2 多様な自然環境の保全
1 自然環境の状況
本県には、ラムサール条約湿地である戦場ヶ原等の「奥日光の湿原」をはじめとして、世界に誇れる日光国立公園や地域特性の豊かな8つの県立自然公園があり、総面積は約13万haで県土の約21%を占めています。
また、自然公園区域以外でも、優れた自然や緑地については自然環境保全地域や緑地環境保全地域として保全されています。
さらに、良好な都市環境の提供や都市公害の緩和、災害時の避難場所など、多目的な機能を有する基幹的な生活基盤施設である都市公園について、県内では、17年度末で1,708か所2,444.25haが整備されています。

2 自然環境保全対策
1 優れた自然の保全
「奥日光の湿原」が本県で初めてラムサール条約登録湿地となったことを受け、ラムサール条約登録記念事業に参画しました。
奥日光地域については、貴重な自然環境を保全するため、低公害バスの運行、植生回復対策、移入植物の除去等に取り組んでいます。
また、自然(緑地)保全地域について、自然監視員による巡視、案内標識の整備、土地の形質変更の規制などにより、保全に努めています。
2 平地林・農地の保全
より多くの県民が平地林等に関心を持ち、住民参加による積極的な保全活動が展開されるよう普及啓発を行ったほか、市町村が実施する平地林保全対策の取組を支援しています。
また、農業農村のもつ豊かな自然、伝統文化等の多面的な機能を再評価し、豊かな生態系や美しい農村景観・伝統的農業施設等の保全・復元等を行っています。

里山の風景(大田原市尻高田地区の棚田)
3 都市地域の自然環境の保全
都市地域の自然環境の適正な保全・確保を図るために、都市公園の整備を推進するとともに、「緑の相談所」を設置し、都市緑化意識の高揚や、植物知識の普及・啓発を行っています。
4 ビオトープの保全・創造
農村地域は、農業生産及び生活の場であるとともに、その豊かな自然環境は多様な生物の生活の場でもあります。そこで、環境に恵まれた農村空間(エコビレッジ)を形成することを目的として、水生生物保全のための施設整備、昆虫・野鳥等のための植栽等の整備を実施しています。
5 自然公園の適正な管理
日光国立公園や8つの県立自然公園における行為規制の適正な運用、自然公園美化清掃活動などにより、自然公園の適正な管理に努めるとともに、自然公園指導員によるマナー指導や、ビジターセンターによる情報提供を行い、適正な利用促進に取り組んでいます。