第3部 計画等の進捗状況

第3章 栃木県の率先的な取組の状況

第1節 栃木県庁環境保全率先実行計画<二期計画>

1 計画の概要

(1)計画策定の趣旨

県では、12年3月に策定した「栃木県庁環境保全率先実行計画」に基づき、積極的に環境への負荷の低減 に向けて取り組んできたところであり、「京都議定書」の発効や「地球温暖化対策推進法」の完全施行、「栃 木県生活環境の保全等に関する条例」の制定等を受け、17年3月に「栃木県庁環境保全率先実行計画<二期 計画>」を策定した。
 なお、本計画は「地球温暖化対策推進法」第21条に基づく地方公共団体が自ら排出する温室効果ガス抑制 のための「実行計画」としての位置づけを担うものである。

(2)計画の概要

ア 計画の目的
・県は、自ら行う経済活動の中で生じる環境への負荷を低減するため、率先的に行動する。
地球温暖化対策の推進を図るため、県の活動に係る温室効果ガスの総排出量を把握し、その排出を抑制する。
・環境保全に向けて、職員の意識改革を図る。
・県が率先して実行することにより、県民や事業者、市町への波及効果を期待する。
イ 対象範囲
この計画の対象範囲は、次の組織が行う事務・事業とする。
栃木県行政組織規程に定める課・室・出先機関、企業局の課・出先機関、栃木県教育委員会事務局の課・室・出先機関、県立学校、人事委員会事務局、監査委員事務局、労働委員会事務局、議会事務局、栃木県警察本部・警察署
ウ 計画期間
17〜22年度
エ 数値目標
次の項目について数値目標を設定している。
(数値の基準年度は15年度、目標年度は22年度とする。)
項目 目標値
電気使用量
水道使用量
庁所燃料使用量
用紙使用量
公用車燃料使用量
廃棄物排出量
建設副産物のリサイル率
庁舎等における電気の総使用量を6%削減する。
庁舎等における水道水の総使用量を6%削減する。
庁舎等における燃料の総使用量を6%削減する。
コピー用紙・印刷機用紙の総使用枚数を10%削減する。
公用車燃料の総使用量の7%削減する。
庁舎等からの廃棄物の総排出量を20%削減する。
建設廃棄物の利用率を90%、建設発生土の利用率を90%とする。
温室効果ガス総排出量 温室効果ガスの総排出量を6%削減する。

2 19年度取組結果及び20年度全庁重点取組事項

(1)19年度取組結果について

ア 温室効果ガス総排出量は、18年度に対し1.2%の減少となった。
イ 主な増減要因は次のとおりである。
[主な増加要因]
・ 新庁舎の供用開始による庁舎面積の増加に伴う消費エネルギーの増加
・ 猛暑などの気象的要因による庁舎燃料の増加
[主な減少要因]
・ がんセンターにおけるESCO事業のサービス開始に伴う減少
・ 施設の廃止に伴う消費エネルギーの減少
・ 酪農試験場南那須分場の閉場準備等による家畜頭数の減少
・ 病院における麻酔方法の変更による笑気ガス使用量の減少
ウ 前年度との比較では、改善された項目は6項目で、水道使用量、用紙使用枚数、公用車燃料(ガソリン、軽油)の使用量、建設副産物建設廃棄物建設発生土)の利用率である。
表3−2−2 栃木県庁環境保全率先実行計画実績一覧表
      項目 単位 18年度 19年度 22年度目標値   
実績値 実績値 数値目標 基準年との比較
温室効果ガス総排出量
二酸化炭素換算)
t-CO2 59,446 58,739 59,040 6%削減
1 電気使用量 千kWh 86,616 87,057 83,192 6%削減
2 水道使用量 千m3 1,429 1,329 1,578 5%削減
3
 
庁舎燃料使用量
二酸化炭素換算)
t-CO2 16,195 16,469 18,358 6%削減
4

  
用紙使用量
使用枚数
古紙利用率

千枚

66,426
86.3%

64,914
83.0%

64,353
90%以上

10%削減
5

  
公用車燃料使用量
ガソリン
軽油



2,728
  240

2,714
 237

2,405
  307

7%削減
7%削減
6
 
廃棄物の排出量
県庁全体


2,070

2,147

1,985

20%削減
7

 
建設副産物利用率
建設廃棄物
建設発生土


(17年度)
97.3%
65.8%
(18年度)
99.5%
94.0%

90%以上
90%以上


 

図3−2−3 温室効果ガス総排出量

温室効果ガス総排出量(t−CO2/ 年)

図3−2−4 温室効果ガス種別排出割合(19年度)
図3−2−5 温室効果ガス排出要因割合(19年度)
(注) 農 業………家畜の飼養、畑作への施肥、水田の耕作から発生する一酸化二窒素、メタン
  車両HFC ……車両エアコンに封入されている代替フロン。エアコンの使用に伴い排出される。
  その他燃料…灯油、軽油を使用した動力機関の燃料(穀物乾燥機など)
  その他………病院で使用する笑気ガス(一酸化二窒素)など

(2)20年度全庁重点取組事項

率先実行計画<二期計画>4年目である20年度は下記の事項を「全庁重点取組事項」として、目標達成に向けた取組を行う。

  1. 電気使用量を抑制する
    1. OA機器等使用状況の見直し(プリンタ、コピー機等)
    2. 長時間席を離れる時及び昼休みは、パソコンの主電源を切る。
    3. 退庁時にはパソコン、プリンタ、コピー機のプラグをコンセントから抜く。
    4. 昼休みの消灯、残業時の不必要な照明の消灯
    5. 冷房使用時の室温を28℃以上、暖房使用時の室温を19℃以下とする。
  2. ガソリン使用量を抑制する
    1. 効率的なルート選択、出走台数の削減に努める。
    2. 公共交通機関や自転車の利用により自動車の走行量を抑制する。
    3. エコドライブを推進する(ふんわりスタート、アイドリングストップなど)
    4. タイヤ圧を点検・調整し、燃料消費の向上を図る。
    5. 自動車更新時には、低燃費・低公害車の購入に努める。
  3. ※ 網掛け項目は、【最重要】徹底事項とする