トップ > 環境 > 環境保全・温暖化対策 > 環境保全 > とちぎの環境 > 計画・報告書等(環境資料アーカイブ) > 環境の状況及び施策に関する報告書(環境白書)  > 平成13年度環境の状況及び施策に関する報告書(要約)

土壌環境・地盤環境の状況

 

1 土壌環境の状況


(1) 土壌環境の状況                                                                                      

 土壌の汚染に係る環境基準は「環境基本法」により、土壌が有する「水質を浄化し地下水をかん養する機能」及び「食料を生産する機能」の観点から、人の健康を保護し、生活環境を保全する上で維持することが望ましい基準としてカドミウム等27項目が定められています。
 農用地の土壌汚染については、農用地の土壌環境を保全する観点から、「農用地の土壌の汚染防止等に関する法律」によりカドミウム、銅及びひ素の特定有害物質について基準が定められているほか、農用地における土壌中の重金属等の蓄積防止の観点から、農用地表層土壌を対象にした亜鉛を指標とする管理基準が定められています。

(2) 土壌環境の現況                                                                                      

@ 農用地

 県内農用地の土壌環境の状況を把握するため、昭和54年度から県内を4ブロックに分け、「土壌環境基礎調査」を実施しています。
その結果では、「農用地の土壌の汚染防止等に関する法律」で定められている特定有害物質(カドミウム、銅及びひ素)は基準値以内であり、土壌汚染はみられませんでした。
(表2−3−1)

  表2−3−1 土壌環境基礎調査成績(6年から10年)
                                   (単位:r/乾土s)

地目点数区分カドミウムひ 素亜 鉛

     
     
水 田
     
     

   
   
54
   
   

最 高

   1.3 

   23.0

   1.7

   26.9

   4.3

最 低

   0.0 

   0.0

   0.0

   1.7

   0.7

平 均

   0.32

   5.9

   0.6

   11.7

   1.7

     
     
普通畑
     
     

   
   
30
   
   

最 高

   0.6 

  102.9

   1.0

  109.7

   1.8

最 低

   0.1 

   0.0

   0.0

   3.1

   0.0

平 均

   0.25

   13.6

   0.2

   18.4

   0.8

     
     
樹園地
     
     

   
   
 1  
   
   

最 高

   0.2 

   45.8

   2.1

   30.9

   18.5

最 低

   0.0 

   0.2

   0.1

   4.5

   0.6

平 均

   0.13

   12.5

   1.0

   20.1

   4.2

     
     
牧草地
     
     

   
   
 7  
   
   

最 高

   0.3 

   1.4

   1.6

   17.0

   1.6

最 低

   0.1 

   0.1

   0.1

   5.7

   1.0

平 均

   0.17

   0.7

   0.6

   9.1

   1.3

法律で定める指定基準

玄米中
1mg/kg以上

土壌中
125mg/kg以上

土壌中
15mg/kg以上
  

A 農用地以外

 県内農用地を除く土壌環境の状況を把握するため、5地点において「土壌環境保全実態調査」を実施しました。
 その結果、調査項目(カドミウム、鉛、六価クロム、ひ素、総水銀(アルキル水銀)、セレン)は基準値以内であり、土壌汚染はみられませんでした。(表2−3−2)

表2−3−2 土壌環境保全実態調査結果(12年度)

地 目 点 数 区 分 カドミウム 六 価
クロム
ひ 素 総水銀 アルキ
ル水銀
セレン

     

住 宅 地

   

 11

最 高

<0.001

0.003

<0.01

<0.001

<0.0005

N.D.

<0.001

最 低

<0.001

<0.001

<0.01

<0.001

<0.0005

N.D.

<0.001

平 均

<0.001

0.0014

<0.01

<0.001

<0.0005

N.D.

<0.001



商 業 地



  4

最 高

<0.001

0.004

<0.01

<0.001

<0.0005

N.D.

<0.001

最 低

<0.001

<0.001

<0.01

<0.001

<0.0005

N.D.

<0.001

平 均

<0.001

0.0016

<0.01

<0.001

<0.0005

N.D.

<0.001


林地又は 雑 種 地



  5

最 高

<0.001

<0.001

<0.01

<0.001

<0.0005

N.D.

