フォトとちぎ2013秋号
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 6月に愛知県で開かれた「第11 回高等学校エコカーレース総合大 会(エコカーチャンピオンシップ)」で栃木県立今市工業高等学校科学研究部のチームが優勝しました。 同大会は、全国の工業高校を対象に「環境に優しい技術を学ぶことで、人材育成や地域環境活動への貢献」などを目的に、同実行委員会が毎年主催しています。今回は、全国の22校からあわせて46台が参加。決められたエネルギー量(蓄電池)での走行距離を競いました。 レースは、主催者が提供する蓄電池とモーターを使って走る「エコハイクラス部門」と、モーターは自由の「オープンクラス部門」それに「充電池部門」の3部門でエコ走行を競いました。今市工業高校科学研究部チームは、このうち「エコハイクラス部門」と「オープンクラス部門」に出場しました。 「エコハイクラス部門」は1周500㍍の特設コースを30分間に走った距離(周回数)で競いました。同チームのマシンは、「トキ」号と「オオルリ」号の2台。全長2㍍75㌢、幅60㌢、高さ48㌢、流線型の美しいボディは、10年以上にわたって製作・試走を行いながら完成させた究極の形です。薄肉鋼管のフレームにグラスファイバー製のカウルを被せ、前年よりも約1㌕軽量化。10年前の、鉄フレームに塩ビ製ボデイの1号機と比べれば約5㌕も軽くなりました。 今回は、ボディの改良に加えて自作のモーター・コントローラーを使いました。モーターを効果的にコントロールすることで無駄な電力の消費を抑えました。  機械科3年生の石井大だいき暉さんは科学研究部の部長。コントローラー開発に力を注いできました。 「毎秒1000回以上の周期でオン・オフ時間を切り替えることができます。その割合によって、モーターの出力を制御します。市販品だと数万円もしますが、これだと3000円程度で作れます」と言います。 今市工業高等学校科学研究部の省エネ電気自動車競技活動は01年に開始。02年の「ワールド・エコノ・ムーブ大潟大会」を皮切りに数々のレースに出場。同大会では8回も優勝しています。このほか「ハンドメイド電気自動車レース」「バッテリーカーコンテスト」「北関東高校生電気自動車大会」などで数多く優勝しています。 現在、部員たちは11月にツインリンクもてぎで開かれる「エネ1グランプリ」(単三充電池で、走行距離やスピードを競うレース)での優勝を目指して、車両の調整に余念がありません。昨年は、総合で全国優勝。同大会でも2連覇を目指しています。シリーズ●とちぎのひと人フォトとちぎ2013秋23

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