○議会の議決に付すべき契約及び財産の取得又は処分に関する条例並びに財産の交換、譲与、無償貸付等に関する条例の施行について

昭和39年7月27日

管第159号

総務部長通達

各課局室長

各公所長

教育委員会事務局

各課長

警察本部長

電気局長

地方財務会計制度の改正を中心とした地方自治法(昭和22年法律第67号)の一部改正に伴い、改正後の同法第96条第1項第5号から第7号まで及び第237条第2項の規定に基づいて「議会の議決に付すべき契約及び財産の取得又は処分に関する条例(昭和39年栃木県条例第8号)」及び「財産の交換、譲与、無償貸付等に関する条例(昭和39年栃木県条例第7号)」が昭和39年3月30日公布され、同年4月1日からそれぞれ施行されることとなりました。今回の地方自治法の一部改正は、財務に関する地方公共団体の運営の合理化を図ることにより、地方公共団体における行政の能率と公正を確保することを趣旨としたものであります。つきましては、次にかかげる事項にご留意のうえ、条例の施行に遺憾のないようご配意願いたく、命によって通達(通知)します。

第1 議会の議決に付すべき契約及び財産の取得又は処分に関する条例の施行について

1 重要な契約の締結又は重要な財産の取得又は処分に関する議会の権限は、改正前の地方自治法においては、地方公共団体の判断に委ねられ、それぞれ条例で定められていたが、改正後の地方自治法においては、議会と執行機関との局における財務に関する権限が合理的に分配され、両機関の責任体制を一層ととのえる趣旨からして、議会の議決の付すべき契約財産の取得又は処分について、その種類及び金額が政令で定められたこと。(法96①5及び7.政令121の2①及び②)

2 本県においては、今回の法律改正の趣旨並びに他の地方公共団体との均衡及び本県の行財政の規模等を勘案のうえ政令で定める基準どおり、次のとおり定められたこと。

(1) 議会の議決に付さなければならない契約、予定価格1億円以上の工事又は製造の請負。

(2) 財産の取得又は処分、予定価格7,000万円以上の不動産又は動産の買入れ又は売払。ただし土地については、1件20,000平方メートル以上のものに係るものに限ること。

従って、執行機関としては、契約の締結、財産の取得又は処分に関しては、更に、その取扱いに慎重を期する必要があること。

第2 財産の交換、譲与、無償貸付等に関する条例の施行について

1 財産を交換し、出資の目的とし若しくは支払手段として使用し、又は適正な対価なくしてこれを譲渡し、若しくは貸しつけることは、従来から議会の権限とされていたものであるが、改正後の地方自治法は、第96条第1項第6号及び第237条第2項において、条例によらない場合は議会の議決事項として明定された。したがって、条例に定めのないものについては、個々の事案ごとに、議会の議決を経なければ、財産を出資の目的とし若しくは、支払手段として使用し、又は適正な対価なくして、これを譲渡し若しくは貸し付けてはならないこととされたこと。

2 本県においては、以上の改正趣旨から、今回財産の交換、譲与、無償貸付に関する条例が公布施行されたが、この条例の施行にあたっては、次のことに配慮する必要があること。

(1) 条例と議決について

財産を出資の目的とし又は支払手段として使用し若しくは国、その他この条例に定めのない団体又は個人若しくは、この条例に定めのない用途その他について適正な対価なくして、財産を譲渡し又は貸し付けようとする場合にあたっては、個々の事案のごとくに議会の議決を経なければならないものであること。

(2) 普通財産の交換について(条例第2条)

普通財産を交換することができる場合は、県において公用又は公共用に供するため、県以外の者に所有する財産を必要とするとき及び国又は地方公共団体、その他公共団体又は公共的団体において公用又は公共用に供するため、県の普通財産を必要とするときに限られるが、この場合においても交換物件は、土地又は建物その他土地の定着物に限られるものであること。

なお、価額の差額が、その高価なものの価額の6分の1をこえるものについても、総計予算主義のたてまえからして、交換することができないものであること。

例えば、財産の交換を行なう場合、交換受ける財産の価額が600万円で、交換渡しする財産の価額は500万円とするとその差額は100万円で、高価なものの財産の価額の差額は6分の1である。従ってこの場合、差額が100万円までであれば交換できるが、もし100万円を超えるときは、その超えた部分は交換の対象とはならず、別に買収等の方法によるものであるとの意である。

(3) 普通財産の譲与又は減額譲渡について(条例第3条)

普通財産を譲与し又は時価よりも低い価格で譲渡できる場合は、条例第3条第1号から第4号までに限られるが、その取扱いにあたっては、

ア 第1号に該当して譲与し又は時価よりも低い価額で譲渡できる場合は、同号にかかげる団体が公用若しくは公共用又は公益事業の用に供する場合に限るものであること。

イ 第2号から第4号に基づいて譲与等ができる場合は、当該公有財産の維持及び保存の費用を負担した額又は寄附財産の価額に相当する額の範囲内において譲与し又は減額譲渡できるものであること。

ウ 普通財産を譲与し又は減額譲渡しようとする場合にあっては、その取り扱いに慎重を期するとともに、むしろ一般的には、当該普通財産は条例第4条に規定する無償又は時価よりも低い価格で貸し付ける方法を取ることがより妥当な処置と考えられること。

(4) 普通財産の無償又は減額貸付について(条例第4条)

普通財産を無償又は時価よりも低い価額で貸し付けできる場合は、条例第4条第1号から第5号までに限られるが、その取扱にあたっては、

ア 第1号に該当して貸し付けがなされる場合にあたっては、無償貸付けを原則とする。ただしその事業の内容が企業的なものである場合は、有償又は減額貸付けとすること。

イ 第2号に該当する場合は、原則としてその財産は返還させることとなるが、特別な事情があると認めるときは、その復旧等を勘案して無償又は時価よりも低い価額で貸し付けることができること。

ウ 第3号に該当して貸し付ける場合は、無償貸付けを原則とするが、県発注工事の工事費積算において、当該建設工事に必要な土地賃借料が計上されている場合は有償とすること。

エ 第4号に該当して貸し付ける場合は、寄附を受けた範囲内の額(ただし、寄附後20年を経過した場合は適用しない。)において、無償又は時価よりも低い価格で貸し付けることができるものであること。

オ 第5号に該当して貸し付ける場合は、栃木県県有財産貸付事務処理要領第2「貸付料減免基準」によるものであること。

第3 その他

次の財産関係条例は廃止されたこと。

(1) 議会の議決又は住民の一般投票に付すべき財産、営造物又は議会の議決に付すべき契約に関する条例(昭和28年栃木県条例第10条)

(2) 栃木県県有財産の取得、管理及び処分並びに契約に関する条例(昭和28栃木県条例第9号)

(3) 那須八幡使用に関する条例(昭和27年栃木県条例第9号)

議会の議決に付すべき契約及び財産の取得又は処分に関する条例並びに財産の交換、譲与、無償貸…

昭和39年7月27日 管第159号

(平成25年3月29日施行)

体系情報
第1編 務/第5章
沿革情報
昭和39年7月27日 管第159号
平成25年3月29日 管第582号