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本県は、日光や那須の雄大な山岳地帯に源を発する那珂川、鬼怒川、渡良瀬川をはじめとする多数の河川や大小の湖沼、湧水や地下水など、豊かな水環境に恵まれている。
(1)計画の役割
栃木県環境基本計画(11年3月)に基づき、本県の水環境を総合的かつ体系的に保全、創出するための基本となる計画である。 (2)計画の期間
計画の期間は、16年度から25年度までの10年間とし、必要に応じて見直しを行うこととしている。
(4)計画の基本目標 水環境保全の理念の実現に向けて、水環境を構成する水質、水量、水生生物、水辺地という構成要素を全体として包括的にとらえ、本県の経済社会の持続的な発展と豊かな水環境の恵みを将来にわたって受け続けていくことを可能とするため、私たちの目指す4つの基本目標を掲げている。 ○基本目標1 きれいで安全な水を確保する 水質の保全は、県民の健康やくらしを良好に保持していく上で不可欠の要素である。このため、可能な限り水環境への汚濁物質負荷量を低減していくとともに、各般の取組を推進し、きれいで安全な水を将来に引き継いでいくことを目指す。 ○基本目標2 豊かな水を育む流域を保全する 私たちは、自然の水循環から多くの恩恵を享受している。このため、日常生活や事業活動において水の有効利用に取り組んでいくととともに、水源のかん養に重要な役割を果たしている森林、農地等の保全に努め、また、都市化の進行等により雨水の浸透域の減少した市街地等においても地下水のかん養に配慮したまちづくりを目指す。 ○基本目標3 生き物が息づく水辺を守り、人々とのふれあいを築く 水辺は、多様な生物の生育・生息場所であるとともに、人々の心にやすらぎとうるおいを与えてくれる場所である。このため、地域固有の動植物や生態系を保全しつつ社会基盤を整備し、次世代においても人々が水環境を身近なものと感じ、気軽に水と親しむことのできる場所として、地域の特性に配慮した水辺づくりを目指す。 ○基本目標4 みんなが水環境づくりに参加する体制をつくる 本県の良好な水環境を保全していくため、県民一人ひとりが地域の水環境に関心と愛着を持ち、水環境への負荷の少ない活動を進めていくことが必要である。このため、水環境を学ぶ機会の充実や水環境の保全活動に関する体制の整備に努め、県民、事業者、民間団体、行政等のすべての主体の参加と協働により、流域全体を考えながら足下から行動していくことを目指す。 (5)流域圏別の施策の展開方向 水循環系の基本となる流域を単位として、地域の特性に配慮した施策展開を図ることが重要であることから、県内を3つの流域圏に分け、それぞれの特性を生かした施策の方向を示している。 ○那珂川流域圏 『清流那珂川の保全と活用』 那珂川水系の良好な水環境を保全していくため、生活排水対策の一層の推進を図る。また、畜産が多い地域であることから、家畜排せつ物を適切に管理するとともに堆きゅう肥としてのリサイクルを促進する。 ○鬼怒川・小貝川流域圏 『水環境保全の先導的モデルをつくる』 市街地を流れる河川や水路等の水質を改善するため、生活排水対策をより一層推進する。 ○渡良瀬川流域圏 『地域活力を生かした水文化の創造』 生活排水対策をより一層推進し、渡良瀬川水系の水質改善を図る。
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