第2部 環境の状況と保全に関して講じた施策 |
第4章 環境保全活動への積極的な参加 |
第2節 環境学習・普及啓発活動の推進
今日の環境問題を解決し、持続可能な社会を実現していくためには、県民一人ひとりが環境問題について正しく理解し、日常生活や事業活動において環境に配慮した行動を実践していくことが重要である。このため、家庭や学校、企業、地域等の場において、主体的に環境保全活動に取り組むことができるよう、県民への環境保全に関する情報提供を充実させるとともに、環境学習を推進する必要がある。
12年度に策定した「栃木県環境学習推進指針」に基づき、「学習機会の提供」「学習情報の提供」「指導者の養成と人材の活用」「教材・学習プログラム等の作成と活用」という4つの基本方策に沿って、学校や地域等における環境学習を推進した。 (1) 環境教育・環境学習の充実環境教育・環境学習の充実を図るため、子どもから大人まで幅広い年代を対象に、様々な機会を捉えて、環境に関する体験や学習を行うことのできる機会を提供した。 ア ジュニアエコ活動支援事業の実施(ア) こどもエコ探検隊の実施
子どもたちと保護者が、環境学習や環境保全活動の体験を通して楽しみながら環境への興味や関心を深める「こどもエコ探検隊」を夏休み期間中に実施した。 (イ) こどもエコクラブへの支援
小・中学生が地域において自主的に環境保全活動を展開するこどもエコクラブは、全国的にも活動の広がりをみせている。18年度は、活動内容の充実を図るため、こどもエコクラブ交流会を行ったほか、クラブ活動の活性化を図るため、創意・工夫にあふれた活動を表彰した。また、各クラブの活動状況を記録した報告書を作成して、小・中学校ほか関係機関に配布し、エコクラブの活動を紹介した。 イ 森林環境学習の実施(ア) 小・中学校における森林・林業体験学習
学校教育における森林環境教育の推進を図るため、小・中学校の総合的な学習の時間等において、林業関係者、学校及び県林務事務所が連携を図り、体験学習等を実施・支援した。(表2−4−4)
(イ) 緑の少年団活動の支援
緑を愛し、守り育てる心を養うことを目的として結成された緑の少年団を育成するため、森林での学習活動や地域の社会奉仕活動など様々な活動を支援した。 (ウ) 県民参加による林業体験
県民が森林とのふれあいや森林づくりを体験することにより、森林の大切さを実感するためのフィールド「みんなの森」を設置し、一般公募による森林づくりを実施した。 (エ) 生涯学習施設における森林環境学習
栃木県の森林・林業について理解し、森林づくりのための自主的な活動を行う仲間づくりの充実を図るため、シルバー大学校において、森林環境学習を実施した。 ウ 自然観察会等の開催
自然とふれあうことで自然への理解を深めることのできる自然観察会等を県立日光自然博物館や塩原温泉ビジターセンター、長峰ビジターセンターなどで開催した。 エ 施設を活用した学習機会の提供(ア) 県消費生活センター
一般消費者が簡単な実験や講座を通して身近な環境問題に関心を持ち、日頃の消費行動が環境に配慮したものとなるようにセミナー等を実施した。 (イ) 県保健環境センター
来所者及び関係団体等を対象に、各種の講演会や施設の見学等を行うとともに、「環境学習ライブラリー」による図書・ビデオ等の貸出や「環境学習指導者」の派遣などにより、自主的な環境学習に対する支援を行った。 (ウ) その他の施設とちぎ花センター、なかがわ水遊園、県民の森、日光自然博物館、都市公園、青少年教育施設等において、体験学習や講座等を実施した。 (2) 環境教育・環境学習の推進体制の整備環境教育・環境学習を支援する体制の整備を図るため、次の事業に取り組んだ。 ア 人材の育成・活用(ア) 環境学習指導者研修事業の実施
教育現場における効果的な環境教育の推進を支援するため、教員等を対象とした研修を実施した。 (イ) 環境学習指導者の派遣・紹介
環境教育・自然環境・循環型社会など環境に関する各分野の専門家32名を「環境学習指導者」として委嘱し、住民や民間団体の主催する環境保全の講習会や学習会等に派遣・紹介し、県民の自主的な環境学習を支援した。 (ウ) とちぎエコリーダーの養成
学校や地域等における環境学習の取組を促進するため、県と県教育委員会が共同で作成した環境学習プログラム「明日をつくる子どもたちの環境学習」の内容に沿った指導を行うことのできる「とちぎエコリーダー」の養成・認定を行っている。 (エ) 自然ふれあい活動指導者の養成・紹介県と市町で構成する栃木県自然ふれあい活動推進協議会において、自然ふれあい活動指導者養成講座を実施し、指導者を養成するほか、同講座の修了者を自然ふれあい活動指導者として登録し、学校や市町が主催する自然観察会等に紹介した。 イ 教材等の作成・活用推進及び学習情報の提供(ア) 環境学習プログラム活用の推進
学校の授業や特別活動等の場で、環境学習プログラム「明日をつくる子どもたちの環境学習:幼児・小学校編」を実際に活用した際の事例集を作成・配布することで、プログラムの教育現場等への一層の浸透と有効活用を図った。 (イ) パワーポイント教材の作成栃木県の環境の状況や様々な環境問題に関する現状と問題点等を解説したパワーポイント用の教材「とちぎの環境教室」を作成し、広く県民等がダウンロードして使用できるようインターネットのホームページ「とちぎの環境」内に掲載した。 (ウ) 環境資料アーカイブ(書庫)の設置県民が自由に環境に関する情報資源を活用できる環境を整えるため、県が策定した環境に関する計画や指針等を電子情報として、同ホームページ内に設けた環境資料アーカイブ(書庫)のコーナーにおいて提供しており、18年度は、「栃木県環境基本計画(改訂版)」や「平成18年度環境の状況及び施策に関する報告書」等を追加掲載した。 (エ) 森林環境教育に関する情報提供栃木県の森林・林業・自然環境の理解を深めるため、「とちぎの森林・林業・自然環境(副読本)」「林業関係統計資料」「森林に親しむための体験プログラム集」をインターネットホームページ「とちぎレインボーネット(http://www.tochigi-edu.ed.jp/rainbow-net/information/index.htm)」に掲載した。 ウ 環境学習推進体制の充実(ア) 環境学習関連施設等のネットワーク化
講座や研修、自然体験等の環境学習関連事業を実施している環境学習関連施設と環境活動実践者との連携を強化するため、研修交流会を開催した。 (イ) 森林環境学習推進策の検討次代を担う青少年をはじめ、県民への森林・林業・自然環境教育の推進策を検討するため、林務部及び教育委員会を構成メンバーとする「森林・林業・自然環境教育推進プロジェクト」を設置し、参考資料の作成や体験活動指導者、活動場所等の情報提供のあり方などについて協議した。
(1) 環境保全活動に関する普及啓発活動の実施
環境の日を含む6月は「環境月間」とされ、環境の保全を推進するための運動が全国的に行われている。本県でも県民の環境への興味、関心を喚起するため、市町や関係団体の協力を得て、環境展、とちぎの環境美化県民運動など環境月間関連事業を実施した。
(2) 環境に関する情報の提供
本県の環境の現状と環境保全施策について、「環境の状況及び施策に関する報告書(環境白書)」により県民に公表した。 |
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