補が行われることを望みます。 ・意見への対応  必要に応じて、内容の見直し・増補を行います。 6 (独)高齢・障害・求職者雇用支援機構栃木障害者職業センター 加藤 有騎 委員 ・委員からの意見  事例集はどのような事柄が差別に該当するのか、わかりやすく示されており、手にとった方々の参考となるものだと思います。 ・意見への対応  ありがとうございます。 ●障害のある方への差別解消に関する事例集 1 はじめに (1)事例集作成の経緯について 栃木県(以下「県」という。)では、平成28(2016)年3月に「栃木県障害者差別解消推進条例(以下「条例」という。)」を制定し、平成29(2017)年3月には、栃木県障害者差別対応指針「障害者差別解消のための道しるべ」を策定するとともに、県及び各市町での障害者差別に関する相談窓口の設置や普及啓発の実施など、障害者差別の解消に向け取組を行ってきました。 また、栃木県障害者差別解消推進委員会では、条例施行後3年を経過したことから、令和元(2019)年11 月に栃木県障害者差別解消推進条例検証部会を立ち上げ、条例の施行状況の検証を行いました。そして、令和3(2021)年2月に「栃木県障害者差別解消推進条例3年後施行状況に関する検証報告書」がまとめられ、市町や団体への支援として、障害者差別に関する相談対応の研修や相談事例の情報共有を行う必要があることが提言されました。 それを踏まえ、県では、市町や団体において、相談事案の解決が円滑に図られるよう支援するため、本事例集を作成することとしました。 (2)事例集の活用について 「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律(以下「障害者差別解消法」という。)」では、特定の行為が差別に該当するかどうかは、各々の事案に応じて個別具体的に判断されるものとされており、何が『不当な差別的取扱い』に当たるのか、『合理的配慮』はどのようなことまで提供する必要があるのかは、各事案において異なります。 しかしながら、多くの相談事例を集め、その検証や分析を行うことは、障害者差別の解消に向けて有効な手段であるため、市町や団体における相談対応の一助となり、県全体の障害者差別に関する相談対応のスキルアップにつながることを期待して、事例集を作成しました。事例は、「商品・サービス」「医療」「行政」など日常生活のあらゆる場面を想定し、栃木県障害者権利擁護センターに実際に相談された事例について、相談内容が特定されないよう、一部改編の上掲載しています。 なお、事例はあくまで例示であり、個々の状況に応じて、建設的に対話し、双方が合意できる代替手段を模索することが重要であることに、御留意いただきますようお願いします。 2 栃木県障害者差別解消推進条例について (1)目的 全ての県民が、障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現に資することです。 (2)用語の定義 「障害者」 身体障害や知的障害、精神障害(発達障害を含む。)その他の心身の機能の障害(以下「障害」という。)がある者であって、障害及び社会的障壁により継続的に日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける状態にある者のことです。 手帳を持っている人、自立支援医療や助成制度の対象となっている人だけが「障害者」ではありません。 「社会的障壁」 障害のある者にとって日常生活又は社会生活を営む上で障壁となるような社会における事物、制度、慣行、観念その他一切のもののことです。 …例えば ・手に障害がある人や車いす利用者にとって、『開けづらいドア』 ・聴覚障害の人にとって、『言葉を声に出して説明する習慣』 ・「障害者は誰かに面倒をみてもらわなくてはならない」という『思い込み』  などです。 「不当な差別的取扱い」 正当な理由なしに、障害があることだけを理由として、障害者を障害者でない人よりも不利に対応することです。行政機関等や事業者はもちろんのこと、何人も、不当な差別的取扱いをすることは禁止です。 …例えば ・障害があることを理由に、施設を利用させない、アパートを貸さないこと ・身体障害者補助犬を連れていることを理由に、入店を拒否すること ・障害のない人の付添いを条件にする、利用する時間や場所を制限すること  などです。 ※ 正当な理由…多くの県民がやむを得ないと納得できる、具体的で客観的な理由のことであり、障害者、事業者、第三者の権利利益及び行政機関等の事業目的・内容等の観点に鑑み、具体的場面や状況に応じて総合的・客観的に判断することが必要です。 「合理的配慮」 そのときの状況に応じて、障害者が障害者ではない人と同じように社会参加する上で困っていることを伝えられたとき、過重な負担のない範囲で、困っていることをなくすための取組をすることです。 「障害者差別解消法の一部を改正する法律」が令和3(2021)年6月4日に公布(公布の日から起算して3年を超えない範囲内において政令で定める日から施行)され、事業者においても合理的配慮の提供が義務となります。なお、行政機関等における合理的配慮の提供は、法改正前から義務とされています。 …例えば ・聴覚障害のある人から、メールやファックスで予約や注文を受けること ・知的障害のある人に、わかりやすい絵や実物を見せて説明すること ・障害のある人に席を譲る、おもいやり駐車スペースを適切に利用すること  などです。 ※「過重な負担」の判断は、具体的な場面や状況に応じて、以下の要素等を考慮し、総合的・客観的に判断することが必要です。  過重な負担に当たると判断した場合は、障害者にその理由を説明するものとし、理解を得るよう努めてください。  ・事務・事業への影響の程度(事務・事業の目的、内容、機能を損なうか否か)  ・実現可能性の程度(物理的・技術的制約、人的・体制上の制約)  ・費用・負担の程度  ・事務・事業規模  ・財政・財務状況 (3)基本理念 @ 等しく基本的人権を享有する個人として全ての県民の尊厳が重んぜられること及びその尊厳にふさわしい地域生活を営む権利が尊重されること  障害があってもなくても、私たちは等しく基本的人権を享有する個人として固有の権利があります。互いの個性を認め合い、尊重し合うことが大切です。 A 障害及び障害者に関する理解を深めること  障害のことや配慮の仕方がわからなくて利用を断ってしまうなど、多くの障害者差別の原因は、障害や障害者のことをよく知らないことから始まります。  障害や障害者に関する理解を深めることが大切です。 B 地域社会を構成する多様な主体が、相互に協力すること  障害の有無にかかわらず、地域社会に暮らす私たち一人ひとりや企業、団体、行政などが、互いの立場を認め合い、相互に協力して障害者差別を解消していくことが大切です。 (4)条例で定める取組(抜粋) @ 対応指針の策定(第7条) ☆栃木県障害者差別対応指針「障害者差別解消のための道しるべ」  http://www.pref.tochigi.lg.jp/e05/welfare/shougaisha/sesaku/documents/02_sisin_2903_1.pdf ☆栃木県障害者差別対応指針「障害者差別解消のための道しるべ」(概要版)  https://www.pref.tochigi.lg.jp/e05/welfare/shougaisha/sesaku/documents/gaiyoban_1.pdf A 相談体制(第8、14条) ☆相談窓口 <栃木県障害者権利擁護センター>  障害のある方の差別に関する相談や合理的配慮の提供についての相談等を受け付けています。 【相談時間】  平日 午前9時〜午後5時 【連絡先】  TEL:028-623-3139  FAX:028-623-3052  Mail:tochigi-shougaishakenri@dream.jp 【相談の流れ】 ア 相談の受理  ・電話、FAX、メール、対面等により相談を受け、内容の聞き取りを行う。 イ 情報の収集  ・不当な差別的取扱いを行った相手方(事業所等)について、HP等で情報を得る。 ウ 担当者の打合せ  ・権利擁護センターの関係職員で、方向性について打合せを行い、方針を決定する。 エ 事実確認の調査  ・状況に応じて、直接、相手方(事業所等)に事実確認を行う等調査を行う。 オ 相手方(事業所等)及び相談者との調整  ・調査した内容をまとめ、相談者にその旨を連絡し、調整を行う。 カ 相談の終結  ・調整を行っても解決しない場合、条例第15条に基づくあっせん行為が行われる場合があります。 <この他、各市町にも相談窓口がございます>  詳しくは、栃木県障害者福祉ガイド『2 障害者差別解消の推進』欄を御覧ください。  https://www.pref.tochigi.lg.jp/e05/welfare/shougaisha/fukushi/documents/20220217150504.pdf B 障害及び障害者に関する理解促進、教育及び学習の推進(第9条) ・栃木県知事部局、教育委員会、警察における職員対応要領の策定 ・職員に対するe-ラーニングの実施 ・とちぎ県政出前講座の実施 ・ヘルプマークの普及啓発  ポスターの掲示、若者向けパンフレットの配布、啓発動画の作成・放映 等 C 共生社会とちぎづくり表彰の実施(第10条)  県では、障害者差別の解消の推進等について特に顕著な功績があると認められる者(事業所等)を表彰しています。  障害者差別解消部門、ナイスハート部門、障害者工賃向上部門 D 紛争解決の仕組みの整備(第15、16、17、18条)  条例では、県等に相談しても解決されない場合の紛争解決の仕組みとして、あっせん(第三者機関が入り、当事者間の話合いを促進し、解決を援助すること)、勧告(あっせん案の受諾や必要な措置を講じることを勧告すること)及び公表(当該勧告の等を公表すること)の手続きを規定しています。手続きにあたっては、栃木県障害者差別解消推進委員会が関わり、解決を目指します。 E 栃木県障害者差別解消推進委員会(第19条)  障害者差別解消を推進するため、障害者やその家族、お店や会社の団体の代表者、関係する団体や機関をメンバーとした「栃木県障害者差別解消推進委員会」を設置しています。  