第3部 計画等の進捗状況

第2章 各種計画の概要及び進捗状況

第2節 栃木県水環境保全計画

1 計画の概要等

(1) 計画改定の趣旨

本県は、日光や那須の雄大な山岳地帯に源を発する那珂川、鬼怒川、渡良瀬川をはじめとする多数の河川や大小の湖沼、湧水や地下水など、豊かな水環境に恵まれている。
 この良好な水環境を保全していくため、本県が目指す水環境の理念及び目標を明らかにし、水環境の保全に関連する施策を総合的かつ体系的に展開していくため、16年3月に「栃木県水環境保全計画」を策定した。

(2) 計画の概要

ア 計画の位置づけ
県民、事業者、民間団体、行政等のすべての人々が、本県の水環境を保全するため、一緒になって考え、行動していくための指針となるものである。
イ 計画の期間
16(2004)年度〜25(2013)年度の10年計画

2 計画の進捗状況

基本目標1 きれいで安全な水を確保する

【現状と今後の取組方向】
  • 公共用水域環境基準BOD)達成率は、16年度に81%と基準年より低下したが、17年度は基準年の達成率まで回復した。さらに、H18年度は94%と大きく向上したが、H19年度は84%と基準年より低下した。今後も引き続き、発生源対策や河川の浄化などにより、達成率の向上を図る。
  • 19年度における生活排水処理人口普及率は74.3%で、18年度に比べて1.9%増加したものの、全国平均に比べ普及が遅れており、今後も、栃木県生活排水処理構想に基づき、市町村と協力して、下水道等の整備など生活排水対策の推進を図る。
  • 水道普及率については、目標を達成しているものの、全国平均97.3%を下回っており、更に普及促進に努める必要がある。
【目標達成状況の把握に関する指標】
指標名 基準年 現 況 目 標
公共用水域環境基準BOD)達成率(%) H14 86 H19 84.4 H22 100
生活排水処理人口普及率(%) H14 63.2 H19 74.3 H22 81.0
※水道普及率(%) H14 92.6 H18 94.8 H22 94.1


基本目標2 豊かな水を育む流域を保全する

【現状と今後の取組方向】
  • 工業用水使用量に占める回収水の利用割合は、81.4%で、17年度と同じ数値であったが、基準年より2.9%増加しており、工業用水の有効利用が進んでいる。
  • 保安林の指定面積、水土保全林の整備面積の整備面積については、18年度と比べて減少しているが、引き続き、間伐や下草刈り等の実施により、水土保全林、平地林等の森林整備を図る。
    また、水土保全林エリアを中心に複層林施業や長伐期施業を促進し、豊かな水を育む多様な森林の育少している。
【目標達成状況の把握に関する指標】
指標名 基準年 現 況 目 標
工業用水使用量に占める回収水の利用割合(%) H13 78.5 H19 81.4 H25 上昇
保安林の指定面積(民有林)(ha) H14 66,423 H19 69,819 H22 76,00
水土保全林の整備面積(ha) H14 5,200 H18 3,570 H25 上昇
平地林の整備面積(ha) H13 28 H19 89 H19 90


基本目標3 生き物が息づく水辺を守り、人々とのふれあいを築く

【現状と今後の取組方向】
  • 多自然型川づくりの整備延長は、順調に増加し、潤いと安らぎのある水辺の創出が図られている。
  • 水辺生態系の健全性を確保していくための一つの指標であるメダカの生息地数が基準年から3カ所減少している。
【目標達成状況の把握に関する指標】
指標名 基準年 現 況 目 標
多自然型川づくりの整備延長(km) H14 150 H19 197 H22 226
自然公園等の地域指定面積(ha) H14 137,802 H19 139,104 H22 137,900
メダカの生息地数 H14 35 H19 32 H25 現状維持


基本目標4 みんなが水環境づくりに参加する体制をつくる

【現状と今後の取組方向】
  • 自然ふれあい活動指導者の登録者数は、順調に増加しており、今後も、多くの県民が自然とふれあい、水環境の保全活動に参加できる体制を整備する。
  • 緑化協力員(グリーンスタッフ)は、毎年、養成講習会を開催し、基準年から78名が新たに登録されており、目標達成に向けて引き続き養成・登録を進めていく。
  • 森林ボランティア会員の登録は、年々増加し、活動件数も基準年に比べ増加している。目標達成に向けて、今後も引き続き、全県的な森林づくりへの参加を促進していく必要がある。
【目標達成状況の把握に関する指標】
指標名 基準年 現 況 目 標
自然ふれあい活動指導者登録者数(人) H14 223 H19 286 H22 300
緑化協力員(グリーンスタッフ)の養成人数(人) H13 20 H19 98 H27 110
森林ボランティア登録制度による活動件数(件) H13 19 H19 32 H23 60

(備考)
本計画では指標について、「既存の個別計画により目標年度が定まっている指標については、当該計画が見直された時点で、本計画においても適宜変更していくものとする。」としており、指標名の頭(欄外)に※を付した指標については、栃木県環境基本計画(改定計画)等の別の計画において、指標の目標の値や年度の見直しがなされているため、本計画においてもこれに合わせ変更することとした。