
本県は、関東地方北部に位置する内陸県で、首都東京からは60〜160qの範囲にある。面積は6,408.28q2(全国20位)で、東西約84q、南北約98qとほぼ楕円形である。全国面積の約1.7%を占め、関東の都県中、最も広大な県である。16年度末現在、44市町村(13市29町2村)(*)で構成されている。
県土は、地形上大きく三つの地域に分けることができる。その一つは、北西部山岳地帯で、白根山をはじめ、男体山、女峰山などがそびえ、太平洋側と日本海側の分水嶺を形成している。もう一つは、なだらかな丘陵である八溝山地帯で、県東部、茨城県境に沿って南北に伸びている。さらに、これらの両山地にはさまれ、南に開いた平地が中央平野部で、北から白河丘陵、那須野が原扇状地、塩那丘陵地が連なり、南の平野部へと続いている。
県内を流れる河川は、概ねその源を北西部山岳地帯に発し、鬼怒川(124.8km)、渡良瀬川(55.8km) は、南流して利根川に合流し、那珂川(118.5km) は東折して茨城県の那珂湊から太平洋に注いでいる。
代表的な湖沼としては、日光の中禅寺湖(11.49q2)や湯の湖(0.35q2)等があり、貴重な水源となっている。
【県勢図】

(*)本県では、現在市町村合併が進められているが、本報告書では、原則として16年度末の市町村名及び市町村数を用いている。
本県の人口は16年10月1日現在で201万4,874人 (男100万371人、女101万4,503人)で、前年同月 に比べ3,183人(男1,613人、女1,570人)、0.16%の増となっている。
人口の推移を見ると、昭和40年代半ばから50年代の前半にかけて、増加率が年平均1%を超える高い伸びを示してきた。近年、出生数の減少などにより、増加率は鈍化傾向にある。2年から7年までの5年間で4万9,222人(年平均増加率0.50%)、7年から12年までの5年間で2万427人(同0.20%)の増加となっている。
自然動態は、昭和40年代後半の第二次ベビーブーム期をピークに、その後は出生率の低下などにより漸減の傾向にある。16年は出生数が18,208人、死亡数が16,827人で、1,381人の増加であった。
一方、社会動態は、昭和44年以降転入超過の状態が続いていたが、7年に転出超過に転じ、以降は転入超過と転出超過を繰り返している。16年は1,802人の転入超過となった。
【総人口の推移と増加率】

(1) 経 済
県内経済は、順調な成長を続けてきたが、バブル経済の崩壊により4年度にマイナス成長となった。5年度、7年度及び8年度はプラス成長であったが、9年度以降は12年度を除きマイナス成長となった。
14年度の県内総生産額(名目値)は、7兆8,919億円で、前年度に比べ29億円減少した。
本県の産業構造を県内総生産の構成比から見ると、全国と比較して第2次産業、特に製造業の割合が極めて高いことが特徴となっている。
【県内総生産の構成比(13年度)】 【 国内総生産の構成比(13年)】

(2) 県民所得
14年度における本県の県民所得は、6兆1,184億円で、前年度に比べ15億円増加した。
また、一人当たりの県民所得は304万4千円で、前年度に比べ1千円増加した。一人当たりの国民所得(284万8千円)に対する割合は106.9%となり、国の水準を上回っている。
【一人当たり県民所得と国民所得の推移】

県土の利用状況は、15年10月現在、北西部や東部の山地を中心に森林が35万1,000ha(県土の54.8%)、中央部から南部を中心として農用地が13万1,500ha(20.5%)、鉄道や主要国道沿いに住宅地、工業用地等の宅地が4万7,400ha(7.4%)となっている。
土地利用の推移を見ると、本県が首都圏に位置し、交通網の整備(新幹線、高速道路等)が図られていることにより、農用地、林地から宅地等への転換が見られ、都市化が進展してきている。
【土地利用の推移】

(注)端数処理をしたため、構成比の合計は100%にならない場合がある。
(資料:県企画部土地利用対策課調べ)
本県の水需要は、2年は年間総需要量26億4,400万m3であったものが、14年には26億4,600万m3となっている。
その動向は、用水によって状況に違いがあるものの、全体としては横ばい傾向で推移してきている。
14年の用途別水需要は、水道用水が2億6,500万m3で全体の10.0%、工業用水が1億4,200万m3で5.4%、農業用水が22億3,900万m3で84.6%となっている。
【水需要の推移】

16年の県内の天候は、年を通して高温傾向が持続し、宇都宮の年平均気温は明治24年(1891年)の観測開始以来、もっとも高い14.8℃となった。また、10個の台風が本土に上陸し、このうち3個の台風(21、22、23号)が9月末から10月にかけて相次いで県内に接近し、農作物などに被害が生じた。
年平均気温は、平年よりかなり高かった。(宇都宮14.8℃、平年13.4℃)
年間降水量は、平年並みか平年より多かった。(宇都宮1658.5mm、平年1443.4mm)
年間日照時間は、県北部では平年並みか平年より多く、県南部では平年よりかなり多かった。(宇都宮2092.8時間、平年は1938.0時間)
なお、関東甲信地方の梅雨入りは6月6日ごろ(平年6月8日ごろ)、梅雨明けは7月13日ごろ(同7月20日ごろ)であった。
(資料:宇都宮地方気象台)
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