○中禅寺湖水上安全条例
昭和45年6月29日
栃木県条例第33号
中禅寺湖水上安全条例をここに公布する。
中禅寺湖水上安全条例
(目的)
第1条 この条例は、中禅寺湖(大谷川のうち中禅寺湖の流出点から中禅寺ダム制水門扉に至るまでの水域を含む。)の水上における危険を防止するとともに、水上交通の安全と円滑を図ることを目的とする。
(1) 船舶 航行の用に供される船舟類をいう。
(2) 動力船 機関を用いて推進する船舶をいう。
(3) 船舶運転者 だ輪、ろかい等をもって船舶を運転する者をいう。
(4) 遊船業者 遊覧又は舟遊びの用に供する船舶を貸与することを業とする者をいう。
(5) 航行 船舶を運転して水上を進行することをいう。
(遊泳場及び遊泳期間の指定)
第3条 栃木県公安委員会(以下「公安委員会」という。)は、遊泳に関し危険を防止するため、遊泳のための水域(以下「遊泳場」という。)及び遊泳期間を指定することができる。
(航行禁止水域及び夜間航行禁止船舶の指定)
第4条 公安委員会は、船舶の航行に関し危険を防止するため、船舶の航行を禁止する水域(以下「航行禁止水域」という。)及び夜間(日没時から日出時までの時間をいう。以下同じ。)の航行を禁止する船舶(以下「夜間航行禁止船舶」という。)を指定することができる。
(標識等の設置)
第5条 公安委員会は、水上における危険を防止するとともに、水上交通の安全と円滑を図るため必要があると認めるときは、標識又は標示を設置することができる。
2 前2条の規定により、公安委員会が行なう遊泳場及び航行禁止水域の指定は、標識を設置して行なわなければならない。
(水上を使用する行為の許可)
第6条 水上を使用して次の各号に掲げる行為をしようとする者は、公安委員会規則の定めるところにより、栃木県日光警察署長(以下「警察署長」という。)の許可を受けなければならない。
(1) 花火大会又は水上パレード
(2) ボート競走又はヨット競走
(3) 前各号に掲げるもののほか、公安委員会が水上における危険を防止するため必要と認めて定めた行為
2 前項の規定による許可を受けようとする者は、公安委員会規則の定めるところにより、申請書を警察署長に提出しなければならない。
(1) 当該申請に係る行為が水上において危険を生ずるおそれがないと認められるとき。
(2) 当該申請に係る行為が許可に付された条件に従って行なわれることにより、水上において危険を生ずるおそれがないと認められるとき。
5 警察署長は、第1項の規定による許可をしたときは、公安委員会規則の定めるところにより許可証を交付しなければならない。
(遊泳に関する遵守事項)
第7条 何人も、遊泳に関し危険を防止するため、次の各号に掲げる事項を遵守しなければならない。
(1) 遊泳場以外の水域で遊泳しないこと。
(2) 夜間に遊泳しないこと。
(3) 酒気を帯びて遊泳しないこと。
(4) 水中銃等危険な器具を携えて遊泳しないこと。
(5) 遊泳中、他人に抱きつき、押える等遊泳上危険な行為をしないこと。
(6) 遊泳にあたっては、水深、水流等を考慮し、安全な方法で遊泳すること。
(7) 13歳未満の者を遊泳させるにあたっては、その者を保護する責任のある者又はこれらに代る監護者が付き添うこと。
(船舶の航行に関する禁止行為)
第8条 何人も、船舶の航行に関し次の各号に掲げる行為をしてはならない。
(1) 酒に酔いその他船舶の正常な運転ができない状態で航行すること。
(2) 遊泳場内において航行すること。
(3) 航行禁止水域内において航行すること。
(4) 夜間において夜間航行禁止船舶を航行すること。
(5) 霧、もや、強風その他の悪天候により船舶の航行に危険が予想される場合において、航行を開始すること。
(船舶の航法)
第9条 船舶運転者は、水上における交通の安全と円滑を図るため、次の各号に掲げる航法に従い航行しなければならない。
(1) 2隻の動力船が真向い又はほとんど真向いに行き合う場合であって、衝突のおそれがあるときは、各動力船は、進路を右に転じて互いに他の動力船の左げん側を通過すること。
(2) 2隻の動力船が、互いに進路を横切る場合であって、衝突のおそれがあるときは、他の動力船を右げん側に見る動力船は、他の動力船の進路を避けること。
(3) 動力船が他の動力船を追い越そうとするときは、当該動力船を確実に追い越し、十分遠ざかるまで当該動力船の進路を避けること。
(4) 動力船と動力船以外の船舶とが、互いに衝突のおそれがある方向に進行する場合は、動力船は、動力船以外の船舶の進路を避けること。
2 前項第4号の規定は、動力船以外の船舶が動力船の航行の安全を妨げることができることとするものではない。
3 船舶は、他の船舶に危険を及ぼすような速度と方法で航行してはならない。
4 船舶は、切迫した危険を避けるためやむを得ない場合は、第1項各号に規定する航法によらないことができる。
(船舶の信号)
第10条 船舶運転者は、次の各号に掲げる場合において危険を防止するため、汽笛、号鐘その他の音響による信号を鳴らさなければならない。
(1) 霧、もや、豪雨等により視界が制限される状態で航行するとき。
(2) 見とおしの困難な場所を航行するとき。
(3) 他の船舶を追い越そうとするとき、又は他の船舶と行き合うとき。
(天候急変の際の措置)
第11条 船舶運転者は、航行中、霧、もやの発生等天候が急変したときは、危険を防止するため、航行の速度を減じ、又は安全な場所に避難する等必要な措置を講じなければならない。
(事故発生の際の措置)
第12条 船舶の衝突その他の事故が発生したときは、当該船舶の運転者その他の乗務員は、直ちに負傷者等を救護し、水上における危険を防止するため必要な措置を講じなければならない。
2 船舶の衝突その他の事故の発生を認めた者は、すみやかにその事実を警察官に届け出なければならない。
(規則への委任)
第15条 この条例の施行に関し必要な事項は、公安委員会規則で定める。
(罰則)
第16条 次の各号の一に該当する者は、3月以下の懲役又は20万円以下の罰金に処する。
(2) 第8条(船舶の航行に関する禁止行為)の規定に違反して水上における危険を生じさせた者
(3) 第12条(事故発生の際の措置)第1項の規定に違反した者
(平4条例12・一部改正)
第17条 第14条(警察官の指示)の規定による警察官の指示に従わなかった者は、5万円以下の罰金に処する。
(平4条例12・一部改正)
附則
附則(平成4年条例第12号)
1 この条例は、平成4年5月7日から施行する。
2 この条例の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。