http://www.pref.tochigi.lg.jp/e05/welfare/shougaisha/sesaku/sabetukaisyouiinkai.html 3 「栃木県障害の特性に応じたコミュニケーション手段の利用の促進に関する条例」について (1)条例制定の背景  外部委員による栃木県障害者差別解消推進条例施行状況の検証結果、近年の障害者の情報格差を解消するICT技術の進展や災害の頻発・激甚化及び令和4(2022)年の第22回全国障害者スポーツ大会「いちご一会とちぎ大会」の開催を踏まえ、障害者に対する合理的配慮の中で最も重要な、障害の特性に応じたコミュニケーション手段の利用の促進を図るため、条例を制定しました。 (2)条例の目的  障害の特性に応じたコミュニケーション手段の利用の促進に関し、基本理念を定め、並びに県、県民及び事業者の責務を明らかにするとともに、障害の特性に応じたコミュニケーション手段の利用の促進に関する施策の基本となる事項を定めることにより、障害の特性に応じたコミュニケーション手段の利用の促進に関する施策を総合的に推進し、もって全ての県民が、障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現に資することです。 (3)主な内容 @ 県、県民及び事業者の責務、県と市町村との協力について規定 A 障害の特性に応じた多様なコミュニケーション手段について規定   「障害の特性に応じたコミュニケーション手段」とは手話、点字、要約筆記、触手話、指点字、筆談、代筆、代読、平易な表現、表情、身振り、手振り、実物又は絵若しくは図形の提示、情報通信機器の利用その他の障害者が他人との意思疎通を図るための障害の特性に応じた手段のことをいいます。 B 啓発活動や相談体制の充実、県政等に関する情報の取得の円滑化等の障害の特性に応じたコミュニケーション手段の利用の促進のための取組を行うことについて規定  ・障害及び障害者に関する理解を深めることができるよう、啓発活動を行います。  ・県民及び事業者が行う活動を支援するため、相談体制の充実、情報の提供、助言その他必要な施策を講じます。  ・意思疎通支援者及びその指導者の養成のための研修の実施その他必要な施策を講じます。  ・障害の特性に応じたコミュニケーション手段を利用して、県政等に関する情報を発信するよう努めます。 C 障害者の災害時等における必要な情報の取得や避難所等における他人との意思疎通の円滑化に向けた連絡体制の整備等について規定   市町村その他関係機関と連携し、災害時等において、障害者が必要な情報を取得するとともに、避難所等において他人との意思疎通を円滑に行うことができるよう、障害者の家族及び支援者の協力を得つつ、災害時等における障害の特性に応じたコミュニケーション手段を利用した連絡体制の整備その他必要な施策を講じます。 (4)施行期日    令和4(2022)年4月1日 4 相談対応事例 (1)ケース1<商品・サービス>〜盲導犬ユーザーの方の飲食店入店について〜 (視覚障害のある方から) 盲導犬同伴で飲食店に入ろうとしたら、入店を断られました。食事を楽しみにしていたのに。 <どこに問題があるの> 身体障害者補助犬法により、補助犬(盲導犬、聴導犬、介助犬)同伴による入店が認められているにもかかわらず、補助犬同伴を理由に入店を断ることは、不当な差別的取扱いに当たります。 <対応> 飲食店に確認したところ、盲導犬の同伴が認められていることを理解していませんでした。店舗全体で、補助犬についての研修を行い、入店が可能になりました。 <ちょっと一言> 盲導犬は、視覚障害のある方にとって、無くてはならないものです。ユーザーには、常に盲導犬を清潔に保つことが求められています。店員は、盲導犬等補助犬を同伴したユーザーが来店した際は、犬アレルギーや動物が苦手なお客様の有無を確認するとともに、盲導犬についての説明をするなど周囲の理解を促すことが求められます。 この他、宿泊施設、タクシー、イベント等での入店拒否事例がありました。引き続き、盲導犬ユーザーの外出の機会が広がるよう、様々な場面で啓発を行ってまいります。 (2)ケース2<商品・サービス>〜店舗での会計の確認について〜 (視覚障害のある方から) 近所の店に行って買い物をしたのですが、釣り銭が合わないことがありました。できればレジの方に、買った商品と金額の読み上げをしてほしいのですが。 <どこに問題があるの> 視覚障害のある方は、レシートを確認することができません。申し出があったにもかかわらず、商品と金額の読み上げを行わないことは、合理的配慮の不提供に当たります。 <対応> 店舗を統括する部署に連絡をし、レジでの商品と代金の読み上げの配慮について依頼しました。 <ちょっと一言> 視覚障害のある方が店舗を訪れた際は、商品の位置などについて質問されたら答える、商品と金額の読み上げ、おつりの手渡しなど、配慮をお願いいたします。この他、視覚障害のある方から、合理的配慮の依頼があった場合は、できる範囲で対応をお願いいたします。 この他、点字ブロック上に物が置いてある、駅での対応に時間がかかるなどの相談が寄せられています。