○栃木県民の歯及び口腔の健康づくり推進条例
平成22年12月21日
栃木県条例第50号
栃木県民の歯及び口腔の健康づくり推進条例をここに公布する。
栃木県民の歯及び口腔の健康づくり推進条例
目次
第1章 総則(第1条―第10条)
第2章 基本計画(第11条)
第3章 基本的施策(第12条―第15条)
附則
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、歯及び口腔の健康づくりの推進に関し、基本理念を定め、及び県の責務等を明らかにするとともに、歯及び口腔の健康づくりの推進に関する施策の基本となる事項を定めることにより、歯及び口腔の健康づくりの推進に関する施策を、関連分野における多様な主体の自律性を重んじつつ、総合的かつ計画的に推進し、もって県民の生涯にわたる健康の保持及び増進に寄与することを目的とする。
(基本理念)
第2条 歯及び口腔の健康づくりは、歯及び口腔の健康が生涯にわたる健康の保持及び増進に欠くことのできないものであって、脳血管疾患、虚血性心疾患、糖尿病その他の生活習慣病の予防等に資するものであることにかんがみ、県民自らの歯及び口腔の健康づくりのための努力を基礎として、すべての県民が、その発達段階、年齢階層、心身の状況等に応じて、良質かつ適切な歯科保健医療サービスの提供を受けることのできる環境の整備が図られるようにすることを旨として、行われなければならない。
(県の責務)
第3条 県は、前条の基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、歯及び口腔の健康づくりの推進に関する施策を総合的に策定し、及び実施する責務を有する。
2 県は、歯及び口腔の健康づくりの推進に関する施策を策定し、及び実施するに当たっては、保健、医療、福祉、教育その他の関連分野における施策との有機的な連携が図られるよう必要な配慮をしなければならない。
(市町村との連携等)
第4条 県は、市町村との連携を図りつつ、歯及び口腔の健康づくりの推進に関する施策を確実かつ効果的に実施するよう努めるとともに、市町村において、当該地域の実情に応じた歯及び口腔の健康づくりの推進に関する計画の策定並びに施策の実施が円滑になされるよう助言、情報の提供その他の措置を講ずるものとする。
(県民の責務)
第5条 県民は、基本理念にのっとり、自ら進んで、歯及び口腔の健康づくりについての関心と理解を深めるとともに、その発達段階、年齢階層、心身の状況等に応じて、歯及び口腔の疾病及び異常の有無に係る定期的な検診、健康診査、歯科医療並びに保健指導(以下「歯科検診等」という。)を受けることにより、生涯にわたって、歯及び口腔の健康づくりに取り組むよう努めなければならない。
(歯科医師等の責務)
第6条 歯科医師、歯科衛生士、歯科技工士その他歯科医療又は歯科保健指導に係る業務に従事する者は、基本理念にのっとり、県が実施する歯及び口腔の健康づくりの推進に関する施策に協力するとともに、保健、医療、福祉、教育等に関する業務を行う関係機関及び民間団体並びに当該業務に従事する者との連携を図ることにより、良質かつ適切な歯科保健医療サービスを提供するよう努めなければならない。
(保健、医療、福祉、教育等に関する業務を行う関係機関等の役割)
第7条 保健、医療、福祉、教育等に関する業務を行う関係機関及び民間団体並びに当該業務に従事する者は、県民が、その発達段階、年齢階層、心身の状況等に応じて、歯科検診等を受けることのできる環境の整備を図る上で、その果たすべき役割の重要性にかんがみ、基本理念にのっとり、歯及び口腔の健康づくりに関し、相互に連携を図りながら協力するよう努めるものとする。
(事業者の役割)
第8条 事業者は、基本理念にのっとり、当該事業所において雇用する従業員の歯科検診等を受ける機会の確保を図ることその他当該従業員の歯及び口腔の健康づくりの取組の支援に努めるものとする。
(財政上の措置等)
