〔解説〕
- ゼロエミッション(zero emission)
国際連合大学(本部は東京)が、「ゼロ・エミッション」構想として平成6年から提唱しているもの。
これは、産業界における生産活動の結果、水圏、大気圏や地上圏等に最終的に廃棄される不用物や廃熱(エミッション)を、他の生産活動の原材料やエネルギーとして利用し、産業全体の製造工程を再編成することによって、循環型産業システムを構築しようとする試みである。我が国でも、鹿児島県(屋久島)や環境事業団、民間企業などでゼロ・エミッションの考え方を具体化するモデル的事業が始められている。
- ミティゲーション(mitigation)
欧米で、1980年頃から環境保全の考え方として広まった言葉で、道路や橋、護岸の建設等が野性動物や生態系に及ぼす影響をなるべく抑えるようにすること。環境アセスメントは、こういう開発をするとこんな影響が出ると警告する意味合いが強いが、ミティゲーションでは、こういう開発を行う場合、こんな工法で影響をなくそうと、一歩踏み込んだ考えの下で、環境影響の緩和、軽減、回避、最小化と代償など総合的な保全・復元を行う点が特徴となっている。
新・全総の中では、国土開発に係る事業の実施に際して自然環境の保全を図るため、環境影響評価の実施等を通じて、保全すべき場所の改変を避け、あるいは、これを最小限にするなどの対策を講じることを位置づけている。 |