一般廃棄物の質の多様化と量の増大に対応するためには、ごみの減量化・再生利用を促進するとともに施設の整備促進及び維持管理面の指導を強化する必要があることから、次のことを重点的に指導しました。
(1) ごみの減量化・リサイクルの推進
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ア
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「栃木県ごみ減量化・再生利用推進計画」の概要
・計画期間 10年間(平成11〜平成20年度)
・目 標 ごみ減量化率 10%(県民1人1日当たり97gを減量)
リサイクル率 30%(県民1人1日当たり276gをリサイクル)
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イ
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ごみ減量化・再生利用推進計画の推進
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・
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「栃木県ごみ減量化・再生利用推進計画」に基づいて、ごみの減量化・リサイクルについての意識の高揚や直接的な行動、さらには環境づくりを総合的かつ効率的に推進していくこととしています。
12年度は、リサイクル月間(10月)にマイ・バッグ・キャンペーンを展開したほか、次の事業を実施しました。
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○ |
クリーンアップフェアの開催
県民一人ひとりが地球環境問題への認識を深め、廃棄物問題をはじめ、環境の保全への幅広い理解と協力を得ることを目的として、クリーンアップフェアを開催しました。 |
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期 間:12年10月28日(土)〜10月29日(日)の2日間
会 場:栃木県子ども総合科学館
主 催:栃木県・栃木県クリーンアップフェア実行委員会
来場者:8,500人
13年度も10月に、同会場において、クリーンアップフェアを開催することとしています。 |
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○ |
ごみ減量化・リサイクル演劇開催事業
次世代を担う子供たち及び一般県民のごみ問題に対する意識の高揚を図るため、ごみ減量化やリサイクルをテーマにした演劇を県内で上演しました。
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演劇名:「テングの鼻はなぜ低い?」
巡回公演(小中学生対象):107回 約30,000人
一般公演(一般県民対象): 10回 約 8,200人
13年度も巡回公演100回、一般公演10回のリサイクル演劇の開催を予定しています。
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○
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容器包装リサイクル分別収集促進事業
容器包装廃棄物の分別収集を計画的に推進するために、普及啓発等の事業を実施する市町村に対して補助を実施しました。
補助基準額 3,000千円
補 助 率 1/2
12年度は、9市町に対して補助を行いました。
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○ |
家電リサイクル促進支援事業
13年度の完全実施に向け、市町村等が国庫補助事業を導入して行うモデル事業に対して補助を行いました。
標準事業費 6,000千円
補 助 率 県1/3 国1/3
12年度は、1市に対して補助を行いました。
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○ |
ごみ減量化、リサイクル広報活動事業
ラジオスポットCM等で県民にごみの減量化、リサイクルの推進について呼びかけました。 |
(2) ごみ処理の適正化の推進
ア |
ごみの適正処理の指導
ごみ処理施設の増補改良及び適正な維持管理を指導するとともに、管理型最終処分場の整備について指導しました。
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イ |
ごみ処理の広域化の推進
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○ |
栃木県ごみ処理広域化計画の概要
・ 計画期間 概ね20年後を見通した10年間(11〜20年度)
・ 目 標 ダイオキシン削減、リサイクル社会の構築、施設の効率的運用、
RDF化施設の導入
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○ |
栃木県ごみ処理広域化計画に基づく広域化の推進 |
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・ |
地域ブロック広域化基本計画の作成
