重要なお知らせ
更新日:2020年10月23日
ここから本文です。
保健環境センターで実施している調査研究について紹介しています。調査研究紹介一覧に戻る
微小粒子状物質(PM2.5)は、大気中に浮遊する2.5マイクロメートル以下のとても小さな粒子です。
PM2.5の基本情報や栃木県で実施しているPM2.5調査の内容を、大気環境部の業務紹介ページ(PM2.5調査)にまとめていますので、先にそちらを参照されることをおすすめします。
近年は、PM2.5濃度は全国的にも改善傾向にあり、県内では全地点で環境基準を達成しています。しかし、環境基準を達成していても、短時間だけPM2.5濃度が高くなるときもあります。また、PM2.5は、発生源があちこちにあり、その時々で変わる気象条件にも影響されるため、その成分や濃度は様々に変化します。
大気環境部では、PM2.5の調査結果を詳細に解析し、栃木県でPM2.5濃度が高くなる原因について、複数年にわたり調査研究しています。調査研究内容は主に次のとおりです。
ここでは、栃木県におけるPM2.5について、調査研究で分かったことの例を紹介します。
右図は、四季調査の結果をレセプターモデル(CMB法)で解析した結果で、PM2.5にどの発生源が何%影響しているか示したものです。
この図から、主に二次生成粒子、そのほか自動車排ガス、重油燃焼、土壌の巻き上げ等の影響を受けていることが分かります。
※「レセプターモデル(CMB法)」と「二次生成」について大気環境部の業務紹介ページ(PM2.5調査)にまとめています。
PM2.5が発生する原因は上で紹介したとおりですが、特に気象によって、PM2.5の濃度が高くなるときがあります。PM2.5濃度が高かったときの気象条件等を紹介します。
《補足》二酸化硫黄:硫酸の元となる物質
オキシダント:硫酸を生成する化学反応を進める物質
《補足》窒素酸化物:硝酸の元となる物質
気温がちょうどよい:高すぎると生成した硝酸が気体になってしまい、PM2.5にはならない。5~10℃くらいでPM2.5濃度が高くなりやすい
湿度がちょうどよい:水分が硝酸アンモニウムを捕まえて粒子にするが、湿度が高すぎると水を含んだ粒子が大きくなってしまい、PM2.5でなくなってしまう。湿度の上がり始める夕方の時間帯に合わせて、PM2.5の濃度も上がり始めることが多い
下の2つの図は、それぞれPM2.5濃度が高くなった日のPM2.5濃度(黒色)と窒素酸化物濃度(赤色)、湿度(水色)との関係を示したグラフです。左下の図では、PM2.5濃度が高くなった時に窒素酸化物濃度が高くなっています。また、右下の図では、PM2.5濃度の高くなり始めと湿度の上がり始めが一致している様子が見られます。
そのほか、花火大会等特定のイベントでPM2.5濃度が高くなることも確認されているので、紹介します。
PM2.5濃度が高くなるイベントについては、その内容にクローズアップした資料を大気環境学会誌に掲載しています。大気環境学会誌「花火・ヨシ焼きによる汚染影響について」(外部サイトへリンク)
この調査研究について興味を持っていただけたら、さらに詳しい内容を実績(年報)に掲載していますので、ぜひそちらもご覧ください。
お問い合わせ
保健環境センター 大気環境部
〒329-1196 宇都宮市下岡本町2145-13
電話番号:028-673-9070
ファックス番号:028-673-9071