○知事の保有する個人情報等の適正管理要綱
令和5年3月2日
制定
知事の保有する個人情報等の適正管理要綱
目次
第1章 総則(第1条・第2条)
第2章 管理体制(第3条―第6条)
第3章 職員の責務(第7条)
第4章 個人情報等の取扱い(第8条―第15条)
第5章 特定個人情報等の取扱い(第16条―第21条)
第6章 情報システムにおける安全の確保等(第22条―第36条)
第7章 個人情報等の提供及び事務の委託(第37条・第38条)
第8章 サイバーセキュリティの確保(第39条)
第9章 安全確保上の問題への対応(第40条・第41条)
第10章 点検等の実施(第42条・第43条)
附則
第1章 総則
(趣旨)
第1条 この要綱は、個人情報保護法施行細則(令和5年栃木県規則第4号)第23条の規定に基づき、知事部局の本庁の課及び室並びに出先機関(以下「各課所」という。)における個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第57号。以下「個人情報保護法」という。)及び行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律(平成25年法律第27号。以下「番号利用法」という。)に規定する個人情報、仮名加工情報、行政機関等匿名加工情報、匿名加工情報及び個人番号(以下「個人情報等」という。)の適正な管理のために必要な措置について定めるものとする。
(定義)
第2条 この要綱で使用する用語は、個人情報保護法及び番号利用法で使用する用語の例による。
第2章 管理体制
(総括保護管理者)
第3条 知事部局に、総括保護管理者を置くこととし、栃木県情報セキュリティ対策基準(平成15年4年1日実施)第1の2(1)の統括情報セキュリティ責任者(経営管理部長)をもって充てる。
2 総括保護管理者は、知事部局における個人情報等の管理に関する事務を総括する。
(保護管理者)
第4条 各課所に、保護管理者を置くこととし、各課所の長をもって充てる。
2 保護管理者は、各課所における個人情報等の管理に関する事務を総括する。
3 保護管理者は、個人情報等を情報システムで取り扱う場合、当該情報システムの管理者と連携して、前項の事務を行う。
4 保護管理者は、特定個人情報及び個人番号(以下「特定個人情報等」という。)を取り扱う職員(以下「事務取扱担当者」という。)並びにその役割を指定する。
5 保護管理者は、各事務取扱担当者が取り扱う特定個人情報等の範囲を指定する。
(保護担当者)
第5条 各課所に、保護担当者を置くこととし、本庁の課及び室にあっては総括課長補佐又はこれに準ずる職員、出先機関にあっては総括所長補佐又はこれに準ずる職員をもって充てる。
2 保護担当者は、保護管理者を補佐し、各課所における個人情報等の管理に関する事務を行う。
(教育研修)
第6条 総括保護管理者は、個人情報等の取扱いに従事する職員(派遣労働者を含む。以下同じ。)に対し、個人情報等の取扱いについて理解を深め、個人情報の保護に関する意識の高揚を図るための啓発その他必要な教育研修を行う。
2 総括保護管理者は、個人情報等を取り扱う情報システムの管理に関する事務に従事する職員に対し、個人情報等の適切な管理のために、情報システムの管理、運用及びセキュリティ対策に関して必要な教育研修を行う。
3 総括保護管理者は、保護管理者及び保護担当者に対し、課室等の現場における個人情報等の適切な管理のための教育研修を実施する。
4 保護管理者は、当該課所の職員に対し、個人情報等の適切な管理のために、総括保護管理者の実施する教育研修への参加の機会を付与する等の必要な措置を講ずる。
第3章 職員の責務
(職員の責務)
第7条 職員は、個人情報保護法及び番号利用法の趣旨に則り、関連する法令及び規程等の定め並びに総括保護管理者、保護管理者及び保護担当者の指示に従い、個人情報等を取り扱わなければならない。
第4章 個人情報等の取扱い
(アクセス制限)
第8条 保護管理者は、個人情報等の秘匿性等その内容に応じて、当該個人情報等を取り扱うことができる権限を有する職員及びその権限の内容を、当該職員が事務の目的を達成するために必要最小限の範囲に限る。
2 アクセス権限を有しない職員は、個人情報等にアクセスしてはならない。
