(1) 許可工場等に対する規制
公害関係法令等において公害発生のおそれのある施設を「特定施設等」として定め、施設の種類・構造等所定の事項について届出を義務づけている。
なお、「栃木県公害防止条例」ではこれらの施設のうち、排水量の多い等の工場・事業場を「許可工場等」と定め、許可制度による規制を行ってきたが、環境技術の向上、環境法令の充実などにより、同条例の全部改正において廃止した。
16年度における許可工場等の設置及び変更許可件数は、37件である。(表6−7)
表6−7 栃木県公害防止条例に基づく許可件数
区分 |
設置 |
変更 |
合計 |
15年度 |
16年度 |
15年度 |
16年度 |
15年度 |
16年度 |
汚水 |
7(1) |
5(1) |
42(1) |
22(2) |
49(2) |
27(3) |
ばい煙 |
0 |
1 |
9(2) |
9(2) |
9(2) |
10(2) |
計 |
7(1) |
6(1) |
51(3) |
31(4) |
58(4) |
37(5) |
(注)( )は、宇都宮市分の内数
(2) 新規立地事業場の事前協議
公害の未然防止及び環境の保全を図ることを目的として、昭和60年6月に「新規立地事業場公害防止事前指導要綱」を定めた。
この要綱は、9,000u以上の敷地面積を有する工場又は科学技術に関する試験研究を行う事業場を新たに設置しようとする事業者に対し、あらかじめ公害防止施設整備計画等について事前協議を行うことを義務づけている。
16年度の事前協議件数は、18件(工場17件)である。(表6−8)
表6−8 事前協議件数及び立地企業数
年度 |
事前協議件数 |
工場 |
科学技術に関する
試験研究を行う事業場 |
合計 |
12 |
9 |
1 |
10 |
13 |
6 |
0 |
6 |
14 |
3 |
0 |
3 |
15 |
11 |
1 |
12 |
16 |
17 |
1 |
18 |
(注) 事前協議件数は当該年度に協議終了となった件数
(3) 公害防止協定
公害防止協定は、公害関係法令等の規制とは別に、市町村あるいは地域の自治会等と新たに立地しようとする工場又は既存の工場等が、当事者間の合意に基づき公害を防止するため締結するものである。
「栃木県生活環境の保全等に関する条例」では、事業者に協定締結の努力義務を負わせている。公害防止協定の円滑な締結については、「公害防止協定の手引」による指導を行っている。
(1) 環境保全資金の融資
事業者には、「栃木県環境基本条例」に定めるように、その事業活動に伴って生ずる公害を防止し、又は自然環境を適正に保全するために必要な措置を講ずる責務がある。しかし、公害防止のための施設整備や工場移転には多額の資金を必要とすることから、特に経営基盤の弱い中小企業者等にとってはかなりの負担となる。
このため、県では、中小企業者や中小企業団体が公害防止のための施設整備や工場移転をする資金の調達を円滑にするため、昭和45年度に融資制度(公害防止資金)を創設し、融資を行ってきた。
また、9年度からは「栃木県環境保全資金」と改称し、さらに15年度からはディーゼル粒子状物質除去装置として、DPFに加え酸化触媒の装着に係る経費についても対象に加えた。
栃木県環境保全資金制度の概要(16年度)は次のとおりである。
ア 貸付金(新規分) 10億円
イ 対 象 中小企業者、中小企業団体
ウ 末端利率 年1.70%(16年4月1日現在)
エ 貸付期間 10年以内(うち元金の据置期間2年以内)
ただし、1千万円未満については7年以内
(うち元金の据置期間1年以内)
オ 貸付限度額
・ 施設の設置等:経費の90%以内で 100万円以上1億円以下
・ 環境保全事業:経費の90%以内で 100万円以上1億円以下
・ 工場等の移転:経費の90%以内で 200万円以上1億5千万円以下
カ 預託先 栃木県信用保証協会
16年度の融資状況(認定額の実績)は、予算枠10億円に対して認定件数5件、認定額1億7,630万円である。なお、この5件の内訳は水質汚濁2件、廃棄物焼却施設1件、その他2件である。
(表6−9、図6−6)
17年度においても、新規貸付分として10億円を予算化し、融資を行う。
表6−9 環境保全資金融資状況〔16年度認定実績〕
(単位:千円)
対象種別 |
設置(改善) |
移転 |
合計 |
件数 |
金額 |
件数 |
金額 |
件数 |
金額 |
水質汚濁 |
2 |
57,300 |
|
|
2 |
57,300 |
廃棄物焼却施設 |
1 |
46,900 |
|
|
1 |
46,900 |
その他 |
2 |
72,100 |
|
|
2 |
72,100 |
合計 |
5 |
176,300 |
|
|
5 |
176,300 |
図6−6 環境保全資金の種類別融資件数及び認定額

(2) 講習会等の開催
環境保全に関する普及啓発のため、工場・事業場に対し、講習会を実施した。(表6−10)
17年度も引き続き、工場・事業場における環境保全への取組を推進するための講習会を実施する。
表6−10 講習会の実施状況
実施年月日 |
対象(出席者数) |
開催場所 |
内 容 |
16年6月30日 |
工場・事業場関係
者(136名) |
宇都宮市 |
(1)VOC排出規制について
(2)PRTR法について |
17年1月28日 |
工場・事業場関係
者等(169名) |
宇都宮市 |
(1)化学物質管理とリスクコミュニケーション
(2)栃木県の化学物質対策について |
17年2月1日 |
一般県民(39名) |
宇都宮市 |
(1)化学物質情報の収集とリスク
コミュニケーションとは何か
(2)栃木県の化学物質対策について |
(3) 環境保全巡回事業
この事業は、公害発生施設など技術的に問題のある又は環境管理システムの導入を図ろうとしている中小企業者等に対して、専門家を派遣し個別的な技術指導を行うものであり、16年度は、悪臭・騒音関係1件の内容について実施した。
17年度においても、技術的に問題のあるなどの中小企業者等に対し、環境保全巡回事業を実施する。
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