2章 エネルギーを取り巻く現状と課題

第1 国内外のエネルギー情勢
 1.世界のエネルギー需給動向
(1) 世界のエネルギー需要
 世界のこれまでのエネルギー需要量の伸びを見ると、人口の増加や経済成長などにより、1971(昭和46)年から1993(平成5)年までに世界全体で約1.6倍と大きく増加しています。
 IEA(国際エネルギー機関)によると、今後もエネルギー需要は、中国やASEAN諸国などのアジア地域を中心に増加し続け、2010(平成22)年には1993(平成5)年の約1.5倍になると予測しています。

(2) 世界のエネルギー供給構造
 石油については、世界の埋蔵量の64%が中東地域に集中しているため、供給安定性が低いと言えます。
 天然ガスは、石油ほど開発が進んでいないため、未発見埋蔵量が大きいと考えられ、特に、旧ソ連・東欧地域の潜在量が多いと言われています。
 石炭については、世界中に広く分布しているため、供給安定性は比較的高いと言われています。
 可採年数は、石油で41年、天然ガスで63年、石炭212年、ウラン72年と言われています。この可採年数は、新たな資源の発見や、採鉱技術の進歩などにより変動するものですが、エネルギー資源が有限であることに変わりはなく、省資源・省エネルギーを一層推進していくことが必要です。

図表4 世界のエネルギー資源埋蔵量

  石油 天然ガス 石炭 ウラン






確認可採埋蔵量 (R) 1998年末
1兆529百万バーレル
全世界
1998年末
146.39兆m3
全世界
1996年末
9,842億トン
全世界
1997年1月
439.3万トン
全世界
北米 8.1% 5.7% 26.0% 17.4%
中南米 8.5% 4.2% 2.3% 6.2%
西欧 2.0% 3.6% 7.5% 3.0%
中東 64.0% 33.8% 0.1% 0%
アジア・大洋州 4.1% 7.0% 29.7% 25.1%
アフリカ 7.2% 7.0% 6.2% 17.4%
旧ソ連・東欧 6.1% 38.7% 28.3% 31.0%
年生産量
(P)
1998年
73,105千B/D
1998年
2兆2,718億m3
1996年
46.5億トン
1996年
3.6万トン
可採年数
(R/P)
1998年
全世界 41.0年
1998年
全世界 63.4年
1996年
全世界 212年
1996年
全世界 72年(注)
出  所 BP統計(1999年) 世界エネルギー会議
(1998年に開催)
〈3年に1度〉
Survey of Energy
Resources 1998
OECD/NEA, IAEA
(1998年)

(出典)

総合エネルギー統計(平成11年度版)

(注)  

ウランについては、十分な在庫があることから年需要量(6.1万トン)を下回っている。このため、可採年数については、確認可採埋蔵量を年需要量で除した値とした。


 
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