平成17年度 環境の状況及び施策に関する報告書

第3部 人と自然が共生する潤いのある地域づくり
 


第2章 都市環境の保全

第2節 都市環境保全対策


都市公園の整備

 都市公園は、都市に緑とオープンスペースをもたらすことによって都市環境を良好なものとするとともに、児童、青少年の健全なレクリエーションの場や市民のコミュニケーションの場を提供するばかりでなく、大気汚染、騒音等都市公害を緩和し、災害時の避難場所として活用されるなど、多目的な機能を有する基幹的な生活基盤施設である。
 本県では、17年3月末において、1,658か所2,394.07haの都市公園が整備されており(表3−2−1)、都市計画区域内の1人当たり公園面積は12.4uが確保され、全国平均の8.7u(16年3月末)を大きく上回る整備水準となっている。
 17年度も、都市環境の改善や公害、災害発生の緩和、レクリエーション需要等の多様なニーズに対応する都市公園の整備を促進するとともに、既開設公園についての適正な維持管理を推進する。

表3−2−1 都市公園整備状況(16年度末)

種     類 箇所数 面 積(ha) 種    類 箇所数 面 積(ha)


公 
住 



公 
街区公園 1,313 193.98 特殊公園 12 82.25
近隣公園 107 177.98 広域公園 4 360.60
地区公園 59 304.82 緩衝緑地 12 35.77
小計 1,479 676.78 都市緑地 79 69.57





総合公園 24 321.52 広場公園 4 0.68
運動公園 35 845.31 緑   道 9 1.59
小計 59 1,166.83 合   計 1,658 2,394.07

 

都市緑化対策

 都市における緑は、大気の浄化、騒音等公害の緩和に寄与するとともに、住民に安らぎと憩いをもたらし、都市生活上欠くことのできない重要な役割を担っている。
 このため、都市緑化推進の重要性に鑑み、県(5か所)、宇都宮市及び足利市でそれぞれ「緑の相談所」を設置し、植栽樹種の設定、植栽方法、病虫害防除等に関する相談、各種緑化催し物の開催を行い都市緑化意識の高揚、植物知識の普及・啓発を図っている。(表3−2−2)
 都市緑化には、行政による各種事業の推進はもとより、県民挙げての協力により所期の目的が達成されることとなるため、総合的な施策の実施が望まれる。

表3−2−2 緑の相談所の利用状況(16年度)

団体名 都市公園名 相談 講習会 展示会
回数 利用者 回数 利用者
栃木県 井頭公園 772件 30回 518人 39回 38,047人
中央公園 537 51 1,504 36 28,847
那須野が原公園 257 25 645 43 19,201
みかも山公園 380 34 436 25 20,969
日光だいや川公園 407 32 798 36 15,546
宇都宮市 平出工業団地公園 1,627 46 1,799 3 812
足利市 有楽公園 900 18 632 2 5,500
合計 4,880 236 6,332 184 128,922

 

街路等の整備

 都市の骨格を形成する幹線街路等の都市活動を支える道路網の整備を、17年度も積極的に推進する。特に、都市計画道路宇都宮水戸線(宇都宮市)、小山栃木都賀線(栃木市)等の主要放射・環状道路の整備を推進する。
 また、道路空間の有効活用、都市景観の向上、都市防災機能の改善等を図るため、嘉多山中線(佐野市)等の電線共同溝整備事業を推進する。
 なお、街路樹の植栽は、都市美観構成上の一要素として重要なものであると同時に、県民に緑陰の提供、防じん、防風、防煙の効果、火災の延焼防止、都市生活者の疲れた神経の緩和作用及び植物の同化作用による空気の清浄化、涼化作用等の多様な役割を果たしている。
 16年度末における街路樹の整備状況は、都市内(市街化区域、用途地域内)における都市計画道路の約39%の区間で、マロニエや夏椿等の高木をはじめとした植栽が施されている。

風致地区

 風致地区は、都市計画法に定められている地域地区の一つで、都市計画区域内において、樹林地、水辺地等の比較的良好な自然的景観と一体となった史跡名勝などを含む区域の環境を保全し、良好な都市環境を維持することを目的として定める地区である。
 風致地区内では、自然環境等をできるだけ保全し、良好な環境を維持するため、県や市町村が制定する「風致地区条例」に基づき、建築物の建築、土地形質の変更、木竹の伐採及び土砂の採取等、風致の維持に影響を与える一定の行為を制限している。
 16年度末現在、本県では、宇都宮市をはじめ5市1町において14地区、面積にして約1,623.45haが風致地区に指定されている。


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