2章 エネルギーを取り巻く現状と課題

第2 栃木県のエネルギーに関する地域特性
 1.栃木県の地域特性
(1) 自然・地理的条件
ア.気候概況
 本県は、関東地方北部に位置する内陸県で、東京からは60〜160kmの範囲にあります。面積は6,408.28km2(全国20位)で、東西約84km、南北約98kmとほぼ楕円形をなしており、全国面積の約1.7%(59分の1)を占め、関東の都県中、最も広い県です。

イ.気温
 宇都宮地方気象台の気温・降水量のデータを東京のものと比較すると、ほぼ同様の傾向を示しますが、年平均気温については宇都宮13.0℃に対して東京15.6℃と宇都宮のほうが2.6℃低くなっています。

図表13 月別平均気温(平年値)

(資料) 気象庁観測平年値

ウ.冷暖房日数・冷暖房デグリーデー
 本県は関東地方の北部に位置し、関東地方の中では若干寒冷な気候を有しています。冷房日数(日平均気温が24℃以上の平年の初日から終日の期間の日数)及び暖房日数(日平均気温が10℃以下の平年の初日から終日の期間の日数)を東京と比較すると、冷房日数は少ないものの、暖房日数は東京よりも28日長くなっています。

エ.日照時間
 宇都宮における平均日照時間は1,942時間となっています。これは、日本統計年鑑において記載されている全国の主要な観測地点47カ所の中で第19位となっています。

オ.風況
 1998(平成10)年における県内の各観測所における平均風速ならびに最多風向は、以下のとおりです。年間平均風速は、宇都宮(3.0 m/s)が最も強く、次いで日光(2.8 m/s)、那須(2.5 m/s)の順となっています。

(2) 社会的条件
ア.人口・世帯数
 本県の人口及び世帯数は、200万9,120人(男:999,136人 女:1,009,984人)、65万9,087世帯(いずれも1999(平成11)年10月現在)となっており、人口は全国の約1.6%(第20位)を占めています。

イ.住宅
 1998年10月現在における本県の全住宅数(戸数ベース、居住世帯なしの住宅を含む。)は725.1千戸となっており、全国の住宅数の約1.4%を占めています。本県の住宅を建て方別に見ると、一戸建てが約77%を占めており、東京圏の各都県に比べ、住宅に占める一戸建ての割合が高いことが分かります。また、一住宅当たりの延べ床面積は103.54uとなっており、全国値91.92uよりも広くなっています。

ウ.輸送構造等
 県内旅客の輸送機関別利用状況の推移を見ると、1970(昭和45)年度に約30%であった自家用車の利用者が1975(昭和50)年度には50%を超え、その後も増加を続け、1998(平成10)年度には約88%を占めるようになりました。その一方で、公共交通機関の利用者は減少傾向にあり、特にバス利用者については、1970(昭和45)年度には約36%を占めていたものが、1998(平成10)年度には約2%に減少しています。

 本県の自動車保有台数は年々増加傾向にあり、1997(平成9)年度で1,456千台となっています。これは、全国の自動車保有台数(72,856千台)の約2.0%を占めています。 
 また、本県の特徴として、自家用乗用車の保有台数(491.2台/千人)が全国値(383.8台/千人)に比べて高いことがあげられます。これは、群馬県(524.0台/千人)に次いで、全国第2位となっています。

エ.廃棄物
(ア) 一般廃棄物
 本県におけるごみの総排出量は、1997(平成9)年度で711千トンとなっており、1995(平成7)年度以降、若干ではありますが増加傾向にあります。
また、本県におけるごみの1人1日当たり排出量については、1996(平成8)年度で956g/人・日となっており、全国値(1,110g/人・日)よりも少なくなっています。

図表23 ごみ総排出量および1人1日当たりの排出量の推移

(イ) 産業廃棄物
 1997(平成9)年度における本県の産業廃棄物排出量は641万トンとなっており、種類別では、汚泥(41%)、動物のふん尿(35%)、建設資材(12%)、鉱さい(6%)、廃プラ類(2%)の順となっています。

図表24  産業廃棄物の種類別排出量

(3) 経済条件
ア.県内総生産
 本県の1997(平成9)年度における県内総生産は8兆1,303億円であり、全国の約1.6%を占めています。

イ.産業構造
 本県の産業構造を1997(平成9)年度の県内総生産の構成比から見ると、第1次産業が2.4%、第2次産業が45.3%、第3次産業が56.0%となっています。全国と比較すると、第2次産業、特に製造業の割合が高いのが特徴となっています。

 
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