第9条 県は、歯及び口腔の健康づくりの推進に関する施策を総合的に策定し、及び実施するため必要な財政上の措置その他の措置を講ずるよう努めるものとする。
(年次報告等)
第10条 知事は、毎年、県議会に、歯及び口腔の健康づくりの状況並びに県が歯及び口腔の健康づくりの推進に関して講じた施策に関する報告を提出しなければならない。
2 知事は、毎年、前項の報告に係る歯及び口腔の健康づくりの状況を考慮して講じようとする施策を明らかにした文書を作成し、これを県議会に提出しなければならない。
第2章 基本計画
第11条 知事は、歯及び口腔の健康づくりの推進に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、歯及び口腔の健康づくりの推進に関する基本的な計画(以下この条において「基本計画」という。)を定めなければならない。
2 基本計画は、次に掲げる事項について定めるものとする。
(1) 歯及び口腔の健康づくりの意義及び目標に関する事項
(2) 歯及び口腔の健康づくりの推進に関し、県が総合的かつ計画的に講ずべき施策に関する事項
(3) 前2号に掲げるもののほか、歯及び口腔の健康づくりの推進に関する重要事項
3 基本計画は、健康増進法(平成14年法律第103号)第8条第1項に規定する都道府県健康増進計画、医療法(昭和23年法律第205号)第30条の4第1項に規定する医療計画、老人福祉法(昭和38年法律第133号)第20条の9第1項に規定する都道府県老人福祉計画及び介護保険法(平成9年法律第123号)第118条第1項に規定する都道府県介護保険事業支援計画その他の法律の規定による計画であって保健、医療又は福祉に関する事項を定めるものとの調和が保たれたものでなければならない。
4 知事は、基本計画を定めようとする場合において、必要があると認めるときは、あらかじめ、市町村の長及び歯科保健医療サービスに関して学識経験を有する者の意見を聴くものとする。
5 知事は、基本計画を定めたときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。
6 知事は、歯科保健医療サービスをめぐる情勢の変化を勘案し、並びに歯及び口腔の健康づくりの推進に関する施策の効果に関する評価を踏まえ、おおむね5年ごとに、基本計画を変更するものとする。
第3章 基本的施策
(調査研究等)
第12条 県は、歯及び口腔の健康づくりの推進に関する施策を効果的かつ適正に実施するため、歯及び口腔の健康づくりの方策並びに歯及び口腔の健康と心身の健康の保持及び増進との関係に関する事項について、調査研究及びその成果の普及並びに情報及び資料の収集、整理、分析及び提供に努めるものとする。
(学習の機会の提供等)
第13条 県は、歯及び口腔の健康が生涯にわたる健康の保持及び増進に欠くことのできないものであることについての県民の関心及び理解を深め、県民自らの歯及び口腔の健康づくりのための努力を促進するため、学校、家庭、地域、職域その他の様々な場において、多様な学習の機会の提供、知識の普及、相談体制の整備その他の必要な措置を講ずるとともに、県民が、その発達段階、年齢階層、心身の状況等に応じて、歯科検診等を受けることが促進されるよう必要な措置を講ずるものとする。
(連携協力体制の強化等)
第14条 県は、歯及び口腔の健康づくりによる県民の生涯にわたる健康の保持及び増進を図るため、保健、医療、福祉、教育等に関する業務を行う関係機関及び民間団体との連携協力体制の強化に努めるとともに、当該業務に従事する者に対する研修の実施その他の資質の向上を図るための措置を講ずるものとする。
(要介護者等に係る歯科検診等の機会の確保等)
第15条 県は、身体上又は精神上の障害があるため常時又は随時の介護を要する状態にある者その他の者であって歯科検診等を受けることが困難な状況にあるものについて、歯科検診等を受けることができる機会を確保し、及び提供するための環境の整備その他の措置を講ずるものとする。
附則
この条例は、平成23年4月1日から施行する。