3 職員は、アクセス権限を有する場合であっても、業務上の目的以外の目的で個人情報等にアクセスしてはならず、アクセスは必要最小限としなければならない。
(複製等の制限)
第9条 保護管理者は、職員が事務の目的で個人情報等を取り扱う場合であっても、次に掲げる行為については、当該個人情報等の秘匿性等その内容に応じて、当該行為を行うことができる場合を限定し、職員は、保護管理者の指示に従い行う。
(1) 個人情報等の複製
(2) 個人情報等の送信
(3) 個人情報等が記録されている媒体の外部への送付又は持出し
(4) その他個人情報等の適正な管理に支障を及ぼすおそれのある行為
(誤りの訂正等)
第10条 職員は、個人情報等の訂正等を行う場合には、保護管理者の指示に従い、当該個人情報等を取り扱う事務の目的を達成するために必要な範囲内で、訂正等を行う。
(媒体の管理)
第11条 職員は、保護管理者の指示に従い、個人情報等が記録されている媒体を定められた場所に保管するとともに、必要があると認めるときは、当該媒体の耐火金庫への保管、保管場所への施錠等の個人情報等の漏えい、滅失及び毀損(以下「漏えい等」という。)を防止するための措置を講ずる。
2 個人情報等が記録されている媒体を外部へ送付し又は持ち出す場合には、原則として、パスワード等(パスワード、ICカード、生体情報等をいう。以下同じ。)を使用して権限を識別する機能(以下「認証機能」という。)を設定する等のアクセス制御のために必要な措置を講ずる。
(誤送付等の防止)
第12条 職員は、個人情報等を含む電磁的記録の誤送信若しくはウェブサイト等への誤掲載又は媒体の誤送付若しくは誤交付を防止するため、個別の事務事業において取り扱う個人情報の秘匿性等その内容に応じ、複数の職員による確認やチェックリストの活用等の必要な措置を講ずる。
(廃棄等)
第13条 職員は、個人情報等及び個人情報等が記録されている媒体(端末機器及びサーバに内蔵されているものを含む。)が不要となった場合には、保護管理者の指示に従い、当該個人情報等の復元又は判読が不可能な方法により、当該情報等の消去又は当該媒体の廃棄を行う。特に、保有個人情報の消去や保有個人情報が記録されている媒体の廃棄を委託する場合(2以上の段階にわたる委託を含む。)には、原則、職員が消去及び廃棄に立ち会い、又は写真等を付した消去及び廃棄を証明する書類を受け取るなど、委託先において消去及び廃棄が確実に行われていることを確認する。
(取扱状況の記録)
第14条 保護管理者は、必要があると認めるときは、個人情報等の重要度に応じて、台帳等を整備し、当該個人情報等の利用及び保管等の取扱状況について記録する。
(外的環境の把握)
第15条 保有個人情報が、外国において取り扱われる場合、当該外国の個人情報の保護に関する制度等を把握した上で、保有個人情報の安全管理のために必要かつ適切な措置を講じなければならない。
第5章 特定個人情報等の取扱い
(特定個人情報等を複数の各課所で取り扱う場合の任務分担等)
第16条 保護管理者は、特定個人情報等を複数の各課所で取り扱う場合は、当該各課所の任務分担及び責任を明確にしておく。
(個人番号の利用の制限)
第17条 事務取扱担当者は、番号利用法に定める事務の処理を行う場合に限り、個人番号を利用する。
(個人番号の提供の求めの制限)
第18条 保護管理者は、番号利用法で限定的に明記された場合を除き、個人番号及び特定個人情報を提供してはならない。
2 事務取扱担当者は、個人番号利用事務又は個人番号関係事務(以下「個人番号利用事務等」という。)を処理するために必要な場合その他番号利用法で定める場合を除き、個人番号の提供を求めてはならない。
(特定個人情報ファイルの作成の制限)
第19条 事務取扱担当者は、個人番号利用事務等を処理するために必要な場合その他番号利用法で定める場合を除き、特定個人情報ファイルを作成してはならない。
(特定個人情報等の収集・保管の制限)
第20条 職員は、番号利用法第19条各号のいずれかに該当する場合を除き、他人の個人番号を含む個人情報を収集又は保管してはならない。
(特定個人情報等の取扱区域)
第21条 保護管理者は、特定個人情報等を取り扱う事務を実施する区域を明確にし、物理的な安全管理措置を講ずる。
第6章 情報システムにおける安全の確保等
(アクセス制御)
