○栃木県農業用ダム管理規則
平成7年3月31日
栃木県規則第32号
栃木県農業用ダム管理規則を次のように定める。
栃木県農業用ダム管理規則
(趣旨)
第1条 この規則は、栃木県農業用ダム等管理条例(平成7年栃木県条例第4号)第2条の規定に基づき、深山ダム、板室ダム及び塩田調整池(以下「ダム」という。)の管理に関し必要な事項を定めるものとする。
(平9規則38・平19規則2・一部改正)
(水位)
第2条 ダムの満水位及び低水位は、別表第1のとおりとする。
2 ダムの水位は、前項に規定する満水位より上昇させてはならない。
3 ダムの水位は、検査、補修その他特に必要とする場合を除き、第1項に規定する低水位より低下させてはならない。
(平19規則2・一部改正)
(貯水)
第3条 深山ダムにおける貯水は、農業用水、水道用水及び発電用水(板室発電用水を除く。以下これらを「農業用水等」という。)を確保するため別表第2に定める容量配分に基づき行うものとする。
(平19規則2・旧第4条繰上・一部改正)
(農業用水等のための利用)
第4条 深山ダムにおける農業用水等のための貯水の利用は、低水位から満水位までの範囲内の容量(最大2,090万立方メートル)で行うものとする。
2 板室ダムにおける農業用水及び水道用水のための貯水の利用は、低水位から満水位までの範囲内の容量(最大17万立方メートル)で行うものとする。
3 塩田調整池における農業用水のための貯水の利用は、低水位から満水位までの範囲内の容量(最大157万7,000立方メートル)で行うものとする。
(平19規則2・旧第5条繰上・一部改正)
(かんがい期間)
第5条 毎年通年をかんがい期間とする。ただし、水田に係るかんがい期間は、別表第3のとおりとする。
(平19規則2・旧第6条繰上・一部改正)
(農業用水の放流及び取水)
第6条 かんがい期間におけるダムからの放流及び取水は、気象、水象及びかんがいの状況を考慮して行うものとする。
2 農業用水のための放流は、別表第4に定める量を限度として取水口からの取水を可能とするように行うものとする。
(平19規則2・旧第7条繰上・一部改正)
(水道用水及び板室発電用水の放流及び取水)
第7条 水道用水のための深山ダムからの放流は、毎秒0.6立方メートルを限度として板室ダム上段幹線取水口からの取水を可能とするように行うものとする。
2 板室発電用水のための深山ダムからの放流は、毎秒9立方メートルを限度として農業用水及び水道用水の放流等を利用して行うものとする。
(平19規則2・旧第8条繰上)
(放流の制限)
第8条 ダムからの放流は、取水のために放流する場合を除き、次に掲げる場合に行うものとする。
(1) 水位が満水位を超えるおそれがあるとき。
(2) ダムの点検又は整備を行うとき。
(3) 第15条第3号の措置を講ずるとき。
(4) その他ダムの管理上必要があるとき。
(平19規則2・旧第9条繰上・一部改正)
(放流の原則)
第9条 ダムからの放流を行う場合においては、下流の水位に急激な変動を生じないようにし、かつ、無効な放流とならないよう努めるものとする。
(平19規則2・旧第10条繰上)
(放流の通知等)
第10条 ダムからの放流を行うことによって下流の水位に著しい変動を生ずると認めるときは、これによって生ずる危害を防止するため関係機関に通知するとともに、一般に周知させるため必要な措置を講ずるものとする。
(平19規則2・旧第11条繰上)
(洪水放流ゲート等の操作)
第11条 ダムの洪水放流ゲート又はバルブ(塩田調整池の緊急放流バルブをいう。以下同じ。)の操作は、第8条各号に該当する場合に限り行うものとする。
(平19規則2・旧第12条繰上・一部改正)
(点検及び整備)
第12条 堤体、ゲート(取水ゲート及び洪水放流ゲートをいう。以下同じ。)及びバルブを操作するために必要な機械及び器具、警報、通信及び観測のために必要な設備並びにダムの管理を行うために必要な船舶及び車両並びにこれらの操作を行うために必要な資材の点検及び整備は、定期的に行い、これらを常に良好な状態に保たなければならない。
(平19規則2・旧第13条繰上・一部改正)
(ダム及びその周辺の監視)
第13条 ダム及びその周辺については、常に監視を行い、ダムの維持及び保全並びに危険防止に努めなければならない。
(平19規則2・旧第14条繰上)
