I 環境への負荷の少ない循環型の社会づくり

5 化学物質対策の推進

1 ダイオキシン類対策

「ダイオキシン類対策特別措置法」に基づき、大気、水質及び土壌の汚染状況について、常時監視を行っています。

17年度は、大気16地点、水質89地点、河川底質28地点及び土壌30地点でダイオキシン類の測定を行いましたが、すべての地点で環境基準が達成されていました。

また、工場・事業場への立入検査を実施しており、17年度は138工場(宇都宮市分4工場を含む)に対して立入検査を実施し、ダイオキシン類の排出削減等に関する指導を行いました。

2 環境ホルモン対策

内分泌攪乱化学物質(いわゆる環境ホルモン)は、野生生物の生殖異常などに関する報告はありますが、人間の健康に与える影響等については科学的に未解明な部分が多く、これまでのところ環境基準も設定されていません。

17年度は、4-t-オクチルフェノール、ノニルフェノール及びビスフェノールAについて、県内河川の45地点において水質における環境ホルモンの調査を実施しました。その結果によると、ほとんどが検出下限値未満であり、検出された地点についても、全国の調査結果と比較して低い値でした。

3 化学物質管理対策

1 背景等

11年7月、「特定化学物質の環境への排出量の把握及び管理の改善の促進に関する法律」(化学物質排出把握管理促進法)が公布されました。

この法律では、354種の化学物質(第一種指定化学物質)を取り扱う一定規模以上の事業者が、1年間に環境中に排出した量及び移動量を行政機関に届け出ることになっています(PRTR制度)。国はそれを集計し、家庭や自動車などからの排出量の推計と合わせて、公表することとしています。

2 PRTR制度による排出量の把握

県内における対象事業者からの第一種指定化学物質の届出件数は753件で、届出排出量と推計量を合わせた16年度の総排出量は16,098tでした。

発生源別に内訳を見ると、事業所(製造、販売、サービス業、農業等)からの排出割合が77%と最も多く、家庭からは7%、自動車等からは16%となっています。

また、総排出量に占める届出排出量の割合は59%でした。

発生源(届出・推計)排出量(16年度)

リスクコミュニケーション

PRTRデータ等を利用して、県民と企業、そして行政が化学物質のリスクに関する情報を共有し、理解と信頼関係を築き、効果的にリスク低減を図る「リスクコミュニケーション」を進めることが重要です。

県では、事業者による自主的な取組を進めるとともに県民の化学物質に対する理解を深めるために、セミナー等を開催し、リスクコミュニケーションの考え方を普及しています。

環境リスク管理とリスクコミュニケーション

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