○財務規則第161条の2の施行上の留意事項について
平成18年9月1日
出管第40号
出納局長通知
各部長
各幹事課長
各課長
各公所の長
このことについて、栃木県財務規則の一部を改正する規則が平成18年9月1日に施行されましたが、契約事務を行うにあたっては、別紙「栃木県財務規則第161条の2の施行上の留意事項」に基づき、適切に処理されるよう通知します。
別紙
財務規則第161条の2の施行上の留意事項
1 規則第161条の2の制定趣旨
地方自治法施行令(以下「令」という。)の一部改正により、令第167条の2第1項第3号(以下「3号契約」という。)及び同項第4号(以下「4号契約」という。)が追加され、障害者支援施設等からの物品購入、障害者支援施設等・シルバー人材センター・母子福祉団体からの役務提供(業務委託)、ベンチャー企業からの新商品購入などを随意契約により契約することができるようになった。
これは、障害者支援施設等の自立支援や地域産業の振興など政策目的の観点から導入されたものとされ、特定の者を契約の相手方にできるが、相手方選定の公平性や透明性を高めるため、各自治体の規則により定める手続きに基づくことをようするとされている。
規則第161条の2は、この3号随契又は4号随契を締結する場合の手続きを定めたものである。
2 3号随契及び4号随契と少額随意契約(令第167条の2第1項第1号)との関係
(1) 3号随契及び4号随契の対象範囲
令第167条の2第1項各号に限定列挙されている随意契約によることができる場合のうち、少額随意契約に該当する契約については、少額随意契約によることが優先される。
そのため、3号随契及び4号随契の対象も、少額随意契約の対象金額(物品購入:160万円以下、業務委託:100万円以下)を超える金額の契約に限られる。
(2) 少額随意契約による場合の特例
少額随意契約に該当する契約のうち障害者福祉の増進や新事業分野の開拓支援など一定の政策目的を図るため3号随契又は4号随契に規定する特定の者と契約をする場合については、見積合わせを省略できることとした。(運用通知【第161条(随意契約の方法)関係】2(7))
3 3号随契又は4号随契の対象となる契約
(1) 3号随契の対象となる契約
令第167条の2第1項第3号に規定する以下のような障害者支援施設等から物品を購入する若しくは役務の提供を受ける契約、並びに、シルバーセンター及び母子・父子福祉団体等から役務の提供を受ける契約が対象となる。
ア) 次に掲げる障害者施設等において製作された物品を買い入れる契約をするとき。
① 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律第5条第11項に規定する障害者支援施設、同条第25項に規定する地域活動支援センター、同条第1項に規定する障害福祉サービス事業(同条第7項に規定する生活介護、同条第13項に規定する就労移行支援又は同条第14項に規定する就労継続支援を行う事業に限る。)を行う施設
② 小規模作業所(障害者基本法第2条第1号に規定する障害者の地域社会における作業活動の場として同法第18条第3項の規定により必要な費用の助成を受けている施設をいう。)
③ 生活困窮者自立支援法第10条第3項に規定する認定生活困窮者就労訓練事業を行う施設でその施設に使用される者が主として同法第2条第1項に規定する生活困窮者であるもの(当該施設において製作された物品を買い入れることが生活困窮者の自立の促進に資することにつき総務省令で定めるところにより普通地方公共団体の長の認定を受けたものに限る。)
イ) 次に掲げる障害者施設等から役務の提供を受ける契約をするとき。
① ア)①及び②の施設
② 高年齢者等の雇用の安定等に関する法律第37条第1項に規定する「シルバー人材センター連合」若しくは同条第2項に規定する「シルバー人材センター」
③ 母子及び父子並びに寡婦福祉法第6条第6項に規定する「母子・父子福祉団体」が行う事業でその事業に使用される者が主として同項に規定する配偶者のない者で現に児童を扶養しているもの及び同条第4項に規定する寡婦であるものに係る役務の提供を当該母子・父子福祉団体から受ける契約をするとき。
④ 認定生活困窮者就労訓練事業を行う施設(当該施設から役務の提供を受けることが生活困窮者の自立の促進に資することにつき総務省令で定めるところにより普通地方公共団体の長の認定を受けたものに限る。)が行う事業でその事業に使用される者が主として生活困窮者であるものに係る役務の提供を当該施設から普通地方公共団体の規則で定める手続により受ける契約をするとき。
(2) 4号随契の対象となる契約
・令第167条の2第1項第4号に規定する新商品の生産により新たな事業分野の開拓を図る者として知事から認定を受けた事業者が新商品として生産する物品を買い入れ若しくは借り入れる契約又は新役務の提供により新たな事業分野の開拓を図る者として知事から認定を受けた事業者から新役務の提供を受ける契約が対象となる。
・買い入れ若しくは借り入れることができる新商品又は提供を受けることができる新役務は、産業労働観光部工業振興課が、事業者認定後に作成する、認定事業者が生産又は提供する新商品・新役務の一覧に掲げられた新商品又は新役務のみとする。
(注) 認定された商品であっても、設置の態様によって、建物に固定されるなど「公有財産」に分類される場合には、「物品」ではないため4号随契の対象とはならない。
〈参考〉4号随契と2号随契との違い
・4号随契の場合 → 新商品を開発した事業者の認定の対象は、認定要領により、県内事業者(県内に本店又は主たる事務所を有する者)で、かつ申請をした者に限られる。
