○栃木県職員の分限処分指針の制定について
平成28年4月1日
人第455号
経営管理部長通知
本庁各課室長
各出先機関の長
労働委員会事務局長
地方公務員法(昭和25年法律第261号。以下「法」という。)第27条の規定により、職員は法に定める事由による場合でなければ、その意に反して降任され、若しくは免職されず、条例で定める事由による場合でなければ、その意に反して降給されることがないとされているところですが、今般、職員の分限処分に関する条例(昭和26年栃木県条例第44号。以下「条例」という。)が改正され、新たに条例で降給の事由等を定めたことに伴い、本県においても平成28年4月1日から降給の運用が可能となったところです。
このことに併せ、降任、免職又は降給の分限処分を行う場合について、法又は条例に定める以外の手続等についての指針を別添のとおり定めたので通知します。
栃木県職員の分限処分指針
第1 趣旨
この指針は、地方公務員法(昭和25年法律第261号。以下「法」という。)又は職員の分限に関する条例(昭和26年栃木県条例第44号。以下「条例」という。)に基づき、降任、免職又は降給の分限処分を行う場合について、法又は条例に定める以外の手続等についての指針を定め、一定の事由により職責を十分に果たすことのできない職員に対して適切に対応することにより、公務の適正かつ能率的な運営を確保することを目的とする。
第2 本人の意に反する降任又は免職を行う場合
(1) 法第28条第1項の規定による降任は、現に任命されている職より下位の職制上の段階に属する職の職務を遂行することが期待できると認められる場合に行うものとする。
(2) 法第28条第1項の規定による免職は、現に任命されている職より下位の職制上の段階に属する職の職務を遂行することが期待できないと認められる場合に行うものとする。
第3 本人の意に反する降任、免職又は降給の事由
1 勤務成績不良
(1) 法第28条第1項第1号の規定により職員を降任させ、又は免職することができる場合は、次に掲げる場合であって、指導その他の措置を行ったにもかかわらず、勤務成績が不良なことが明らかなときとする。
① 条例第4条第1項第1号にある職員の人事評価の標語のいずれかが最下位の段階である場合
② ①に掲げる場合のほか、当該職員の勤務の状況を示す事実に基づき、勤務実績がよくないと認められる場合
(2) (1)の「その他の措置」は、次に掲げるいずれかの措置とする。
① 職員の上司等が、注意又は指導を繰り返し行うこと。
② 職員の転任その他当該職員が従事する職務を見直すこと。
③ 職員の矯正を目的とした研修の受講を命ずること。
④ その他任命権者が職員の矯正のために必要と認める措置をとること。
(3) (1)②、条例第4条第1項第1号又は同条第2項に該当するか否かを判断するに当たっては、例えば次に掲げる客観的な資料によるものとする。
① 職員の人事評価(栃木県人事評価実施規程(平成24年栃木県・栃木県公営企業・栃木県教育委員会・栃木県人事委員会・栃木県監査委員・栃木県議会訓令第1号)第3条第1項にある人事評価をいう。)その他職員の勤務実績を判断するに足ると認められる事実を記録した文書
② 職員の勤務実績が他の職員と比較して明らかに劣る事実を示す記録
③ 職員の職務上の過誤、当該職員についての苦情等に関する記録
④ 職員に対する指導等に関する記録
⑤ 職員に対する分限処分、懲戒処分その他服務等に関する記録
⑥ 職員の身上報告書又は職務状況に関する報告
2 心身の故障
(1) 法第28条第1項第2号の規定により職員を降任し、又は免職することができる場合、条例第4条第1項第2号の規定により職員を降格することができる場合は、条例第5条第1項の規定により、任命権者が指定する医師2名によって、長期の療養若しくは休養を要する疾患又は療養若しくは休養によっても治療し難い心身の故障があると診断され、その疾患若しくは故障のため職務の遂行に支障があり、又はこれに堪えないことが明らかな場合とする。
(2) 条例第5条第1項の医師の「診断」は、職員が次のいずれかに該当する場合に行うものとする。
① 3年間の病気休職(法第28条第2項第1号の規定による休職をいう。以下同じ。)の期間が満了するにもかかわらず、心身の故障の回復が不十分で、職務を遂行することが困難であると考えられる場合
② 病気休職中であって、今後、職務を遂行することが可能となる見込みがないと判断される場合
③ 勤務実績がよくない職員又は職への適格性を欠くと認められる職員について、それらが心身の故障に起因すると思料される場合
3 適格性欠如
(1) 法第28条第1項第3号の規定により職員を降任させ、又は免職することができる場合は、職員の適格性を判断するに足ると認められる事実に基づき、その職に必要な適格性を欠くと認められる場合であって、指導その他の措置を行ったにもかかわらず、適格性を欠くことが明らかなときとする。
(2) (1)又は条例第4条第1項第3号の「適格性を欠く」場合とは、当該職員の容易に矯正することができない持続性を有する素質、能力、性格等に基因してその職務の円滑な遂行に支障があり、又は支障を生ずる高度の蓋然性が認められる場合をいい、条例第5条第1項の受診命令に再三にわたり従わない場合が含まれるものとする。
(3) 1(3)の規定は、(1)又は条例第4条第1項第3号に該当するか否かを判断する場合に準用する。
(4) (1)の「その他の措置」は、1(2)の「その他の措置」のほか、職員が行方不明の場合における当該職員の所在が明らかでないことの確認等適格性を欠いた状態が改善されないことを確認するために必要と認められる措置とする。
第4 本人の意に反する降任、免職又は降給の手続
(1) 法第28条第1項第1号若しくは第3号の規定により職員を降任若しくは免職させ、又は条例第4条第1項第1号、第3号若しくは同条第2項の規定により職員を降格若しくは降号するに当たっては、当該職員に警告書を交付した後、弁明の機会を与えるものとする。ただし、職員の勤務実績不良の程度、業務への影響等を考慮して、速やかに処分を行う必要があると認められる場合は、この限りではない。
(2) (1)の警告書は別紙2を参考に、適宜の様式によるものとする。