フォトとちぎ2013春号
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 基地病院の獨協医科大学病院では、救命救急センターの医師・看護師のうち特別な訓練を受けた20人が当番制で任務にあたります。搭乗するのは医師2人と看護師1人、それにヘリの操縦士と整備士です。紺色のフライトスーツに身を固め、出動要請に備えます。 2月下旬、栃木県ドクターヘリの1日を追いました。通信指令室に、最初の電話が入ったのは午前8時58分。鹿沼市消防本部からで、59歳の男性が右半身麻痺とのことでした。通信指令室からの無線連絡があるや否や、別室で待機していた医師と看護師が、医薬品と医療器具などが入った大きなバックを背負い、部屋を飛び出しました。救命救急センターの階段を駆け下り、100㍍ほど離れたヘリポートに向かって疾走。通信指令室に出動要請の電話が鳴ってからわずか5分後、ヘリは救急現場へと飛び立ちました。 患者さんを乗せたヘリが、戻ってきたのは、それから30分後。地上で待機していた医師に引き継がれました。 9時49分。2度目の電話が鳴りました。今度は、南那須地区広域行政事務組合消防本部からの要請です。隊員たちは休む間もなく、再びヘリに急行しました。 ドクターヘリが運航できるのは、8時30分から日没時まで。この日の出動はあわせて4件ありました。搬送された人たちはその後、それぞれの病院で治療を受け、無事一命をとりとめました。救命救急センターの一角にある掲示板には、一命をとりとめた人たちからの、たくさんのお礼の手紙が貼り出されていました。午前8時58分、獨協医科大学病院救命救急センターの2階にある通信指令センターの電話が鳴りました。消防本部の救急隊からドクターヘリの出動要請です。直ちにフライトドクター・フライトナースに指令。救急隊や搬送先の病院と連絡をとる運航管理者8:58指令を受けた医師と看護師は、大きなバックを背負い、ヘリポートに急行格納庫からの出し入れを容易にする移動式のヘリパッド。離陸位置までの20mを45秒で移動できます9:02現場からの要請5分後には離陸フォトとちぎ2013春4

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