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更新日:2023年5月22日

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プランクトンから見た湯ノ湖の水質

保健環境センターで実施している調査研究について、一部、紹介しています。

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プランクトンの調査

 プランクトンは、水中に含まれる栄養素を元に増殖し、pHや溶存酸素、有機物によるよごれ等の水質に影響を与えるほか、異常に増殖した場合には、魚類のへい死や異臭味の原因になるなど、利水へ影響を及ぼすことが知られています。

 特に、窒素、りんは、植物の成長に重要な栄養素であるのと同じように、植物プランクトン、ひいてはそれを餌とする動物プランクトンの増殖に大きな影響を与えています。また、植物がそうであるように、種類によって、好む比率があると考えられます。

 水環境部では昭和61(1986)年度~平成27(2015)年度の30年間にわたる湯ノ湖の水質調査結果から、プランクトンと水質の関係について調べました。

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調査結果

全窒素・全りんの比率とプランクトンの関係

 図1では、全窒素・全りん比(以下、N/P)との関係を示しました。また、各属名に左側にはその属のプランクトンが頻繁に優占した季節を記しています。

 植物プランクトンにおいては、アウラコセイラ属は、N/Pが比較的高値の場合は優占することが多く、ホシガタケイソウ属は、低値の場合に優占することが多いことがわかりました。

 一方で、動物プランクトンにおいては、今回解析をした属では、属による違いはみられませんでした。

 

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 図1 全窒素・全りん比とプランクトンとの関係

   

優占種の遷移

 植物プランクトン(表1)および動物プランクトン(表2)について、それぞれ各月の優占種をカレンダーのように作成したところ、プランクトンの出現状況が季節によって変わることがわかりました。

 また、近年の優占種は、それ以前とは異なる傾向を示していることから、今後のプランクトンの出現状況に注目していく必要があると考えられました。

 

  表1 植物プランクトンカレンダー(一部抜粋)    表2 動物プランクトンカレンダー(一部抜粋)

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        平成25(2013)年以前は珪藻類が優占することが            多かったが、平成26(2014)年以降では緑藻類が            優占している時期が多い。

          平成25(2013)年以前は鰓脚亜綱や輪虫綱が 優占           していることが多かったが、平成26(2014)年以            降では橈脚亜綱が優占している時期が多い。

 

 この調査研究について興味を持っていただけたら、さらに詳しい内容を実績(年報)に掲載していますので、ぜひそちらもご覧ください。

 

お問い合わせ

保健環境センター 水環境部

〒329-1196 宇都宮市下岡本町2145-13

電話番号:028-673-9070

ファックス番号:028-673-9071

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