視覚障害のある方が、安心して街の中を歩くことができますよう、御理解と御協力をお願いいたします。交通事業者等による「声かけ・サポート」運動などの取組も進んできています。 (3)ケース3<商品・サービス>〜聴覚障害のある方の教習受講について〜 (聴覚障害のある方から) 運転免許を取りたくて、教習所に行ったら、聴覚障害を理由に、入校を断られてしまいました。自立への一歩だと思っていましたが、残念です。 <どこに問題があるの> 道路交通法の改正(平成20(2008)年6月施行)により、聴覚障害者の免許取得が可能となりました。聴覚障害があることのみを理由として教習所への入校を断ることは、不当な差別的取扱いに当たります。 <対応> 教習所に確認の連絡を入れたところ、聴覚障害のある方の入校も可能であり、受け入れの準備を進めていましたが、受付担当との連絡調整が不十分だったとのことでした。相談者は入校できることになりました。 <ちょっと一言> 講座等の開講に当たっては、可能な限り様々な障害の特性を考慮した対応をお願いいたします。合理的配慮の申し出があった場合は、建設的な対話を行い、できる限り申し出に添えるよう、添えない場合は、その理由を丁寧に説明し、お互いが納得できるよう話し合いをお願いいたします。 聴覚に障害のある方(10メートル離れた所で90デシベルの警報器の音が聞こえない方)の免許取得に際しては、事前に栃木県警察本部交通部運転免許監理課(栃木県運転免許センター内)適性相談係で適性相談を受け、適性検査終了書の交付を受けてから免許取得の手続きが始まります。 (4)ケース4<商品・サービス>〜聴覚障害のある方の店舗利用予約について〜 (聴覚障害のある方から) お店を利用しようと、FAXでの予約をしましたが、電話での予約を求められました。聴覚障害のため、電話の応対は難しいです。 <どこに問題があるの> 聴覚障害のある方は、電話での応対が難しいので、それに代わる連絡手段(FAXやメール)が必要になりますが、その配慮をしていないと、合理的配慮の不提供に当たります。 <対応> 店舗に連絡し、予約の方法について確認したところ、FAXでの予約も可能であることが確認できました。それを相談者に伝えました。 <ちょっと一言> 聴覚障害のある方は、一見して障害があることが見えにくい状況ではありますが、障害があることを伝えられた場合は、手話、要約筆記、筆談、コミュニケーション支援アプリの活用等、できる限りコミュニケーション手段を多く設定し、意思疎通が図られるよう配慮をお願いします。 また、失語症や構音障害、失声症の方への対応として、求めに応じて筆談や代筆、ゆっくり短い言葉で話す、ジェスチャーを合わせるなど配慮をお願いします。 この他、聴覚障害のある保護者への学校行事における合理的配慮の提供の可否、相続に係る行政手続きにおける聴覚障害者との筆談以外の意思疎通の方法についての問合わせなどがありました。 (5)ケース5<商品・サービス>〜商業施設におけるマナーについて〜 (知的障害のある方の保護者から) 商業施設内にある店に知的障害のある子を連れて買い物に行ったところ、興奮して大きな声を出してしまったため、次回からの入店を断られました。子どもは外出を楽しみにしていたので、残念です。 <どこに問題があるの> 知的障害があることだけを理由に入店を断ることは、不当な差別的取扱いに当たります。 <対応> 店舗と商業施設を管理している部署に連絡をしたところ、知的障害についての理解が不十分であったことが分かりました。店員への研修など店舗としてできることを丁寧に説明し、県としても、差別解消推進条例の啓発に努めることを伝えました。 <ちょっと一言> 知的障害のある方は、状況によって興奮しやすかったり、大声を出したり、感情表現が豊かで飛び跳ねてしまったりすることがありますが、環境の整備や支援者による言葉かけなどで適切に対応することができます。店舗等と、保護者や支援者の方と建設的な対話を行い、周りの方(お客様など)から理解を得るなどして、お互いに気持ち良く場を共有できるよう、協力できると良いですね。 この他、知的障害児者の飲食店舗利用拒否や、知的障害の方に対する勤務条件変更の際の説明不足などの相談事例がありました。職場における相談については、労働局やハローワークと連携し対応しています。 (6)ケース6<公共交通機関>〜車いすによる公共交通機関の利用について〜 (肢体不自由のある方から) 車いすを使用して、公共交通機関を利用しています。エレベーターまでの距離が長かったり、利用に当たって事前に予約が必要だったり、利用しづらいことが多いです。 <どこに問題があるの> 車いす使用者が電車やバスなど公共交通機関を利用する際は、簡易スロープなどの設置と、乗務員による支援が必要です。駅によっては乗務員の確保が難しく、予め乗車の予約を求められることもあり、乗りたい電車やバスに乗れないことがあります。 <対応> 電車やバスの営業所等に状況の確認を行い、できる限り希望する駅やバス停、希望する時間に乗車することができるよう、更なる協力を依頼しました。 <ちょっと一言> 障害のある方が、できる限り一人で移動ができるよう、エレベーターやスロープなどの設置、段差を無くす等、バリアフリー化を推進することが必要です。