(1) 県及び市町村における公害苦情の取扱状況
ア 公害苦情の受理件数
16年度に県及び市町村が受理した苦情件数は1,758件で、そのうち、大気汚染、水質汚濁、土壌汚染、騒音、振動、地盤沈下及び悪臭のいわゆる「典型7公害」の苦情件数は1,065件(60.6%)で、前年度に比べて63件減少した。
また、廃棄物の不法投棄、害虫等の発生、動物の死骸放置など、「典型7公害以外」の苦情件数は693件(39.4%)で、前年度に比べて123件増加した。(図6−3、図6−4)
図6−3 公害苦情受理件数

図6−4 公害の種類別苦情件数の推移

イ 発生源別の苦情件数
16年度の公害苦情件数を発生源(場所)別にみると、野焼きが最も多く、次いで廃棄物投棄、家庭、その他、自然系、産業排水・漏洩等、産業用機械作動の順となっている。(図6−5)
図6−5 発生源別苦情件数
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ウ 公害苦情の処理状況
16年度に処理した苦情件数は1,806件である。その内訳は、16年度に新規に受け付けた件数が1,758件、前年度以前から繰り越された件数が48件であった。
苦情の処理状況をみると、受付機関が直接処理した件数が1,646件、警察や国等の他の機関へ移送した件数が35件、翌年度へ繰り越した件数が68件であった。(表6−2)
表6−2 公害苦情の受付件数及び処理件数 (単位:件)
受 付 の 状 況 |
処 理 の 状 況 |
総 数
(受付件数) |
当 該 年
度 受 付 |
前年度以前
からの繰越 |
総 数
(処理件数) |
直接処理 |
他へ移送 |
翌年度
へ繰越 |
その他 |
1,806 |
1,758 |
48 |
1,806 |
1,646 |
35 |
68 |
57 |
一方、典型7公害のうち、直接処理した苦情について、苦情の処理方法(解決のために力を入れた手段又は有効であった手段)別にみると、「発生源側に対する行政指導」が694件(典型7公害の直接処理件数の74.6%)と最も多く、次いで、「原因の調査」が131件(同14.1%)、「申立人に対する説得」が33件(同3.5%)、「当事者間の話合い」が23件(同2.5%)などであった。(表6−3)
表6−3 典型7公害の苦情処理のために行政が採った措置件数
|
総 数 |
発生源側
に対する
行政指導 |
原 因 の
調 査 |
当事者間
の話合い |
申立人に
対する
説 得 |
その他 |
処理件数(件) |
930 |
694 |
131 |
23 |
33 |
49 |
構成比(%) |
100 |
74.6 |
14.1 |
2.5 |
3.5 |
5.3 |
また、典型7公害のうち、直接処理した苦情について、苦情の処理のための防止対策の有無をみると、「防止対策を講じた」が605件(典型7公害の直接処理件数の60.5%)「講じなかった」が204件(同20.4%)となっている。(表6−4)
表6−4 典型7公害の苦情処理のための防止対策の有無別件数
|
総 数 |
防止対策
を講じた |
講じな
かった |
不 明 |
処理件数(件) |
1,000 |
605 |
204 |
191 |
構成比(%) |
100 |
60.5 |
20.4 |
19.1 |
(2) 警察における公害苦情の取扱状況
ア 16年度中に栃木県警察本部及び栃木県内各警察署で受理した公害関係苦情件数は、883件(前年度比−911件)で、うち騒音に関するものが528件(前年度比−938件)と最も多く、全体の約60%を占め、次いで廃棄物に関するものが242件(前年度比+2件)で全体の約27%を占めた。(表6−5)
イ 騒音苦情の発生源を種類別にみると、カラオケ音が242件(前年度比+58件)と、全体の約
46%を占めた。(表6−6)
表6−5 警察における公害苦情受理件数

表6−6 騒音苦情発生源別受理件数

典型7公害に係る紛争について、あっせん、調停及び仲裁を行うため、「栃木県公害紛争処理条例」第2条に基づき、「栃木県公害審査会」(委員15人)が設置されている。
なお、昭和45年度の「栃木県公害審査会」設置以来、16年度までに8件(参加申立を含む。)の調停申請がなされた。
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