栃木県ごみ処理広域化計画に基づく広域化の着実な推進を図るため、ごみ処理施設と最終処分場の適正な施設整備と維持管理を指導するとともに、各地域ブロック毎の広域化基本計画作成に対し支援を行うため「地域ブロック広域化基本計画作成費補助事業」を11年度に創設しました。
12年度 地域ブロック広域化基本計画作成事業実施団体
鹿沼地区ごみ処理広域化推進協議会、芳賀地区ごみ処理広域化推進協議会
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・ |
RDF施設の設置に必要な調査を行うため、「RDF化モデル施設整備費補助事業」を12年度に創設しました。
12年度 RDF化モデル施設整備事業実施団体
塩谷広域行政組合 |
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・ |
市町村振興資金貸付金
市町村が実施するダイオキシン削減のための施設の改造に要する経費について、市町村振興資金の中にダイオキシン対策特別枠を設けて市町村を支援します。 |
(3) 空き缶対策
道路や観光地における空き缶等の散乱は、地域の環境を損なうばかりでなく、収集・運搬の面でも廃棄物行政の大きな課題となっています。
このため、関東地方知事会を構成する11都県では昭和57年から毎年5月30日(ごみゼロの日)を中心に統一した美化キャンペーンを展開しています。
12年度も全市町村及び関係諸団体の協力を得て、県内全域での空き缶等の一斉収集・啓発活動及び小・中・高校生を対象としたポスター・標語の募集を実施しました。
(表2−5−3、表2−5−4)
○ 平成12年度空き缶等の散乱防止と再資源化を進めるための標語コンテスト
最優秀作品
(小学校低学年) あきかんよ 生まれかわって またあおう
(小学校高学年) ゴミと知恵 集めて生かす リサイクル
(中 学 校) 考えて 自分の未来と ごみのこと
13年度も同様の美化キャンペーンを展開し、普及啓発に努めることとしています。
表2−5−3 5月30日(ごみゼロの日)を中心とした一斉収集・啓発の結果(12年度)
一斉収集 |
動員数 : 153,334人 | 回収量 :
169.74t | 空き缶37.74t(943,606本)
その他132.00t | 啓発資材 |
ポスター : 3,817枚 |
リーフレット : 52,370枚 |
持ち帰り用袋 : 286,950枚 |
表2−5−4 ポスター・標語の応募状況(12年度)
区分 | ポスター | 標語 | 応募学校数 | 応募者数 | 応募学校数 | 応募者数 |
小学校 |
217 |
4,952 |
78 |
2,125 |
中学校 |
57 |
2,666 |
12 |
1,443 |
高等学校 |
9 |
80 |
0 |
0 |
合計
|
283
|
7,698
|
90
|
3,568
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(4) し尿処理施設
し尿処理施設の増補改良及び高度処理への改善について指導するとともに、適正な維持管理の推進を図りました。
浄化槽に関しては、「浄化槽法」及び「栃木県浄化槽保守点検業者の登録に関する条例」に基づき保守点検業者の立入検査及び浄化槽管理者に対する講習会等を実施し、浄化槽の適正な維持管理の推進を図りました。
なお、12年度から地方分権を推進するため、浄化槽法の事務の一部を市町村に委譲しましたが、委譲事務が円滑に進むよう、市町村に対する指導助言も併せて実施しました。
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排出事業者及び産業廃棄物処理業者の資質の向上を図るため、毎年、研修会の開催や事業所等への立入検査による適正処理の監視・指導を行うとともに、関係機関と連携をとり不法投棄の一斉監視を実施しています。
また、周辺整備助成事業、廃棄物監視員市町村交付金事業等の様々な施策を推進しています。
(1) 産業廃棄物適正処理対策
ア |
県内に立地している事業所の立入検査
産業廃棄物処理施設を設置している排出事業者など県内に立地している事業所(自社処分場を含みます。)を対象に508事業所に立入検査を実施し、産業廃棄物の発生状況、保管状況、処理処分及び委託の方法等について監視指導を行いました。
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イ |
中間処理・最終処分業者の立入検査
処理業者の設置している焼却施設等の中間処理施設及び最終処分場を対象に、延べ634か所で立入検査を実施し、適正な維持管理の確保について監視指導を行いました。
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ウ |
指導状況等
事業所及び産業廃棄物処理業者1,142業者について立入検査を実施して指導した結果、そのうち113業者に対し文書指導(勧告)をするとともに、25業者に対し改善命令、5業者に対し措置命令を発し、22業者に対し報告の徴収を求めました。
また、6業者に対して産業廃棄物処理業許可の取消しを行い、9業者に対して事業の停止を命じました。
今後も、排出事業者、処理業者双方に産業廃棄物の適正な処理、処分について指導していくこととしています。(表2−5−5、表2−5−6)
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エ |