また、点字ブロック、ホームドアの設置、放送や電光掲示板による案内、分かりやすい表示やアナウンスなど、様々な障害の特性に応じた環境の整備や配慮が求められます。 この他、車いす使用者のバス利用拒否や、盲導犬ユーザーの方の公共交通機関の利用拒否についての相談などが寄せられています。人的、物的、費用などの都合により、すぐには対応が難しい場合もありますが、建設的な対話を通して、お互いが歩み寄れると良いですね。 (7)ケース7<公共交通機関>〜公共交通機関の乗車マナーについて〜 (発達障害のある方の保護者から) 発達障害のある方が利用している公共交通機関の営業所から、独り言が多いと注意を受けました。本人は、注意されて落ち込んでしまいました。 <どこに問題があるの> 発達障害の特性を理解せず、独り言が多いことに対して本人に注意を行ったことは、合理的配慮の提供という観点から改善が必要です。 <対応> 公共交通機関の営業所に連絡をし、事実の確認を行いました。乗務員は、発達障害があることを知らずに、他の乗客から苦情があったため、本人に注意してしまったとのことでした。今後は気を付けるとのことでしたので、その旨を相談者に伝え、理解を得ました。 <ちょっと一言> 発達障害(自閉スペクトラム症等)のある乗客には、障害の特性を理解し、見通しが持てるようにするなどの安心感を高めるための工夫や、周りの乗客への説明などの配慮が考えられます。乗務員への研修の機会もあると良いですね。 発達障害のある方は、状況によって、場にそぐわない言動が見られることがあります。言動の原因について、本人や保護者、支援者と話をし、環境を整えることで適応できることが多いので、温かく見守っていただけると本人は安心できると思います。 (8)ケース8<公共的施設>〜おもいやり駐車スペースの利用について〜 (肢体不自由のある方から) 車いす使用者です。施設や公園で「おもいやり駐車スペース」を利用したいのですが、障害のない方が車を停めていて、利用できないことが多くて困っています! <どこに問題があるの> 車いす使用者は車の乗り降りをするために、十分なスペースが必要です。また、入口から近い方が、移動距離が短くなります。「おもいやり駐車スペース」に停められないと、車いすでの乗り降りに不便を来します。 <対応> 施設や公園の担当部署に連絡し、「おもいやり駐車スペース」の適正な利用について理解を求めました。また、県の「おもいやり駐車スペース」担当部署とも情報の共有を図りました。 <ちょっと一言> 身体障害者、知的障害者、精神障害者、要介護者及び難病者、妊産婦、症病人等のうち、歩行の困難な方が、車を降りてスムーズに目的の場所まで行けるよう、施設や公園から協力の申し出があったスペースを「おもいやり駐車スペース」としています。県では、「利用証」を交付し、利用できる方を明らかにすることで、適正な利用を図っています。必要としている方のためにも、歩行に困難が無い方は駐車を控えましょう。 おもいやり駐車スペースに関する相談は、定期的に寄せられています。利用者の皆様それぞれに事情はあるかと思いますが、困っている方が利用することができますよう、御協力をお願いいたします。 (9)ケース9<公共的施設>〜公衆浴場の利用について〜 (内部障害のある方から) ストマ(人口肛門、人工膀胱)を装着していますが、入浴施設で、利用を断られてしまいました。お湯を汚すことはないので、利用したかったです。 <どこに問題があるの> ストマの装着を理由に入浴施設の利用を断るのは、不当な差別的取扱いに当たります。 <対応> 入浴施設に連絡をし、事実の確認を行いました。障害者差別解消法の趣旨を説明し、ストマの装着を理由に入浴を断ることは、不当な差別的取扱いに当たることを伝え、施設の理解を得ることができました。 <ちょっと一言> 人口肛門、人工膀胱のパッチ(ストマ)は、装着していれば、排せつ物が漏れてお湯を汚す心配はありません。装着していない方への配慮を求めることはあるかもしれませんが、衛生上の問題はありません。ストマの装着を理由に利用を拒否することは、しないようにしましょう。 内部障害は外見からは分かりにくく、困難な状況が伝わりにくいことがあります。オストメイト対応のユニバーサルトイレも増えつつありますが、設置されている場所が限られています。ユニバーサルトイレを利用されている方が、必要なときに利用できるよう、御配慮をお願いいたします。 (10)ケース10<医療>〜通院時の移動手段について〜 (内部障害のある方から) 人工透析のため、定期的に病院に通わなければならないが、バスを利用して通院しようとしていると話したところ、通院を断られてしまった。どうしたら良いのか。 <どこに問題があるの> 障害があることで病院への通院を断ることは、不当な差別的取扱いに当たります。 <対応> 病院に確認したところ、障害により通院を断ったのではなく、体調面や、人工透析に要する時間とバスの運行時刻との兼ね合いで、バスを利用した通院は難しいのではないかと助言した、とのことでした。この後の話し合いにより、無事、通院できるようになりました。 <ちょっと一言> 内部障害は、内臓機能に障害がある状態のため、見た目には分かりづらく、疲れやすいことや、体力が低下している状況が周囲の人に理解されにくいことがあります。ヘルプマークを付けている方を見かけたら、声を掛けるなどの配慮をお願いします。また、ヘルプカードには、連絡先や具体的な支援について記入する欄が設けられています。 この他、内部障害のため、勤務時間を調整しようとしたが、聞いてもらえなかったなどの相談もありました。労働関係の相談には、労働局やハローワーク等と連携して対応しています。 (11)ケース11<行政>〜自治体におけるがん検診について〜 (肢体不自由のある方から) 自治体のがん検診で、体幹の維持ができないため、検査技師から個別に病院で安全に検査を受けてほしいと言われたが、個別の検査では自己負担免除の対象にならない。これは合理的配慮の不提供ではないか? <どこに問題があるの> 検診担当の技師に、安全上の観点から個別に病院で検査を受けてほしいと言われたにもかかわらず、病院での検査受診の自己負担が免除にならないことは、合理的配慮の不提供になる可能性があります。 <対応> 関係する自治体に連絡をし、状況を確認しました。現在の制度では、自己負担免除の対象にならないので、今後、新しい制度に向けて、検討を始めたいとのことでした。 <ちょっと一言> 市町の健康診断及びがん検診について、市町の現在の制度では対応が難しい状況があり、栃木県障害者権利擁護センターに相談がありました。市町が独自に実施していたため、県としては状況の確認しかできませんでしたが、相談者が声を上げてくださったことにより、課題が明らかとなり次につながりました。 (12)ケース12<行政>〜ワクチン接種における付き添いについて〜 (精神障害のある方の支援者から) 新型コロナウイルスワクチン接種会場に精神障害のある利用者と一緒に行ったところ、付き添いは困ると言われた。いつもと違う場所で不安な利用者に付き添いたいが。 <どこに問題があるの> いつもと違う場所や状況で見通しがもてず、不安を感じている精神障害のある方は、面識の無い職員の案内では、不安感が増して、不適応行動を引き起こす可能性があるので配慮が必要です。 <対応> 担当部署に確認したところ、感染のリスクを考慮して付き添いの入室を断ったと考えられるとのことですが、高齢者や障害者等の付き添いは認められていることを確認し、相談者に伝えました。 <ちょっと一言> いつもとは違う場所や行事等で見通しがもてないと不安になる方には、安心できる支援者の付き添い、事前のスケジュール説明、絵や写真等を用いた説明などが必要です。この接種会場では、2回目の接種時には「介助者」と明記された印が準備され、一目で介助者であることが分かるよう対応したとのことです。 この他、学校における聴覚過敏児童に対するイヤーマフ等の装着の可否に関する相談などがありました。特性により不安が高じてしまう場合は、落ち着ける物の活用や、場所や話し方の工夫なども考えられます。 5 おわりに  県では、障害の有無にかかわらず、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現に向けて、様々な施策を行っています。  本事例集は、栃木県障害者差別解消推進条例で求めている「不当な差別的取扱いの禁止」、「合理的配慮の提供」について、より理解を深めることを目的に作成しました。  事例に対して解決例を示しておりますが、相談の解決方法は一つではありません。申し出のあった対応が難しい場合でも、「建設的対話」に努め、解決方法を一緒に検討していくことが重要です。  本事例集が、お互い理解し合おうという気持ちで、一人でも多くの人々が共生社会の実現に向けて取り組むためのきっかけになれば幸いです。 資料2 ●「栃木県障害者コミュニケーション条例リーフレット」への意見及び対応について 1 栃木県視覚障害者福祉協会 ・団体からの意見  お願い (☆)の部分を参考にしてください。 ○基本施策  県民に対する啓発活動   (☆県民に対して障害者の特性が理解されるための啓発活動)  意思疎通支援者等の養成   (☆障害者の特性を理解された意思疎通支援者等の養成) ○主な障害の特性に応じた配慮とコミュニケーション手段 ・視覚障害 【配慮】  周囲の状況を伝えるときは、具体的に説明してください。  突然体に触れず前方から「何かお手伝いできることはありますか。」と声を掛けてください。   (☆視覚障害者は、日常生活を営むとき周囲の話題や情報が分からないので教えてあげてください)  会議等の配布資料は、参加者の希望を確認し、点字版・拡大文字版を準備するなど配慮を心がけましょう。 【主なコミュニケーション手段】  点字、代筆、代読、拡大文字(22〜28ポイント程度)  (☆点字、音訳、代筆、代読、拡大文字(22〜28ポイント程度)) ・意見への対応 ○「基本施策」について、御意見を参考に分かりやすい表現に見直しを行いました。 ○御意見のとおり、「主な障害の特性に応じた配慮とコミュニケーション手段」について、文言を追加しました。 2 栃木盲ろう者友の会「ひばり」 ・団体からの意見  盲ろうの場合、介助・通訳も兼ねるため、「介助者」ではなく「通訳介助者」と訂正をお願いしたい。 ・意見への対応  文言を訂正しました。 3 栃木県精神保健福祉会 ・団体からの意見  当事者の話をよく聞くようにしてください。 ・意見への対応  御意見ありがとうございます。 4 栃木県自閉症協会 ・団体からの意見  限られたスペースの中に、分かりやすくまとめてあると思います。  QRコードはカメラで読み取れましたが、音声コードはカメラをかざしても読み取れませんでした。読み取り方が違うのでしょうか。 ・意見への対応  ありがとうございます。  音声コードについては、読み取れないことのないように解像度に注意いたします。 5 全国要約筆記問題研究会栃木県支部 ・団体からの意見  ・条例の概要について   1つの文章が5行になっている。1つの文章が長すぎて、言葉が頭に入ってこない。もう少しわかりやすくはできないのでしょうか?  ・【配慮】ではなく   《どんな配慮が必要ですか》のような口語体がよいのでは?  ・表紙のイラストに説明が必要かと思います。…誰のための何なのか。  ・裏側の全面グリーンは暗くて重い感じがします。愛知のような明るい感じが欲しい。 ・意見への対応  ・「条例の概要」について、御意見を参考に文章を見直しました。  ・御意見のとおり、【配慮】について文言を見直しました。  ・御意見のとおり、表紙のイラストについて説明を追加しました。  ・配色について、明度を上げるなど見直しを行いました。 6 栃木県手をつなぐ育成会 ・団体からの意見  ・配色など色弱者に対する配慮がなされていないので対応をお願いします。北海道、愛知県もそのようです。  ・どうしてこの条例を作る必要があるのか?県民にどうして欲しいのか分かりやすく書いて欲しい。例えば「世の中にはいろいろなコミュニケーション手段がある。栃木県はそのどれも大切にしたいと思っている。だからこの条例を作った。県民一人ひとりに知って欲しい」とはじめに書くとか?  ・意見への対応  ・配色について、カラーユニバーサルデザインに配慮し見直しを行いました。  ・「条例の概要」中の「県民の責務」について、文章を見直しました。 7 栃木県聴覚障害者協会 ・団体からの意見  @音声コードのそばに「手話QR コード」をつけて手話言語による動画説明をつけてほしい。  A「障害者、盲人のための国際シンボルマーク」とあるので、聴覚障害については下記のマークを採用してください。   聴覚障害者を表示する国際シンボルマーク  B配慮の具体的な方法としては下記が具体的かと思います。   手話マーク、筆談マーク、ヒヤリングループマーク  C イラスト   「イラストや」のイラストを使うのは安易な感じがします。「いちご一会とちぎ大会バージョン(表に、いちご一会とちぎ大会が載っている)とするのならいらすとやのカットは使わないで、障害者スポのとちまるの手話カットを使い、「要約筆記、筆談」と統一して下さい。  D【2 ページの文頭に追記する】どの障害にも共通すること   同じ障害でも、必要とするサポートは人それぞれ異なります。またその時の状況によっても必要なサポートが異なってくるため、いつもだれにでも同じサポートが当てはまるわけではありません。都度都度確認しながら、サポートを行うようにしてください。ここで紹介しているのは一例です。他にも様々な障害や意思疎通の手段があります。  E「聴覚障害」 先天的・後天的は難しい表現では?   『聞こえの程度・聞こえなくなった時期・その時の状況により意思疎通方法が異なります』などの方がわかりやすい  F【配慮】   音による情報には字幕や手話をつけてください  Gイラスト   2 ページ目左下のイラストは手話と筆談で、聴覚障害者関連なので、聴覚障害ボックスの下の要約筆記と並べるべきでは? ・意見への対応  @予算等を勘案の上、動画の製作が可能であればHPに掲載したいと思いますので、後日相談させてください。  Aマークを追加しました。  B各マークへの説明を付けてHPに掲載したいと思います。  Cイラストを見直しました。  D一部修正の上、文章を追記しました。  E御意見のとおり、文章を見直しました。  F御意見のとおり、文章を追記しました。  Gレイアウトを見直しました。 ●栃木県障害者コミュニケーション条例リーフレット 『共に生きるとちぎをつくるために』 栃木県障害者コミュニケーション条例 (栃木県障害の特性に応じたコミュニケーション手段の利用の促進に関する条例) ○主な障害の特性に応じた配慮とコミュニケーション手段  同じ障害でも、必要とするサポートは人それぞれ異なります。  また、その時の状況でも必要なサポートは異なるため、都度確認しながら、サポートを行うようにしてください。 ※個々で紹介しているものは一例であり、他にも様々な障害や意思疎通手段があります。 ・聴覚障害  聞こえづらい、全く聞こえないなど聴覚に障害がある状態です。聞こえの程度・聞こえなくなった時期・その時の状況により意思疎通方法が異なります。 【どんな配慮が必要ですか】  ・その方に合ったコミュニケーション方法を確認してください。  ・話すときは、口の動きや表情が分かるように、正面から、はっきり話してください。  ・連絡先は電話番号だけでなく、メールアドレスやファックス番号も記載してください。  ・音による情報には、字幕や手話をつけてください。 【主なコミュニケーション手段】  ・手話 ・筆談 ・要約筆記 ・視覚障害  見えづらい、まったく見えないなど視覚に障害がある状態です。見えづらさの中には、特定の色が分かりにくい、見える範囲が狭い、細部がよくわからないなど様々な状態があります。 【どんな配慮が必要ですか】  ・周囲の状況を伝えるときは、具体的に説明してください。  ・突然体に触れず前方から「何かお手伝いできることはありますか。」と声を掛けてください。  ・日常生活を営むとき、周囲の話題や情報が分からないので教えてあげてください。  ・会議等の配布資料は、参加者の希望を確認し、点字版・拡大文字版を準備するなど配慮を心がけましょう。 【主なコミュニケーション手段】  ・点字 ・音訳 ・代筆 ・代読 ・拡大文字(22〜28ポイント程度) ・失語症  脳の言語機能が損傷することで、「聴く」「話す」「読む」「書く」といった言葉の働きに影響がある状態です。 【どんな配慮が必要ですか】  ・ゆっくりと短い言葉で話す、イラストを用いるなど、本人の状態に応じた方法を心掛けましょう。 【主なコミュニケーション手段】  ・短い言葉 ・表情、身振り ・手振り ・肢体不自由  発声に関する器官の麻痺や不随意運動により、コミュニケーションが取りにくくなる場合があります。 【どんな配慮が必要ですか】  ・困っているときは声を掛けてください。  ・話が聞き取りにくい場合は、確認してください。 【主なコミュニケーション手段】  ・意思伝達装置(操作者の意思を文字や音声であらわす機器) ・盲ろう  視覚と聴覚の両方に障害がある状態です。障害になった経緯により、意思疎通方法も様々です。 【どんな配慮が必要ですか】  ・その方に合ったコミュニケーション方法を確認してください(通常、家族や通訳介助者が同伴しています。)。  ・一人の時は、軽く肩を叩く等してから、手のひら書き等により状況を確認します。 【主なコミュニケーション手段】  ・触手話 ・指点字 ・手のひら書き ・知的障害  複雑な会話や抽象的な言葉を理解すること、自分の気持ちを言葉で表現することが苦手などの特徴があります。 【どんな配慮が必要ですか】  ・具体的な言葉で話し、比喩等を使わないようにしてください。場合によっては、絵や図等を用いてください。  ・落ち着いて、やさしく聞いてください。  ・本人の理解度に合わせ、丁寧に、繰り返し説明してください。 【主なコミュニケーション手段】  ・ルビを振った文字 ・コミュニケーションボード ・精神障害  精神疾患等により、日常の様々な活動や社会参加をする上で困難がある状態です。 【どんな配慮が必要ですか】  ・ゆっくり、丁寧に話してください。  ・穏やかな口調で安心感を与える対応を心掛けてください。 【主なコミュニケーション手段】  ・否定せず傾聴する ・発達障害  認知や言語、社会的能力などに得意・不得意があります。一人ひとり特性が異なり、その方に応じた配慮が必要です。 【どんな配慮が必要ですか】  ・曖昧な表現は使わず、やさしく、はっきり、短い言葉で伝えてください。  ・小さな変化でも不安を感じやすいため、予定変更等は事前に説明してください。 【主なコミュニケーション手段】  ・短い言葉、具体的な表現 ○条例の概要  障害者に対する合理的配慮の中で最も重要な、障害の特性に応じたコミュニケーション手段の利用の促進を図るため、『栃木県障害者コミュニケーション条例』を制定しました(施行日:令和4(2022)年4月1日)。  障害のある人もない人もお互いにコミュニケーションを図り、情報の取得が円滑になることで、共生社会の実現を目指します。 ・県の責務  障害の特性に応じたコミュニケーション手段の利用の促進に関する総合的な施策を策定し、実施します。 ・県民の責務  障害の特性に応じたコミュニケーション手段が広く利用されるよう、障害や障害者に関する理解を深めるように努めましょう。 ・事業者の責務  障害の特性に応じたコミュニケーション手段を利用できるようにするために必要な配慮をするよう努めましょう。 ・条例に基づく県の基本的な取組  ○学校教育の分野における利用の促進  ○県民に対しての障害及び障害者に関する理解促進のための啓発活動、必要な知識・技能習得のための学習の機会の提供  ○県民及び事業者からの相談受付、情報提供等の実施  ○意思疎通支援者やその指導者の養成のための研修等の実施  ○障害の特性に応じたコミュニケーション手段を利用した県政情報等の発信  ○災害時等における情報取得や円滑なコミュニケーションのための連絡体制の整備 【発行】栃木県保健福祉部障害福祉課     〒320−8501 栃木県宇都宮市塙田1−1−20 【電話】028−623−3490 【ファックス】028−623−3052 【メールアドレス】syougai-fukushi@pref.tochigi.lg.jp ※このリーフレットは、障害者就労支援事業所からの優先調達により印刷しています。