○栃木県公衆に著しく迷惑をかける行為等の防止に関する条例

平成14年12月27日

栃木県条例第62号

栃木県公衆に著しく迷惑をかける行為等の防止に関する条例をここに公布する。

栃木県公衆に著しく迷惑をかける行為等の防止に関する条例

(目的)

第1条 この条例は、公衆に著しく迷惑をかける行為等を防止し、県民生活の安全と平穏を保持することを目的とする。

(粗暴な行為の禁止)

第2条 何人も、道路、公園、駅、興行場、飲食店その他の不特定かつ多数の者の用に供される場所(以下「公共の場所」という。)又は汽車、電車、乗合自動車、船舶その他の不特定かつ多数の者の用に供される乗物(以下「公共の乗物」という。)において、多数人で群がり、又ははいかいしながら、公衆に対し、多数人の威力を示して、著しく粗野又は乱暴な言動をしてはならない。

2 何人も、公共の場所又は公共の乗物において、公衆に身体の安全が害される不安を覚えさせるような方法により、刃物、鉄棒、木刀その他これらに類するものを振り回し、若しくは突き出し、又は公衆に対しこれらを用いて威勢を示す言動をしてはならない。

3 何人も、祭礼、興行その他の催物に際し、多数の者が集まっている公共の場所において、みだりに人を押しのけ、物を投げ、物を破裂させる等その場所における混乱を誘発し、又は助長するような行為をしてはならない。

(平29条例46・一部改正)

(卑わいな行為の禁止)

第3条 何人も、公共の場所又は公共の乗物において、他人に対し、みだりに次に掲げる行為をしてはならない。

(1) その性的羞恥心を害し、又は嫌悪の情を催させるような方法で、衣服その他の人が身につける物(以下この条及び第8条において「衣服等」という。)の上から、又は直接に、他人の身体に触れること。

(2) 衣服等で覆われている他人の下着若しくは身体(以下この条において「下着等」という。)をのぞき見し、若しくは撮影し、又はこれらの行為をしようとして他人の衣服等をまくり上げ、若しくは手鏡、写真機等を他人の衣服等の下に差し出す等下着等をのぞき見し、若しくは撮影することができる状態にすること。

(3) 衣服等を透かして見ることができる写真機等を使用して、下着等の映像を見、又は撮影すること。

(4) 前3号に掲げるもののほか、その性的羞恥心を著しく害し、又は不安を覚えさせるような卑わいな言動をすること。

2 何人も、みだりに、公衆浴場、公衆便所、公衆が使用することができる更衣室その他の公衆が通常衣服等の全部又は一部を着けない状態でいる場所における当該状態の他人の身体を撮影し、又は撮影する目的で、写真機等を設置し、若しくは当該状態の他人に向けてはならない。

3 何人も、みだりに、教室、事務所その他の特定かつ多数の者の用に供される場所又は貸切用のバスその他の特定かつ多数の者の用に供される乗物における下着等をのぞき見し、若しくは撮影し、又は当該下着等を撮影しようとして写真機等を他人の衣服等の下に差し出す等当該下着等を撮影することができる状態にしてはならない。

(平17条例65・平19条例33・平25条例48・平29条例46・一部改正)

(入場券等の不当な売買行為の禁止)

第4条 何人も、入場券、観覧券その他の不特定かつ多数の者の娯楽に供する施設を利用することができる権利を証する物又は乗車券、指定券その他の公共の乗物を利用することができる権利を証する物(以下この条において「入場券等」という。)を売買するに当たり、公共の場所又は公共の乗物において、次に掲げる行為をしてはならない。

(1) 入場券等を不特定の者に転売し、又は不特定の者に転売する目的を有する者に交付するため、入場券等を買い、又は買おうとして他人につきまとい、呼びかけ、若しくはビラその他の文書若しくは図画を配り、若しくは掲示すること。

(2) 転売する目的で得た入場券等を不特定の者に売り、又は売ろうとして他人につきまとい、呼びかけ、ビラその他の文書若しくは図画を配り、若しくは掲示し、若しくは当該入場券等を展示すること。

(平29条例46・一部改正)

(押売行為等の禁止)

第5条 何人も、人の住居又は建造物を訪れて、物品の売買、交換、配布、加工若しくは修理、役務の提供又は広告若しくは寄附の募集(以下この条において「売買等」という。)を行うに当たり、次に掲げる行為をしてはならない。