説明会の開催
排出事業者責任の強化を柱とする廃棄物処理法改正の機会をとらえ、処理業者及び排出事業者に対する説明会を延べ11回開催しました。
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表2−5−5 産業廃棄物関係立入検査結果(11年度)
項 目
報告徴
収の相手方 |
立入検査の件数 |
口頭指導件数 |
文書指導件数 | 排出事業者 |
508 |
263 |
66 | 処理業者 |
634 |
342 |
47 | 計 |
1,142
|
605
|
113
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表2−5−6 行政処分の状況(11年度)
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法第14条の3、
法第14条の6
の処分 ※1 |
法第15条の3第1項の命令
※2 |
法第18条の報告徴収 |
法第19条の3の改善命令 |
法第19条の4第1項の措置命令 |
刑事訴訟法の告発 |
取り消し |
停止命令 |
事業者 |
処理業者 |
件数 |
6(1) |
9(1) |
5 |
10
|
12
|
25
|
5
|
0
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※1 |
産業廃棄物収集運搬業者、若しくは産業廃棄物処分業者(カッコ内は特別管理産業廃棄物収集運搬業者、若しくは特別管理産業廃棄物処分業者)に対する許可の取消し又は事業の停止命令
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※2 |
産業廃棄物処理施設の許可の取り消し、一時使用停止、改善命令
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(2)
「栃木県産業廃棄物処理に関する指導要綱」による規制・指導
産業廃棄物の適正処理を推進し生活環境の保全を図るため、「栃木県廃棄物処理に関する指導要綱」により、産業廃棄物処理施設を設置する際の事前手続等について指導を行っています。
なお、10年6月、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」の改正に対応するとともに、法がより
有効に機能するための行政指導のあり方を規定するため、指導要綱を改正しました。
○ 県によるあっせん制度の導入
○ 専門的知識を有する者からの意見聴取手続の導入
○ 設置許可必要施設の手続の簡略化
(3) 環境保全対策
ア |
廃棄物監視員市町村交付金
不法投棄、不適正処理の防止及び最終処分場の適正な維持管理を確保するため、廃棄物監視員を設置する市町村に対し、その経費の一部を補助する廃棄物監視員市町村交付金により不適正処理・処分の防止対策を講じています。
12年度は、鹿沼市他計25市町に交付しました。
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イ |
夜間・休日の不法投棄の監視委託
不法投棄が多発する夜間、休日の監視パトロールを委託実施することにより、不法投棄の未然防止及び原因者の特定の円滑化を図っています。
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ウ |
栃木県環境保全対策基金の造成
産業廃棄物の適正処理を促進するとともに、産業廃棄物の処理に起因する損害に対し補償を行うため、(社)栃木県産業廃棄物協会に創設された栃木県環境保全対策基金の造成状況は次のとおりです。
基金造成額(13年3月現在)約3.9億円
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エ |
産業廃棄物不法投棄緊急対策事業
産業廃棄物の不法投棄等による生活環境保全上の支障の未然防止のために、応急的緊急的措置を実施するための基金を(社)栃木県産業廃棄物協会に造成しました。
造成額 1億円(県5千万円、協会5千万円)
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(4) 産業廃棄物関係諸団体
産業廃棄物を適正に処理するために、産業廃棄物処理業者の資質の向上、産業廃棄物に関する知識の普及・啓発並びに産業廃棄物の適正処理及び再生利用に関する調査研究、研修、情報の収集等を推進します。
これらの諸活動を主目的として、(財)栃木県環境保全公社及び(社)栃木県産業廃棄物協会が組織されており、それぞれ調査研究活動や研修会等により、産業廃棄物の適正な処理及び再生利用等に向けて活動を展開しています。
県は両団体の運営管理について適正な指導監督を行うとともに、諸事業について必要な援助を行っています。
(5) ダイオキシン削減対策
栃木県環境保全資金の融資対象に産業廃棄物処理施設を追加して、処理業者が設置する焼却施設の改造等を支援しています。
(6) 土砂等適正処理事業
11年4月施行の「土砂等の埋立て等による土壌の汚染及び災害の発生の防止に関する条例」に基づき、県内における土砂等の埋め立ての適正処理を推進しています。
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