4 騒音・振動・悪臭の防止
騒音・振動・悪臭の状況
従来、騒音や振動は自動車、鉄道、航空機、工場、建設作業、悪臭は工場・事業場などが主な発生源でしたが、ライフスタイルの多様化などに伴い、身近な生活からも発生するようになっています。
1 騒音の状況
騒音に関する環境基準は、地域の類型や時間帯によって区分されています。また、特に新幹線と航空機については別個に環境基準が定められています。
一般地域(道路に面する地域以外の地域)について、県内33地点で調査した結果、昼夜とも環境基準を達成したのは75.8%(25地点)でした。道路に面する地域における達成率は、自動車騒音常時監視の結果、83.7%(昼夜とも達成:全55,946戸中46,809戸)でした。
新幹線鉄道騒音については、沿線14地点で調査しましたが、環境基準が達成されたのは1地点だけでした。
2 振動の状況
振動については、道路交通振動に関する道路管理者・県公安委員会への要請限度や、新幹線鉄道振動対策に係る国の指針値が定められています。
道路交通振動の実態を主な国道・県道等の15地点で調査したところ、すべての地点で要請限度を下回りました。
新幹線鉄道振動は、沿線7地点で調査した結果、指針値を超えた地点はありませんでした。
3 悪臭の状況
17年度に県や市町村が受理した公害苦情のうち、悪臭関係の苦情件数は199件で、全公害苦情件数の13.0%を占めています。
騒音の大きさの例 | 振動の大きさの例 |
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2 騒音・振動・悪臭防止対策
1 騒音・振動対策の推進
工場等から発生する騒音・振動のために、法律や条令による規制や立入検査による指導を実施しているほか、中小企業者等による騒音・振動防止施設の設置・改善に対し、融資制度による支援を行っています。
近隣騒音については、「栃木県生活環境の保全等に関する条例」において、商業宣伝を目的とする拡声機の使用や、飲食店や娯楽場等の深夜営業騒音の規制を行っています。
また、東北縦貫自動車道や東北新幹線に関する騒音については、関係都県や市町村と連携して、管理者に対して騒音低減対策を要請しています。
2 悪臭防止対策の推進
「悪臭防止法」では、工場・事業場における事業活動に伴い発生するにおいのうち、アンモニア、アセトアルデヒドなどの22物質を特定悪臭物質として、地域を指定して規制を行っています。
現在では、低濃度多成分による複合臭気に対応するため、従来の機器を用いた分析・測定方法に加え、人間の嗅覚を用いた測定法も採用できるようになっており、県では市町村への普及に努めています。
また、工場などに対する立入検査による指導や中小企業者等による悪臭防止施設の設置・改善に対し、融資制度による支援を行っています。
3 良好な音・かおり風景の保全
無駄な音、迷惑がられる音である騒音を低減し、好ましい音環境を実現しようとする取組の一つとして、環境省では「残したい“日本の音風景100選”」を認定しており、県内では「大平山あじさい坂の雨蛙(栃木市)」がこれに選ばれています。
また、良好なかおりとその源となる自然や文化を保全・創出しようとする地域の取組を支援するために環境省が認定している「かおり風景100選」には、「今市竜蔵寺の藤と線香(日光市)」、「日光霧降高原のニッコウキスゲ(日光市)」及び「那須八幡のツツジ(那須町)」が選ばれています。