(1) 売買等の申込みを断わられたにもかかわらず、速やかにその場から立ち去らないこと。

(2) 犯罪の前歴を告げ、自己の暴力的性行若しくは背後の威力をほのめかす言動をし、又は人の身体若しくは財産に対し害を加えるようなそぶりを示すこと。

2 何人も、公共の場所又は公共の乗物において、不特定の者に対し売買等を行うに際し、その身体の安全が害され、又は行動の自由が著しく害される不安を覚えさせるような方法により、著しく粗野又は乱暴な言動をしてはならない。

3 何人も、依頼又は承諾がないのに、物品の配布、修理若しくは加工、役務の提供又は広告の掲載を行い、みだりにその対価又は報酬を要求してはならない。

(迷惑ビラ等の配布行為等の禁止)

第6条 何人も、公共の場所において、迷惑ビラ等(性的好奇心をそそる写真若しくは絵を掲載し、又は性的好奇心に応じた役務の提供を内容とする文言を表示したビラ、パンフレット又はこれらに類する広告若しくは宣伝の用に供される文書若しくは図画で電話番号等の連絡先を記載したものをいう。以下この条において同じ。)を配布してはならない。

2 何人も、人の住居に迷惑ビラ等を配布し、又は差し入れてはならない。

3 何人も、公衆便所、公衆電話所その他不特定若しくは多数の者の用に供される施設の内部又は不特定若しくは多数の者の見やすい屋外の場所に、迷惑ビラ等を掲示し、又は配置してはならない。

(嫌がらせ行為の禁止)

第7条 何人も、特定の者に対する嫌悪、嫉妬その他これらに類する感情(ストーカー行為等の規制等に関する法律(平成12年法律第81号)第2条第1項に規定する恋愛感情その他の好意の感情又はそれが満たされなかったことに対する怨恨の感情を除く。)を充足する目的で、当該特定の者又はその配偶者、直系若しくは同居の親族その他当該特定の者と社会生活において密接な関係を有する者に対し、次に掲げる行為(第1号から第4号までに掲げる行為については、身体の安全、住居、勤務先、学校その他その通常所在する場所(以下「住居等」という。)の平穏若しくは名誉が害され、又は行動の自由が著しく害される不安を覚えさせるような方法により行われる場合に限る。)を反復して行ってはならない。

(1) つきまとい、待ち伏せし、進路に立ちふさがり、住居等の付近において見張りをし、住居等に押し掛け、又は住居等の付近をみだりにうろつくこと。

(2) その行動を監視していると思わせるような事項を告げ、又はその知り得る状態に置くこと。

(3) 面会、交際その他の義務のないことを行うことを要求すること。

(4) 著しく粗野又は乱暴な言動をすること。

(5) 汚物、動物の死体その他の著しく不快又は嫌悪の情を催させるような物を送付し、又はその知り得る状態に置くこと。

(6) その名誉を害する事項を告げ、又はその知り得る状態に置くこと。

(7) その性的羞恥心を害する事項を告げ、若しくはその知り得る状態に置き、その性的羞恥心を害する文書、図画、電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下この号において同じ。)に係る記録媒体その他の物を送付し、若しくはその知り得る状態に置き、又はその性的羞恥心を害する電磁的記録その他の記録を送信し、若しくはその知り得る状態に置くこと。

2 何人も、みだりに特定の者に対して電話をかけて何も告げず、又は拒まれたにもかかわらず、電話をかけ、電子メールの送信等(身体の安全、住居等の平穏若しくは名誉が害され、又は行動の自由が著しく害される不安を覚えさせるような方法により行われる場合に限る。)をし、若しくはファクシミリ装置を用いて送信する行為(ストーカー行為等の規制等に関する法律第2条第1項に規定するつきまとい等に該当する行為を除く。)を反復して行ってはならない。

3 前項の「電子メールの送信等」とは、次の各号のいずれかに掲げる行為(電話をかけること及びファクシミリ装置を用いて送信することを除く。)をいう。

(1) 電子メールその他のその受信をする者を特定して情報を伝達するために用いられる電気通信(電気通信事業法(昭和59年法律第86号)第2条第1号に規定する電気通信をいう。次号において同じ。)の送信を行うこと。

(2) 前号に掲げるもののほか、特定の個人がその入力する情報を電気通信を利用して第三者に閲覧させることに付随して、その第三者が当該個人に対し情報を伝達することができる機能が提供されるものの当該機能を利用する行為をすること。