・2号随契の場合 → 県内において購入可能な県外事業者の製作した物品や、県内において役務を提供することが可能な県外事業者も対象とした上で、特殊な技術や技能を必要とする等により「その性質又は目的が競争入札に適しない」という要件を充足する必要がある。
4 本庁における物品購入の特例
3号随契又は4号随契により物品を購入するもの、並びに、3号随契又は4号随契に規定する特定の者から少額随意契約により物品を購入するものは、規則第123条第1項第9号に該当するものとして「課長が自ら購入の手続をすることができるもの」とされている。
→(別途通知される出納局会計課長通知を参照。)
5 3号随契又は4号随契を行う場合の公表等の手続
規則第161条の2は、事前公表と事後公表について規定しているが、手続きにあたっては次の点に留意をして事務処理を行うこと。
①執行伺い | |
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| (他の随意契約の場合と同様に、仕様書を作成し、予定価格を積算する。) |
②見積書提出依頼 | |
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| ・見積書の提出依頼をする相手方の数は、1人だけで可。ただし、③の事前公表後に、要件に該当する他の者から有効な見積書の提出があった場合は、見積合わせを行うこととなる。 〈3号随契の場合の施設・団体の地域的範囲〉 3号随契は、福祉施設等への自立支援など政策目的により、物品や役務を優先的に調達をするものなので、その対象を県内又は管内等に所在する施設又は団体に限定して実施することとも可能である。 ※4号随契の場合は、産業労働観光部工業振興課が作成する新商品の一覧に掲げられた物品又は役務のみが対象となる。 |
③事前公表 | |
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| (ア) 見積書提出期限の前日から起算して少なくとも10日前まで(急を要する場合においては5日前まで)に規則第161条の2第1項第2号に掲げる事項を公表する。(規則第161条の2第1項) (イ) 4号随契において「当該契約の履行が可能な者が1人である場合」は、(ア)の公表を省略することができる(規則第161条の2第3項)。 ※「当該契約の履行が可能な者が1人である場合」の意義 仕様書に該当する商品について、他に生産する者がいない場合をいう。ただし、4号随契の対象となるのは、産業労働観光部工業振興課が定める「新商品等調達・販路開拓支援事業実施要領」又は「脱炭素製品購入促進事業実施要領」に基づき、新商品を開発した者として認定を受けた事業者が生産する新商品又は新たな事業分野の開拓を図る者として認定を受けた事業者が提供する新役務に限られるため、「当該契約の履行が可能な者が1人である場合」とは、工業振興課が、事業者認定後に作成する、認定事業者が生産又は提供する新商品・新役務の一覧に掲げられた物品又は提供する役務のうち、課長又は公所の長が購入若しくは借り入れしようとする物品又は新役務の提供を受けようとする契約内容の仕様を満たす事業者が1人である場合である。 〈公表する事項〉 ・契約の内容 ・相手方の選定基準及び決定方法 ・申込方法 ・その他必要な事項 〈公表方法〉 ・公表は、県公報、新聞、掲示その他の方法により行う。 ・「掲示その他の方法」には、県の掲示場又は公衆の見易い場所への掲示、県のホームページへの掲示等の方法が該当する。 ・掲示により公表をする場合の掲示期間は、掲示をした日から見積書提出期限の日までとする。 |
④見積書提出 | |
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| ・見積書提出期限までに、見積書の提出を依頼した相手方以外の者から見積書の提出があり、その者が3号随契又は4号随契に定める要件その他相手方の選定基準として公表した基準に該当する者である場合には、これを受理しなければならない。 ・見積書提出者からは、3号随契又は4号随契の要件に該当する者であることを確認できる書面の写し等を添付させること。 |
⑤契約者の決定 | |
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| 原則として、予定価格の範囲内で最低価格の見積書を提出した者をもって契約の相手方とする。 |
⑥契約締結後の事後公表 | |
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| ・当該契約を締結したときは、速やかに規則第161条の2第1項第5号に掲げる事項を公表するものとする。(規則第161条の2第4項) ※「速やかに」の意義 規則第161条の2第1項中の「速やかに」公表するとは、公表のため必要とされる準備が整い次第に行うものとし、遅くとも、次の期限までには公表をするものとする。 ・掲示その他の方法により公表する場合 →契約締結日の翌日から起算して1か月以内 ・県公報や新聞により公表する場合 →契約締結日の翌日から起算して72日以内 〈公表する事項〉 ・契約の内容 ・契約の相手方となった者の名称及び住所 ・契約の相手方とした理由 ・契約金額 ・その他必要な事項 〈公表方法〉 ・事後公表は、原則として、事前公表をした方法と同じ方法により行うものとする。 ・掲示により公表する場合の掲示期間は、掲示をした日の翌日から起算して少なくとも1か月以上の期間とする。 |