トップ > 環境 > 環境保全・温暖化対策 > 環境保全 > とちぎの環境 > 計画・報告書等(環境資料アーカイブ) > 環境の状況及び施策に関する報告書(環境白書)  > 平成12年度環境の状況及び施策に関する報告書(要約)

土壌環境・地盤環境保全対策

 

1 土壌環境保全対策

(1) 農用地土壌保全対策                                                                         

 農用地に使用される再生有機質資材(特殊肥料)については、「肥料取締法」により規制値が設定されています。
 下水汚泥の利用に関しては、その適正な使用を図るため県が平成8年3月に策定した「下水おでい肥料等の取扱い及び緑農地利用に係る指針」に基づき指導を行っています。
 しかし、水質汚濁、大気汚染及び農用地への投入資材等により、土壌は汚染される可能性があるため、今後とも「モニタリング調査」等を実施し、県内土壌の実態を正確に把握していきます。

(2) 土砂等適正処理事業                                                                         

 平成11年4月施行の「土砂等の埋め立て等による土砂の汚染及び災害の防止に関する条例」に基づき、県内に行ける土砂等の埋め立ての適正処理を推進します。

(3) 土壌環境調査                                                                                 

 平成11年度に引き続き、「土壌環境保全実態調査」を実施します。
 ダイオキシン類については、平成12年1月施行の「ダイオキシン類対策特別措置法」に基づき、県内における一般環境調査及び発生源周辺調査を実施することとしています。

 

2 地盤沈下対策

(1) 経 過                                                                                          

 昭和62年3月、栃木県公害対策審議会から、「地盤沈下の基本的施策について」次の主旨の答申が出されました。

 一級水準測量並びに観測井による地下水位及び地盤沈下観測等は、今後とも整備、拡充を図りつつ継続して実施する。
 抜本的な対策として、条例等により地下水の過剰な採取を規制する措置を講ずる必要がある。
 地下水利用から表流水利用への水源転換を図るとともに、地下水利用の合理化等を促進する必要がある。

 地盤沈下防止の総合的な対策を講じるため、平成3年、国が本県南部地域(13市町)を含む関東平野北部を対象に「関東平野北部地盤沈下防止等対策要綱」を策定しました。
 同要綱において、本県の対象地域は、以下のように区分されています。

保全地域 地下水採取に係る目標量を設定し、その達成のための措置を講じる地域 小山市の一部、野木町、藤岡町
観測地域 観測及び調査等に関する措置を講ずる地域 足利市、佐野市、小山市の一部、真岡市、上三川町、南河内町、二宮町、石橋町、国分寺町、大平町、岩舟町

 地盤沈下対策は多岐にわたることから、平成9年度に庁内関係各課室から構成する「地盤沈下対策検討会」を設置し、地下水利用者への地下水保全意識の啓発、観測体制の充実など連携を図りながら地盤沈下対策の推進に努めています。

(2) 対策の現状                                                                                    

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 本県における対策
 保全地域にある3観測所(小山大谷、野木No.1、藤岡遊水池)において、地下水位及び地盤沈下の状況をリアルタイムで観測しています。
 地下水位が対策水位(点検水位・節水水位)を超えた場合には、「小山市・野木町・藤岡町地盤沈下防止連絡協議会」(平成11年3月設立)の地下水利用者に対し、点検要請・節水要請を行っています。(図2−2−3)
 平成11年度は、6月に野木町、8月に小山市あて点検要請を行い、地下水利用者の協力を得ました。
 また、地盤沈下に対する意識・関心及び日ごろの節水方法等を把握することを目的に、同協議会の地下水利用者に対して、アンケート調査を実施しました。平成12年度に調査結果の分析を行い、地下水利用者の具体的な節水方法等を検討することとしています。
 県民の生活水準の向上や産業の進展に大きく貢献している貴重な水資源である地下水を、将来にわたり有効かつ適切に保全、利用するため、「栃木県地下水揚水施設に係る指導等に関する要綱」に基づき、県内全域を3地域に分割し、揚水機の規模に応じて届出を提出させ、地下水の採取量、揚水機の規模など、適正な施設となるよう指導しています。
 特に、地下水位の低下による障害が生じている県南地域の一部(3市4町)においては、大規模地下水採取者に対して、事前協議制度を導入し、節水や代替水源への転換等の指導を行っています。

図2−2−3 地盤沈下の情報提供のフロー(概要)

○ 点検水位は、約1週間後に節水水位になるおそれがあり、注意を要する水位である。 
○ 節水水位は、この数値を超えて地下水位が低下すると急激に地盤沈下するおそれがある
 ため、警戒を要する水位である。

 

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 国における対策
 関東通商産業局は、「栃木県小山・野木・藤岡地域工業用水使用合理化指導事業」を実施し、県及び対象市町と連携し、水使用の合理化を推進・指導することにより、工業用地下水の使用量の削減を図っています。
 国土庁は、関東平野北部の地盤沈下防止対策を推進するため、国及び関係各県等で構成する「関東平野北部地盤沈下防止等対策要綱推進協議会」を設置しており、平成12年度以降の同要綱の見直しに向け検討しています。
 環境庁は、学識経験者・本県を含む関係行政機関から構成する「関東平野北部地盤沈下防止等対策検討会」を設置し、同要綱の見直しに向けて提言を行うため、地域指定の変更や渇水時の体制等について検討を行ないました。

 


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