第22条 保護管理者は、個人情報等(情報システムで取り扱うものに限る。以下第34条を除き、この章において同じ。)の重要度に応じて、パスワード等(パスワード、ICカード、生体情報等をいう。以下同じ。)を使用して権限を識別する機能(以下「認証機能」という。)を設定する等の当該個人情報等へのアクセスを制限するために必要な措置を講ずる。
2 保護管理者は、前項の措置を講ずる場合には、パスワード等の管理に関する定めを整備(その定期又は随時の見直しを含む。)するとともに、パスワード等の読取防止等を行うために必要な措置を講ずる。
(アクセス記録)
第23条 保護管理者は、個人情報等の重要度に応じて、当該個人情報等へのアクセス状況を記録し、その記録(以下「アクセス記録」という。)を一定の期間保存し、及びアクセス記録を定期的に分析するために必要な措置を講ずる。
2 保護管理者は、アクセス記録の改ざん、窃取又は不正な消去の防止のために必要な措置を講ずる。
(アクセス状況の監視)
第24条 保護管理者は、個人情報等の重要度及びその量に応じて、当該個人情報等への不適切なアクセスの監視のため、個人情報等を含む又は含むおそれのある一定量以上の情報が情報システムからダウンロードされた場合に警告表示がなされる機能の設定、当該設定の定期的確認等の必要な措置を講ずる。
(管理者権限の設定)
第25条 保護管理者は、個人情報等の重要度に応じて、情報システムの管理者権限の特権を不正に窃取された際の被害の最小化及び内部からの不正操作等の防止のため、当該特権を最小限とする等の必要な措置を講ずる。
(外部からの不正アクセスの防止)
第26条 保護管理者は、個人情報等を取り扱う情報システムへの外部からの不正アクセスを防止するため、ファイアウォールの設定による経路制御等の必要な措置を講ずる。
(不正プログラムによる漏えい等の防止)
第27条 保護管理者は、不正プログラムによる個人情報等の漏えい等の防止のため、ソフトウェアに関する公開された脆弱性の解消、把握された不正プログラムの感染防止等に必要な措置(導入したソフトウェアを常に最新の状態に保つことを含む。)を講ずる。
(情報システムにおける個人情報等の処理)
第28条 職員は、個人情報等について、一時的に加工等の処理を行うため複製を行う場合には、その対象を最小限とし、処理終了後は不要となった情報を速やかに消去する。保護管理者は、必要があると認めるときは、個人情報等の秘匿性等その内容に応じて、消去等の実施状況を重点的に確認する。
(暗号化)
第29条 保護管理者は、個人情報等の重要度に応じて、その暗号化のために必要な措置を講ずる。職員は、これを踏まえ、その処理する個人情報等について、当該個人情報等の秘匿性等その内容に応じて、適切に暗号化を行う。
(記録機能を有する機器・媒体の接続制限)
第30条 保護管理者は、個人情報等の重要度に応じて、当該個人情報等の漏えい等の防止のため、スマートフォン・USBメモリ等の記録機能を有する機器・媒体の情報システム端末等への接続の制限(当該機器の更新への対応を含む。)等の必要な措置を講ずる。
(端末機器の限定)
第31条 保護管理者は、個人情報等の重要度に応じて、個人情報等の処理を行う端末機器を限定するために必要な措置を講ずる。
(端末機器の盗難防止等)
第32条 保護管理者は、端末機器の盗難又は紛失の防止のため、端末機器の固定、執務室の施錠等の必要な措置を講ずる。
2 職員は、保護管理者が必要があると認めるときを除き、端末機器を外部へ持ち出し、又は外部から持ち込んではならない。
(第三者の閲覧防止)
第33条 職員は、端末機器の使用に当たっては、個人情報等が当該職員以外の者に閲覧されることがないよう、使用状況に応じて情報システムからログオフを行うことを徹底する等の必要な措置を講ずる。
(入力情報の照合等)
第34条 職員は、情報システムで取り扱う個人情報等の重要度に応じて、入力原票と入力内容との照合、処理前後の当該個人情報等の内容の確認、既存の個人情報等との照合等の必要な措置を講ずる。
(バックアップ)
第35条 保護管理者は、個人情報等の重要度に応じて、バックアップを作成し、分散保管するために必要な措置を講ずる。
(情報システム設計書等の管理)
第36条 保護管理者は、個人情報等に係る情報システムの設計書、構成図等の文書について外部に知られることがないよう、その保管、複製、廃棄等について必要な措置を講ずる。
第7章 個人情報等の提供及び事務の委託
