2章 エネルギーを取り巻く現状と課題

第2 栃木県のエネルギーに関する地域特性
 2.栃木県におけるエネルギー需給構造
(1) 栃木県のエネルギー需要
ア.栃木県の最終エネルギー消費の推移
 栃木県における1997(平成9)年度の最終エネルギー消費量は、52.8兆kcal (原油換算:570.6万kl)となっており、全国の最終エネルギー消費量の1.4%を占めています。最終エネルギー消費の増加率は、1990(平成2)年から1997(平成9)年度の7年間で22.8%の伸びを示しており、全国の最終エネルギー消費量の増加率13.4%を大きく上回る傾向となっています。
 また、1997(平成9)年度の県民1人当たりのエネルギー消費量は、全国と比べて少ないものの、1990(平成2)年度から1997(平成9)年度までの伸び率(18.8%)は、全国の伸び率(11.1%)を上回る高い伸びを示しています。
 部門別の最終エネルギー消費量の割合を見ると、1997(平成9)年度では、産業部門が47.8%と最も多く、次いで運輸部門32.9%、民生部門(業務系)10.1%、民生部門(家庭系)9.2%の順となっています。全国と比較すると、運輸部門が32.9%(全国24.6%)と高くなっているのが特徴です。

イ.栃木県の最終エネルギー消費の将来推計
 県内の最終エネルギー消費の将来推計では、今後、さらに新たに追加的な対策が行われない場合、2010(平成22)年度には、1997(平成9)年度からさらに20.5%増の63.7兆kcal(原油換算687.7万kl)になると推計されます。これは、2010年度における全国の消費量の約1.5%に相当します。
 また、部門別では、産業部門や民生部門(家庭)などが大きく増加することが予想されます。

(2) 栃木県におけるエネルギーの生産状況
 県内で生産されている主なエネルギーは水力発電によって発電される電力です。電気事業用の水力発電所は32ヶ所、最大出力の総計は294.4万kWとなっています。また、県内における発電量は1998(平成10)年度で29.5億kWhとなっており、県内の電力使用量の18.4%を占めています。残りの約8割の不足分については、福島県で発電された電力によってまかなわれています。

 
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