I 環境への負荷の少ない循環型の社会づくり

3 土壌環境・地盤環境の保全

1. 土壌環境・地盤環境の状況

1 土壌環境の状況

土壌の汚染に関する環境基準は、カドミウムなど28項目が定められており、また、農用地については、「農用地の土壌の汚染防止等に関する法律」において特定有害物質カドミウムひ素)の基準が定められています。

県では、農用地の土壌環境の状況を把握するため、11年度から14年度にかけて「土壌機能モニタリング調査」を実施しましたが、特定有害物質はすべて基準値以内であり、土壌汚染は見られませんでした。

2 地盤環境の状況

県南地域の平野部は、地下水を汲み上げすぎると地盤沈下が起こりやすい地質になっています。夏季や渇水時期など地下水位が低下する時期には地盤の沈下量が大きくなり、地下水位が回復すると地盤も回復しますが、地盤は完全には回復しない傾向にあるため、その差が年間の地盤沈下量となります。

17年度は、野木町や小山市などで沈下傾向がみられましたが、2cm以上の沈下が観測された地点はありませんでした。

2. 土壌環境・地盤環境保全対策

1 土壌汚染対策の推進

15年2月施行の「土壌汚染対策法」に基づき、特定事業所への立入検査の実施など、特定有害物質カドミウム等25物質)による土壌汚染の対策を推進しています。

また、「栃木県土砂等の埋立等による土壌の汚染及び災害の発生の防止に関する条例」に基づいて、県内における土砂等の埋立の適正処理を推進しています。

2 地盤沈下防止対策の推進

地盤沈下のしくみ

「栃木県地下水揚水施設に係る指導等に関する要綱」に基づき、揚水施設の設置に係る届出や地下水の年間採取量の報告を指導しています。また、県南地域の大規模地下水採取者に対しては、事前協議制度により、節水や代替水源への転換などの指導を行っています。

また、小山市、野木町及び藤岡町の5観測所において、地下水位と地盤沈下の状況をテレメータシステムによりリアルタイムで観測しています。

その結果をもとに、地下水位の著しい低下がみられたときには、工場、水道事業者、土地改良区関係者などに対して、点検要請、節水要請を行っています。

栃木県地盤変動等量線図
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