(洪水警戒体制)
第14条 宇都宮気象台からダムに係る直接集水地域の全部又は一部を含む予報区を対象として暴風雨警報若しくは大雨警報が発せられ、又は洪水が発生するおそれが大きいと認められるに至ったときは、洪水警戒体制をとらなければならない。
(平19規則2・旧第15条繰上)
(洪水警戒体制時における措置)
第15条 前条の規定により洪水警戒体制をとったときは、次に掲げる措置を講じなければならない。
(1) 宇都宮気象台その他関係機関との連絡並びに気象及び水象に関する観測及び情報の収集を行うこと。
(2) ダムへの流入量の時間的変化を予測すること。
(3) 深山ダム及び板室ダムにあっては、水位を予備放流水位以下とするために必要なゲートの操作を行うこと。
(4) 塩田調整池にあっては、揚水機の運転を停止すること。
(5) その他ダムの管理上必要な措置
(平19規則2・旧第16条繰上・一部改正)
(洪水警戒体制の解除等)
第16条 気象及び水象の状況により第14条に規定する事態が消滅したと認めたときは、直ちにダムの異状の有無を点検しなければならない。
2 前項の規定による点検を行った結果、ダムの異状を認めたときは、速やかにダムの管理上必要な措置を講じ、洪水警戒体制を解除するものとする。
(平19規則2・旧第17条繰上・一部改正)
(干ばつ時における措置)
第17条 ダムの貯水状況及び長期にわたる降雨量の予報等により、干ばつのおそれがあると認めたときは、ダムの利用者の意見を聴き、取水に関する節水計画をたて、これにより取水を行い、著しい用水不足を生じないよう努めなければならない。
(平19規則2・旧第18条繰上)
(気象及び水象の調査及び観測)
第18条 気象及びダムへの流入量、ダムの貯水量等の水象については、定期的に調査及び観測を行うものとする。
(平19規則2・旧第19条繰上)
(たい砂状況の調査)
第19条 ダムのたい砂状況の調査は、次に掲げる場合に行うものとする。
(1) 毎年の低水位時(塩田調整池の低水位時を除く。)
(2) その他知事が必要と認めるとき。
(平19規則2・旧第20条繰上・一部改正)
(管理日誌)
第20条 ダムの管理に当たっては、ダム管理日誌を備え、次に掲げる事項について記録しなければならない。
(2) ダムの状況、点検及び整備に関する事項
(3) 緊急事態における措置に関する事項
(4) ゲート又はバルブの操作を行ったときは、操作の理由及び時刻、ゲートの開度並びにダムからの取水量及び放流量に関する事項
(5) その他ダムの管理上必要な事項
(平19規則2・旧第21条繰上・一部改正)
(補則)
第21条 この規則に定めるもののほか、ダムの管理に関し必要な事項は、知事が別に定める。
(平19規則2・旧第22条繰上・一部改正)
附則
この規則は、平成7年4月1日から施行する。
附則(平成9年規則第38号)
この規則は、公布の日から施行する。
附則(平成19年規則第2号)
この規則は、平成19年4月1日から施行する。
別表第1(第2条関係)
(平19規則2・追加)
ダムの名称 | 満水位 | 低水位 |
深山ダム | 標高753.0メートル | 標高721.0メートル |
板室ダム | 標高517.8メートル | 標高513.5メートル |
塩田調整池 | 標高132.0メートル | 標高109.2メートル |
別表第2(第3条関係)
(平19規則2・旧別表第1繰下・一部改正)
(単位:万立方メートル)
農業用水 | 水道用水 | 発電用水(板室発電用水を除く。) | 計 |
1,542 | 108 | 440 | 2,090 |
別表第3(第5条関係)
(平19規則2・追加)
ダムの名称 | 水田に係るかんがい期間 |
深山ダム | 4月11日から9月5日まで |
板室ダム | 4月11日から9月5日まで |
塩田調整池 | 4月21日から9月15日まで |
別表第4(第6条関係)
(平19規則2・旧別表第2繰下・一部改正)
(単位:立方メートル/毎秒)
期間 取水口 | 4月11日から同月25日まで | 4月26日から9月5日まで | 9月6日から翌年の4月10日まで |
板室ダム取水口 | 3.31 | 3.31 | 1.29 |
西岩崎取水口 | 8.65 | 7.17 | 3.30 |
塩田調整池取水口 | 1.70 | 1.70 | 1.70 |