(個人情報等の提供)
第37条 保護管理者は、個人情報保護法第69条第2項第3号及び第4号の規定に基づき行政機関等以外の者に個人情報を提供する場合には、同法第70条の規定に基づき、原則として、提供先における利用目的、利用する業務の根拠法令、利用する記録範囲及び記録項目、利用形態等について、書面を取り交わす。
2 保護管理者は、個人情報保護法第69条第2項第3号及び第4号の規定に基づき行政機関等以外の者に個人情報を提供する場合には、同法第70条の規定に基づき、安全確保の措置を要求するとともに、必要があると認めるときは、提供前又は随時に実地の調査等を行うことにより当該措置状況を確認してその結果を記録するとともに、改善要求等の措置を講ずる。
3 保護管理者は、個人情報保護法第69条第2項第3号の規定に基づき他の行政機関等に個人情報を提供する場合において、必要があると認めるときは、前2項に規定する措置を講ずる。
(事務の委託)
第38条 保護管理者は、個人情報の取扱いに係る業務を外部に委託する場合には、個人情報の適切な管理を行う能力を有しない者に選定することがないよう、委託者の選定、契約の締結において委託者に栃木県個人情報事務取扱委託基準を遵守させる。
2 委託先において、保有個人情報の取扱いに係る業務を再委託しようとする場合には、再委託される業務に係る保有個人情報の秘匿性等その内容に応じた安全管理措置が図られることを確認した上で、再委託の諾否を判断する。
3 保有個人情報の取扱いに係る業務を派遣労働者によって行わせる場合には、労働者派遣契約書に秘密保持義務等個人情報の取扱いに関する事項を明記する。
4 保有個人情報を提供し、又は業務委託する場合には、漏えい等による被害発生のリスクを低減する観点から、提供先の利用目的、委託する業務の内容、保有個人情報の秘匿性等その内容などを考慮し、必要に応じ、特定の個人を識別することができる記載の全部又は一部を削除し、又は別の記号等に置き換える等の措置を講ずる。
第8章 サイバーセキュリティの確保
(サイバーセキュリティに関する対策の基準等)
第39条 個人情報等を取り扱い、又は情報システムを構築し、若しくは利用するに当たっては、栃木県情報セキュリティ基本方針及び栃木県セキュリティ対策基準(以下「セキュリティポリシー」という。)を遵守し、取り扱う保有個人情報等の性質等に照らして適正なサイバーセキュリティの水準を確保する。
第9章 安全確保上の問題への対応
(事案の報告及び再発防止措置)
第40条 職員は、個人情報等の漏えい等及び番号利用法違反の事実又は番号利用法違反のおそれ等、安全確保の上で問題となる事案の発生を認識した場合は、直ちに当該個人情報等を管理する保護管理者に報告する。
2 保護管理者は、速やかに被害の拡大防止又は復旧等のために必要な措置を講ずる。この場合において、外部からの不正アクセスや不正プログラムの感染が疑われる等、早急な対応を要するときは、当該端末等の通信を遮断するなど、被害拡大防止のための措置を直ちに行う(職員に行わせることを含む。)。
3 保護管理者は、事案の発生した経緯、被害状況等を調査した上で、事案の発生した原因を分析し、再発防止のために必要な措置を講ずるとともに、総括保護管理者に報告する。ただし、特に重大と認める事案が発生した場合には、直ちに総括保護管理者に当該事案の内容等について報告する。
4 前項の報告は、セキュリティポリシーの規定により行う。
(公表等)
第41条 保護管理者は、事案の内容、影響等に応じて、事実関係及び再発防止策の公表、当該事案に係る本人への対応等の必要な措置を講ずる。
第10章 点検等の実施
(点検)
第42条 保護管理者は、自ら管理責任を有する個人情報等の記録媒体、処理経路、保管方法等について、定期及び必要に応じ随時に点検を行い、必要があると認めるときは、その結果を総括保護管理者に報告する。
(評価及び見直し)
第43条 総括保護管理者、保護管理者等は、栃木県内部監査実施要領に定める内部監査及び前条の規定による点検の結果等を踏まえ、実効性等の観点から個人情報等の適正な管理のための措置について評価し、必要があると認めるときは、その見直し等の措置を講ずる。
附則
1 この要綱は、令和5年4月1日から実施する。
2 知事が保有する個人情報等の適正な管理のための措置に関する要綱(平成17年9月7日制定)は、廃止する。