<0.001

最 低

<0.001

<0.001

<0.01

<0.001

<0.0005

N.D.

<0.001

平 均

<0.001

<0.001

<0.01

<0.001

<0.0005

N.D.

<0.001

環  境  基  準

0.01

 

0.01

 

0.05

 

0.01

 

0.005

検出されないこと

 0.01

注)<:未満    N.D.:検出下限値未満

(3) ダイオキシン類の土壌調査                                                                         

 土壌中におけるダイオキシン類の状況を把握するため、98地点において調査を実施しました。
 その結果、97地点では環境基準(1,000pg-TEQ/g)以下でしたが、1地点で環境基準を超え、1,200pg-TEQ/gが検出されました。

 

2 地盤環境の状況


(1) 地盤沈下の経緯                                                                                      

 関東平野における地盤沈下は、かつて関東南部地域において著しい状況にありました。近年、南部地域は沈静化したものの、関東北部地域において地盤沈下が進行している状況にあります。
 本県では、昭和50年に国が精密水準測量を実施した結果、野木町及び小山市の一部の水準点が最大で約14p(昭和44年9月から51年1月までの7年4か月間)沈下してしていることが初めて認められました。
 県では昭和51年度から精密水準測量を、昭和53年度から地盤沈下計による観測を開始しています。
その後、測量対象地域を拡大するとともに、地下水位と地盤変動を観測するための地盤沈下観測所の拡充に努めており、12年度は、精密水準測量を県央以南平地部15市町に設置してある水準点179点、路線延長425qにおいて、地盤沈下観測を県央以南平地部11市町に設置してある17観測所において、それぞれ実施しました。

(2) 地盤沈下の現況                                                                                      

 県南地域の平地部は、沖積層や洪積層が厚く、地下水を過剰に揚水すると地盤沈下がおこりやすい地質となっています。
 12年の状況は、野木町、藤岡町、小山市などで地盤沈下が進行しているものの、前年同様、沈下量及び沈下面積とも小さい状況にあります。(表2−3−3、表2−3−4、表2−3−5)
 年間の状況を見ると、地下水位は夏季に低下し、やがて回復するものの、経年的には低下の傾向にあります。また、地盤は夏季に沈下しますが、水位が回復してもあまり回復しない傾向がみられます。
 沈下量及び年間2p以上沈下している地域の面積等を経年的に見ると、降水量との関連がみられ、渇水であった年(2年、4年、6年、8年)には、沈下量及び沈下面積ともに大きくなっています。
(図2−3−1)

表2−3−3 県南地域代表市町の最大年間沈下地点とその沈下量 (12.1.1〜13.1.1)
                                       単位:p

市町名  水準点所在地    沈下量
野木町 野木町野木142−1 (コノキ工業(株)) 1.41
足利市 足利市奥戸町     (奥戸自治会館)
足利市小曽根町517 (筑波小学校)
0.44
0.44
小山市 小山市下生井1547 (下生井小学校) 0.83
藤岡町 藤岡町下宮639   (八坂神社) 1.24
佐野市 佐野市高山町131  (渡良瀬川堤防敷) 1.20

表2−3−4 県南地域代表市町の最大累積沈下地点とその沈下量 (昭52.1.1〜13.1.1)
                                       単位:p

市町名 水準点所在地 沈下量
野木町 野木町潤島800−1 (野木中学校) 71.74
藤岡町 藤岡町下宮639   (八坂神社) 60.44
小山市 小山市乙女934   (新井建業向側) 50.11
足利市 足利市県町1371  (県町公民館) 28.37
佐野市 佐野市船津川町※    (椿田稲荷) 13.66

 

表2−3−5 地盤沈下した地域の面積の推移

52

53

54

55

56

57

58

59

60

61

62

63

10

11

12

2p以上
沈下地域

1

53

1

17

1

93

9

7

29

13

6

55

35

100

1

76

50

4p以上
沈下地域

1

18

1

10

16

24

18

 

図2−3−1 県南地域代表市町の最大累積沈下水準点の経年変化


注)昭和52年1月1日を0pとした累積沈下量である。

     


目次へ戻る