(平25条例48・平29条例46・一部改正)

(不当な客引き行為等の禁止)

第8条 何人も、公共の場所において、他人に対し、次に掲げる行為をしてはならない。

(1) 次に掲げる行為及び当該行為を仮装したものについて客引きをすること。

 異性の客の性的好奇心に応じてその客に接触する役務を提供すること。

 専ら、性的好奇心をそそる映画、演劇、演芸、見せ物その他これらに類するものを観覧させること。

 専ら、性的好奇心をそそる物品で、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律施行令(昭和59年政令第319号)第4条各号に掲げるものを販売し、又は貸し付けること。

 歓楽的雰囲気を醸し出す方法により客をもてなして客に飲食をさせること。

(2) 前号アからまでに掲げる行為(同号エに掲げる行為にあっては、通常衣服等で覆われている下着又は身体に接触し、又は接触させる役務の提供を伴うものに限る。)及び当該行為を仮装したものについて、人に呼びかけ、又はビラその他の文書若しくは図画を配り、若しくは提示して、客となるよう誘引すること。

(3) 次に掲げる行為を行う役務に従事するよう勧誘すること。

 第1号ア又はに掲げる行為

 性的好奇心をそそる写真又は映像を撮影するための被写体となること。

(4) 第1号及び前号に掲げるもののほか、人の身体、衣服、所持品等をつかみ、進路に立ちふさがり、又はつきまとう方法により、客引きをし、又は役務に従事するよう勧誘すること。

2 何人も、対償を供与し、又はその供与の約束をして、他人に前項の規定に違反する行為を行わせてはならない。

3 何人も、第1項第1号から第3号までに掲げる行為(以下この項及び次項において「客引き等」という。)の状況等を勘案してこの項の規定による規制を行う必要があると認められるものとして公安委員会規則で定める地域内の公共の場所において、客引き等を行う目的で公衆の目に触れるような方法により、客引き等の相手方となるべき者を待ってはならない。

4 警察官は、前項の規定に違反して客引き等の相手方となるべき者を待っていると認められる者に対し、当該客引き等の相手方となるべき者を待つことをやめるべき旨を命ずることができる。

(平19条例33・追加、平20条例17・一部改正)

(罰則)

第9条 第3条又は第7条第1項若しくは第2項の規定に違反した者は、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。

2 常習として第3条又は第7条第1項若しくは第2項の規定に違反した者は、2年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。

(平19条例33・旧第8条繰下・一部改正、平29条例46・一部改正)

第10条 第8条第2項の規定に違反した者は、50万円以下の罰金に処する。

2 常習として第8条第2項の規定に違反した者は、6月以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。

(平19条例33・追加)

第11条 第2条第4条から第6条まで又は第8条第1項の規定に違反した者は、30万円以下の罰金に処する。

2 常習として第2条第4条から第6条まで又は第8条第1項の規定に違反した者は、6月以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

(平19条例33・旧第9条繰下・一部改正)

第12条 第8条第4項の規定による警察官の命令に違反した者は、20万円以下の罰金に処する。

(平19条例33・追加)

(両罰規定)

第13条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関して第10条第1項第11条第1項(第8条第1項に係る部分に限る。)又は前条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して各本条の刑を科する。

(平19条例33・追加)

(適用上の注意)

第14条 この条例の適用に当たっては、県民の権利を不当に侵害しないように留意しなければならない。

(平19条例33・旧第10条繰下)

(施行期日)

1 この条例は、平成15年4月1日から施行する。

(栃木県押売等防止条例の廃止)

2 栃木県押売等防止条例(昭和33年栃木県条例第42号)は、廃止する。

(栃木県押売等防止条例の廃止に伴う経過措置)

3 この条例の施行前にした前項の規定による廃止前の栃木県押売等防止条例の規定に違反する行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

(平成17年条例第65号)

1 この条例は、平成17年8月1日から施行する。

2 この条例の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

(平成19年条例第33号)

1 この条例は、平成19年7月1日から施行する。

2 この条例の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

(平成20年条例第17号)

この条例は、平成20年4月1日から施行する。

(平成25年条例第48号)

この条例は、平成25年7月1日から施行する。

(平成29年条例第46号)

1 この条例は、平成30年4月1日から施行する。

2 この条例の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

栃木県公衆に著しく迷惑をかける行為等の防止に関する条例

平成14年12月27日 条例第62号

(平成30年4月1日施行)