フォトとちぎ2013秋号
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「中山かぼちゃ」は、北海道の開拓者が作っていたものが戦後、旧烏山町中なかやま山地区(現在の那須烏山市)に伝わったと言われています。50年以上も前のことでした。主に農家の自家消費用に栽培されていましたが、「中山のかぼちゃはおいしい」と、地元では評判でした。 農協婦人部(当時)が、これを地域の特産品にしようと、栽培を始めたのが35年前。87年には地域内に種取りのための畑を設け、品種の保存にも努めました。さらに90年、JA烏山に「中山かぼちゃ部会」をつくり、近隣の地域に出荷。宅配による出荷も始めました。 また、栃木県農業試験場は88年、同部会からの依頼で、品種改良を開始。13年の歳月をかけて優良品種「ニューなかやま」を開発しました。このことで、均一で安定的な生産が可能になりました。現在では同部会の15戸の農家が、年間約16㌧を生産しています。 中山かぼちゃは、3月に苗づくり、5月から6月にかけて交配を行います。交配の作業は、雑交配を防ぐため早朝、花が開くと同時に行い、花粉が飛び始める8時前に済ませなければなりません。受粉した花にはそれぞれ、日付を書いた札を立て、管理しています。受粉の1か月後、実が10㌢ほどになると、それぞれにマットを敷き、40日後には、日焼け防止のための日よけを、わらなどで作ります。手間ひまかけて55日目、7月中旬から8月下旬の暑い時期に収穫します。収穫後、よく乾燥させ、きれいに磨いて出荷しています。交配から55日間じっくり熟成栃木県塩谷南那須農業振興事務所は、中山かぼちゃ畑を巡回し、栽培方法などを指導しています(写真は5月に行われたほ場調査)フォトとちぎ2013秋4

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